横須賀港沖で潜水艦と遊漁船が衝突,30人が死亡(63.7.23)


  7月23日,横浜から大島に向かっていた遊漁船「第一富士丸」(154総トン)と,横須賀港に帰港中の潜水艦「なだしお」(基準排水量2,250トン)が横須賀港沖で衝突し,「第一富士丸」は間もなく沈没した。「第一富士丸」の乗客及び乗組員計48人のうち19人は救助(1人は病院で死亡)されたものの,29人は行方不明となった。海上保安庁は,本庁,第三管区海上保安本部及び横須賀海上保安部に対策本部を設置するとともに,巡視船艇延べ150隻,航空機延べ26機,特殊救難隊員延べ112人及び潜水士延べ187人を出動させ,関係機関の協力も得ながら,全力を挙げて行方不明者の捜索救助に当たったが,7月29日までに29人全員が遺体で発見された。また,この事故の刑事責任の所在を明確にするため鋭意捜査を進め,9月29日,事故当時の「なだしお」艦長と「第一富士丸」船長を業務上過失致死傷等の容疑で送致した。
  一方,政府は7月24日,運輸大臣を本部長とする「第一富士丸事故対策本部」を総理府に設置し,7月27日に「船舶航行の安全に関する当面の措置」を,さらに,10月14日には「船舶航行の安全に関する対策要綱」を決定した。これらの決定を受けて,運輸省及び海上保安庁をはじめ,それぞれ関係省庁では,8月1日から31日までの間,航行安全に関する集中指導を行ったほか,今後,航行安全対策の一層の充実・強化を図ることとしている。(P.429参照)


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