5 倉庫業
(トータル倉庫業への展開)
倉庫業をとりまく環境は,物流量が漸減傾向をみせ保管需要が伸び悩む一方,多品種少量生産の進展により,出庫が多品種小口高頻度化するとともに,荷主の物流ニーズも高度化かつ多様化してきており,倉庫業者においても,単に保管・荷役サービスの提供のみでは荷主ニーズに対応することが困難になってきている。
こうした状況下で,一部の大手倉庫業者は,保管・荷役機能の近代化,合理化のほか,流通加工,在庫管理,情報処理,輸配送等各機能の強化に努めているほか,国際複合一貫輸送にも進申しているところであるが,このような事業展開は業界の大部分を占める中小倉庫業者にとっても重要であるため,運輸省においては,61年度に倉庫業者のトータル物流業者への展開のあり方について検討を行い、62年3月に一つの指針として「モデル倉庫像-倉庫業者のトータル物流戦略の模索-」を策定し,現在,その普及に鋭意努めているところである。
(庫腹整備の推進)
倉庫は,国民生活及び産業活動の安定並びに物資の円滑な流通にとって重要な役割を果しているが,保管需要の変化に応じて短期間に庫腹供給量を調節することが困難であるため,その整備は,中・長期的見通しの下で計画的に行われる必要がある。
このため,運輸省ではこれまで数次にわたり倉庫整備5箇年計画を策定し,庫腹整備の目標値を示してきたが,現在は61年度を初年度とする第6次倉庫整備計画に基づき,用地対策,資金対策等計画的な庫腹整備の推進を図っているところである。
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