(2) 国際宅配便
(伸長目ざましい国際宅配便)
近時,国際貨物輸送の分野において,国内の宅配便と同様に小口の貨物や書類等をドア・ツー・ドアで輸送する小口航空貨物輸送サービスの伸長が注目を集めている。同サービスは,従来,クーリエサービス,スモールパッケージサービス等と呼ばれてきたもので,このようなサービスは,相対的に高い運賃水準にもかかわらず,近時,幅広い需要に支えられて発展しているが,これは,@ドア・ツー・ドアの輸送を一貫して引き受けるパック商品であること,A所要時間が短く,かつ到着時刻が正確であること,Bわかりやすく利用しやすい運賃制度であること,等の点において高度化,多様化してきている最近の国際ビジネス活動等に適合したものであったことによるものと思われる。
国際宅配便は,60年度実績で年間約220万件,約3,300トン(日本発ベース)の取扱量となっており,すでに国際航空小包郵便を取扱件数で上回っている。
(実態の把握と協会の設置)
近時,国際宅配便の市場には多くの企業が参入してきているが,運送責任,サービス水準,運賃体系等の内容は,各企業の規模やネットワーク網の有無等により様々である。このため,61年5月に,国際宅配便の現状を調査しその実態を把握するとともに,今後,同事業にかかわる共通の問題について協議し,同事業の健全な発達を図るため,事業者団体(日本国際宅配便協会)が設置された 〔5−2−1表〕。
(国際宅配便の消費者保護)
国際宅配便サービスは,今後,一般の利用者のニーズに応じた形でさらに成長していくものと予想されるので,国際宅配便事業が一般の利用者でも安心して利用できるサービスとして健全に発展していくよう標準運送約款の策定等を取り進めていくことが必要である。
|