造船不況の打開をめざして――海造審答申(61.6)
世界の新造船需要は,石油危機を契機とする世界経済の低成長化,産業構造の変化等による海上荷動き量の伸び悩み,大量の過剰船腹の発生などにより極度に低迷しており,各国造船業とも仕事量の確保に苦慮している。世界の建造量の約半分を占める我が国造船業もこの例外ではなく,さらに最近の円高の影響もあり,一部企業において,人員の合理化,事業所の閉鎖等の問題が起こるなど,深刻な状況を迎えつつある。
このような状況のなかで,海運造船合理化審議会は,61年6月に,我が国の造船業の不況の克服と今後の健全な発展をめざす方策について答申を行った。この答申は,20%程度の過剰設備の削減集約化等の産業体制の整備などの対策を早急に実施すべき旨提言している。(P.51参照)
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