3 日本鉄道共済年金問題
日本鉄道共済年金は,現役組合員数の減少,年金受給者数の増加等により極めて厳しい財政状況にあるが,この問題については,61年8月以降大蔵大臣,運輸大臣,年金問題担当大臣及び内閣官房長官の4大臣で構成する「日本鉄道共済年金問題に関する閣僚懇談会」において対策の検討を進め,64年度までの対策については,62年3月に,現在事業団が負担している過去の追加費用の見直し及び日本鉄道共済年金の積立金の充当により対応していくことが決定され,所要の措置が講じられている。
また,65年度以降の対策については,64年度までの対策に引き続き同閣僚懇談会において検討を行っており,この検討に資するため,62年12月から広く各界の有識者からなる「鉄道共済年金問題懇談会」(大来佐武郎座長)を開催していたが,63年10月にその報告書が提出された。この報告書では,日本鉄道共済年金問題の対応策の基本的な考え方がまとめられており,具体的対応策として,既裁定年金を含む年金給付の見直し,保険料率の引上げ,JR各社の負担,清算事業団の負担及び国の役割,現行財政調整計画の見直しについて述べ,これらの自助努力等が行われることの必要性を強調するほか,自助努力等の措置が当然の前提となるとしつつ,公的年金の一元化とのかかわりの重要性についても触れている。今後は,この報告書の趣旨を最大限尊重しつつ,適切に対処していく必要がある。
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