5 自家用車のこれからの機能分担のあり方


  モータリゼーションが成熟段階に入りつつあるなかで,国民所得の上昇や余暇時間の充実志向等のライフスタイルの変化に伴い,セカンドカーの保有,軽自動車の急速な普及等自家用車の保有形態や車種構成の面での変化が進むと同時に,自家用車の利用に対するニーズは生活の豊かさのなかで,一層高度化,多様化,個性化している。
  自家用車に対する新しいニーズの動向を考えると,これまでのように公共交通機関の整備・充実というだけでは不十分であり,本来公共交通機関に対して求められている役割を再検討してその実現をめざすとともに,それを踏まえた上で自家用車と公共交通機関との新しい機能分担のあり方を再考し,相互補完的活用策を検討する時期にきていると考えられる。そのような検討として,大都市近郊においては,高架下等を活用し,地方都市においては,駅隣接地を利用したK&R,P&R用施設の整備等があげられるが,いずれにしても利用価値の高い駅周辺の土地を具体的にどのように活用することが適当であるか十分な検討が必要である。


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