4 輸送関連の動向
(1) 造船
60年度の新造船受注量(建造許可ベース)は,海運不況の長期化等により新造船需要が全般的に低迷し,対前年度比10.6%減の645万総トンにとどまった。船種別にみると,貨物船は13.0%減の483万総トン,油送船は6.1%減の157万総トンとなった。国内船・輸出船別にみると,国内船は21.1%増の301万総トン,輸出船は27.2%減の344万総トンとなった。
一方,60年度の新造船工事量(竣工ベース:2,500総トン以上)は,受注量の減少に伴って,829万総トン(8.6%減)となった。
この結果,60年度末の新造船手持工事量は,913万総トン(対前年度末比20.1%減)となった。
また,60年の新造船工事量(ロイド統計による竣工ベース:100総トン以上)は,950万総トン(対前年比2.1%減)となり,世界におけるシェアは52.3%を占めた。
なお,舶用工業の60年の生産額は9,934億円(対前年比8.6%減)であった。
(2) 鉄道車両製造
60年度の鉄道車両の生産実績(新造)は,1,534両,958億円で,それぞれ対前年度比20.6%減,40.7%減と大幅な減少であった。これを需要先別にみると,金額ベースで,国鉄は新幹線電車の減少等により32.0%減の447億円となり,国内民需はディーゼル車の減少により1.8%減の306億円,輸出は前年度が大幅増であった反動もあり68.3%減の205億円であった。
(3) 自動車保有車両数
60年度の自動車新車登録台数は405万台(対前年度比0.7%増),軽自動車販売台数は155万台(4.1%増)となっている。特に,軽自動車は,価格や維持費の安さ等の経済性,運転がしやすい等の利便性,また,複数保有世帯の増加に伴うセカンドカーとしての需要等により増加傾向にあり,新車登録台数に比べて伸びが大きい。
一方,60年度末の自動車保有車両数は4,824万台(対前年度末比4.1%増)となった。このうち,自家用乗用車は2,559万台(3.3%増),軽自動車は1,206万台(9.3%増),営業用貨物自動車は64万台(4.4%増)となった。
(4) 旅行業者
旅行業者数は年々増加傾向にあり,61年1月1日現在で,海外と国内旅行を扱う一般旅行業者が512業者,国内旅行のみを扱う国内旅行業者は5,293業者となっている。
また,上記の代理店となる旅行業代理店業者は2,164業者であり,このうち,一般旅行業代理店業者数は2,108業者で,国内旅行業代理店業者は56業者である。
なお,一般旅行業者主要35社計の60年度旅行取扱額は,約3兆2,000億円となっている。
(5) 登録ホテル及び旅館
60年末の登録ホテル及び旅館の軒数はそれぞれ532軒(対前年末比66%増),1,649軒(0.7%増)となり,総客室数は97,166室(6・3%増),91,681室(3.7%増)となった。
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