1 21世紀に向けての港湾整備の基本理念と新五箇年計画の策定


 港湾は,交通・産業・国民生活等の諸活動を支える重要な基盤であり,その整備の推進は国民経済の健全な発展と国民生活の向上にとって必要不可欠である。このため,昭和36年以降,港湾整備緊急措置法に基づき港湾整備五箇年計画を策定し,港湾の整備を計画的かつ強力に推進してきている。

  前述の「21世紀への港湾」でも,「総合的な港湾空間の創造」と「港湾相互のネットワーキングの推進」を基本的目標においているが,第7次港湾整備五箇年計画は,前節で述べたように民間活力の活用を図りつつこの目標の実現を図っていくための第一段階として,新たに61年度を初年度とする五箇年計画として策定するものであり,今後の5か年間における港湾整備事業2兆5,500億円を含む港湾に係る投資の規模4兆4,000億円が61年2月閣議了解され 〔6−2−1表〕,その後,港湾整備事業の実施の巨標及び事業の量ば次のとおりとして11月に閣議決定された。
 (1) 物流の高度化に対応した港湾の整備3,600億円
 (2) 海士輸送の安定性の向上をめざした港湾・航路の整備4,700億円
 (3) エネルギー等資源の安定供給のための港湾の整備1,700億円
 (4) 地域の産業振興の基盤となる港湾の整備5,100億円
 (5) 豊かな生活空間の形成をめざした港湾の整備8,700億円
 (6) 空間利用の高度化をめざした港湾の整備工,400億円
 (7) 港湾整備の円滑な推進のための技術力の整備300億円
 合計2兆5,500億円
  また,円滑な港湾整備の促進を図っていくためには,港湾施設の各種使用料の適正化等により,現在厳しい財政状況に置かれている港湾管理者の収入確保を図りつつ,その財政基盤の強化に努めていくことが必要である。


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