2 幹線交通網の整備の方向


  今後とも進む人々の行動圏拡大に伴う交通需要の増加,量・質両面にわたる国民の交通に対するニーズに対応して,適切な競争と利用者の自由な選択を通して,各交通機関の特性が生かされるような幹線交通網の整備を進めていく必要があるが,その長期的目標としては以下の2点があげられる。
 (1) 高速交通サービスの地域間格差を解消し,全国土にわたってできるだけ一日交通圏を拡大するという観点から,地方都市から複数の高速交通機関へのアクセス時間を概ね1時間以内とすること。
 (2) 地域間相互依存関係拡大に伴い,交通網の安定性の確保,利便性の向上等が重要となることから,複数ルート,複数交通機関による多重交通網の形成を図ること。
  しかしながら,その整備にあたっては今後とも財政,空間等の制約の強まりが予想されるので,投資の重点化,効率化を図りつつ,各高速交通機関の特性に応じて長期的な視点から順次選択的に高速交通施設の整備を進めていくとともに,これら高速交通施設と一体となって機能し,その質を高める在来鉄道の列車設定の適正化等フィーダー・アクセス機能の充実を図る必要がある。


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