1 青函トンネルの概要


 (世界最長の海底トンネル)
  本州と北海道を結ぶ青函トンネルが63年3月13日に開通した。
  青函トンネルは,日本鉄道建設公団によりトンネル建設技術の粋を集めて建設された世界最長の53.9kmのトンネルである。その建設の歴史は古く,21年に地質調査が開始され,28年8月には鉄道敷設法予定線と位置付けられた。29年9月の洞爺丸事故をきっかけとしてトンネル建設の気運が盛り上がり,39年4月に調査線となり,同年5月に調査斜坑掘削が開始され,46年4月には,工事線となり,同年9月から本格的な工事が着手された。その後,異常出水などの困難を克服して,63年の開通に至った。これにより本州と北海道が本のレールで結ばれることとなった。建設費(計画ベース)は,青函トンネル自体が5,384億円,津軽海峡線の青函トンネル以外の陸上部のアプローチ等も含めると6,890億円であり,青函トンネルの建設は,世紀のプロジェクトともいうべきものである。


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