4 舶用工業
(一段と厳しい状況に直面する舶用工業)
我が国舶用工業は,船舶に搭載する多種多様な舶用機器の安定供給を通じて,造船業の国際競争力の確保,地域経済の発展等に大きく寄与してきたが,現在の舶用工業をとりまく環境は,新造船工事量の減少,第三造船諸国における舶用機器の国産化の進展,円高傾向の定着による国際競争力の低下等厳しい状況となっている。最近の舶用工業製品の生産額を見ると59年をピークに毎年減少を続けており,61年には,7,698億円と前年に比べ22%の減少となった 〔4−3−3図〕。これに対応すべく各企業において生産合理化等の対策を講じられているものの,供給力過剰を背景とした過当競争による製品価格低落の傾向は依然続いており,経営の先行きが懸念される現状となっている。
このため運輸省では,中小企業対策関連法及び雇用対策関連法等不況対策制度の活用を図るとともに,需要の創出等を図っているところである。
一方,需要規模の縮小に対応するため,62年度は,大型ディーゼル機関製造業15社間において,独占禁止法に基づく不況カルテルが結成され,3,000馬力以上のディーゼル機関の生産量を300万馬力までに抑制することとした。
|