4 マリーナを核とした海洋性レクリエーション基地の整備


(1) 海洋性レクリエーション需要の増大への対応

  (海洋性レクリエーションをとりまく現状)
  近年,国民の所得水準の向上や余暇時間の増大,価値観の多様化を背景に,余暇活動の充実,ゆとりある生活の実現が強く求められており,ボート,ヨット等の海洋性レクリエーション活動への需要が高まりつつある。
  ヨット,モーターボート等のプレジャーボート数は,58年において20数万隻と推計されており,今後も増加するものと考えられる。一方全国で約370か所のマリーナ(うち公共マリーナ33か所)の収容能力は5万隻程度であり,マリーナは大幅に不足している。
  また,10万隻あまりにおよぶ放置艇によるトラブルの解消や,プレジャーボート活動と一般船舶の航行との調整等水域の適正な利用も強く求められるようになっている。
  (マリーナ懇談会の開催)
  このような情勢に適切に対処していくため,運輸省では,61年度に各界の有識者からなる「マリーナ懇談会」(座長 石原 俊 経済同友会代表幹事)を開催し,マリーナの整備の促進方策,管理・運営方策,海洋性レクリエーションの健全な普及方策等今後のマリーナのあり方をとりまとめた。運輸省としては,懇談会の報告を踏まえてマリーナ整備の推進等の施策を講ずることとしている。

(2) マリーナ整備の推進

  (公共マリーナ整備の推進)
  マリーナを中心とする海洋性レクリエーション基地の整備を推進するため,61年度から「コースタルリゾート調査」を開始し,運輸省,地元港湾管理者が共同してプロジェクトの計画調査を実施している。61年度は5港で実施し,62年度は15港で実施中である。
  公共マリーナについては,62年度に,全国の15港において整備を行っているほか,マリーナの施設の充実を図るため従来の外かく,水域施設に加えビジターバースを新たに補助対象とした 〔7−1−7図〕

  (リゾート地域の中核としての海洋性レクリエーション基地の整備)
  マリーナを核とする海洋性レクリエーション基地の整備によるリゾート開発は,地域活性化の方策としても今日大きな期待が寄せられるようになってきている。このため,リゾート法を活用しつつ,民間マリーナの整備支援を行うこととしている。
  (マリーナの安全対策の充実)
  マリーナにおける安全対策の充実を図るため,(社)日本マリーナ協会の行うマリーナ管理者を対象とした「マリーナ安全管理者養成講習会」を通じ,マリーナの安全管理,プレジャーボートの保管航行上の安全対策のあり方に関する啓蒙活動を行っている。


表紙へ戻る 次へ進む