4 行政の対応と今後の課題
(運輸行政の対応)
こうした新たなサービスの動向に対しては,運輸省も特に近年は積極的な行政対応を行ってきている。例えば,物流の分野についてみれば,宅配便,引越し,トランクルームの各標準約款の制定及び新運賃・料金の設定,複合一貫輸送の推進及びそのためのフォワーダーの育成,総合物流業化への指導,背高コンテナの解禁,さらに最近ではクーリエサービスなどの国際宅配便等の指導,育成などに積極的な対応を行っている。
このほかにも,例えば,コンベンションヘの取組みについては,既に20年前の国際観光振興会におけるコンベンションビューローの設置以来の地道な行政対応の実績とノウハウの蓄積を持っているが,さらに最近では「日本コンベンション推進協議会」の設立,あるいは,運輸省内での「コンベンション相談室」の開設などの積極的な対応を行っている。
また,このほか運輸省においては,60年度より引き続き「経済のソフト化時代に対応した運輸産業の新展開」についてのビジョン策定も行っている。
(今後の行政対応の課題)
しかし,これらの行政対応においては,まだまだこれから必要となる課題も多い。
ニューサービス事業が抱える共通の問題点を挙げると,@業務環境が整備されていない,A業界としてのまとまりが悪い,B企業体質が脆弱である,などが考えられるが,いずれも,ニューサービス事業は発展段階としては萌芽期ないし導入期に位置するために,必然的に生じているものである。
運輸省としては,これらの問題点も踏まえた今後の行政対応として,@継続的な実態把握(特に統計調査面の整備),A社会的ニーズが高く,公共性からもその育成が望ましいものについては,その育成,指導等の行政的対応(規制等の制度面の見直し等),B必要に応じた業界の組織化,業界団体の育成,業界のルール作り,等が必要となると考えており,これらの課題について検討を進めているところである。
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