2 瀬戸大橋の効果


(1) 輸送時間の短縮輸送の安定性の同上

 (瀬戸内海を10分で横断)
  本州と四国の交通輸送は従来,海上輸送に依存してきたが,最大のネックである濃霧や風波等気象条件による欠航や乗り換え・積み替え等の待ち時間がなくなり,所要時間の短縮効果で四国の主要都市と全国各地を結ぶ時間距離は大幅に改善されている。
  従来,本州・四国間は連絡船やフェリーで1時間(宇野〜高松)を要していたが,瀬戸大橋開通後は鉄道,自動車で約10分(児島〜坂出)と1/6に短縮された。
  自動車では倉敷〜坂出間が約80分,倉敷〜高松間が約70分、それぞれ短縮されるとともに,鉄道では岡山〜高松間が72.1qと宇高連絡船経由と比べ距離的には21.2km長くなったが,時間的には約40分短縮された 〔2−2−2表〕

(2) 地域産業の生産拡大及び所得効果

 (瀬戸大橋により活性化する香川経済〉
  大都市圏との時間距離が短縮し,輸送条件が改善されることから生鮮食料供給基地としての生産拡大,立地条件の向上から産業立地の可能性が高まり,工業面でも生産拡大が期待できるとともに商業,サービスの分野でも商業圏域が拡大し,新たなビジネスチャンスが生まれ,第三次産業が高度化されることになる。
  また,瀬戸大橋により生活利便の向上と生活圏の拡大がもたらされ,地域の産業立地条件の改善と相まって,地域の特性に応じた土地利用を可能とし,さらに都市機能の適性な分担をもたらし,地域における人口の定着を促進して,安定した活力ある地域社会の形成が期待される。
  香川県における大型小売店販売額が対前年同月比の伸び率をみても,瀬戸大橋開通以前は全国平均を下回っていたが,開通後は大幅な伸びを示し,全国平均を上回るに至っている 〔2−2−3図〕

  また,雇用面の状況をみると,62年以降,香川県における有効求人倍率は全国平均を大きく上回っており,特に63年に入ってからは1.5〜1.6倍の高い水準で推移している 〔2−2−4図〕


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