2 民間活力を活用した事業の推進
(1) 港湾における民活事業制度の充実
港湾における民活事業を一層推進するため,第108回通常国会において民活法を一部改正し,また,民都市法及びリゾート法を制定するなど,民活事業推進のための各種制度の充実が図られている 〔7−1−3表〕。
(民活法の一部改正)
高質で総合的な港湾空間づくりの拠点施設として,国際見本市場,国際会議場,旅客ターミナル及び港湾業務用施設の整備が民活法により進められているところである。横浜港みなとみらい21地区においては,62年6月に国際会議場,国際見本市場の事業主体である第3セクターが設立され,同月に「特定港湾開発地区」注)の指定が行われた。また,東京港竹芝地区においては,62年7月に港湾業務用施設の事業主体である第3セクターが設立された。その他,直江津港,八幡浜港等での準備も進んでいる。
こうしたなかで,62年6月に民活法の一部が改正され,テレポート,地域情報管理基盤施設,国際ビジネス交流基盤施設及びこれらと一体的に整備されるインテリジェントビル並びに国際交流基盤施設が新たに民活法の特定施設に追加された。
(民都市法の制定)
民間事業者によって行われる港湾再開発事業等を促進するため,民都市法が62年8月施行された。本法においては,民活プロジェクトの推進母体として「民間都市開発推進機構」を指定し,民間事業者が業務用施設等と緑地,さん橋等の公共施設等を併せて整備する場合,当該機構がこれらの整備事業に対し,低利融資,事業参加等の支援措置を講ずることとした。機構は62年10月に設立され,業務を開始した。
(リゾート法の制定)
62年6月,リゾート法が公布・施行され,リゾート地域整備を促進するための措置を講ずることとした。本法により海辺の良好な自然条件を有する地域において,民間事業者によるマリーナ,人工海浜,緑地等からなる海洋性レクリエーション基地の整備が促進されることとなった。
(その他の制度の創設)
以上の法制度の拡充とあわせ,旅客ターミナル,会議場,展示場等港湾機能の高度化・多様化に資する施設の整備事業に対し,日本開発銀行等の出融資を行う「港湾機能総合整備事業」を更に推進するとともに,第109回臨時国会で成立した「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」により,港湾における民活事業に対して無利子貸付が行われることとなった。
こうした事業制度の充実により,各地で実施されつつある港湾民活プロジェクトが一層推進されるとともに,新たなプロジェクトの実現が期待されている。
(2) 港湾民活プロジェクトの推進
港湾民活事業制度を活用することにより,各港で港湾民活プロジェクトが推進されている。
62年度において実施しているプロジェクトをまとめると 〔7−1−5表〕のとおりである。
注) 特定港湾開発地区:民活法で,特定施設(港湾業務用施設,テレポート等)の整備により,経済社会の発展に即応した港湾の開発または利用を促進するため,特に,その開発整備を図ることが適当と認められる地区
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