「追越し船」となるのか「横切り船」となるのか、まぎらわしい場合

 追越し船か横切り船かまぎらわしく、どちらになるかで、とるべき方法が大きく異なるのは、どのような場合かわかりましたか?

 追越し船の範囲の図で見ると、この場合が問題となります。
 追い越す船が、追い越される船の舷側正横後22度30分付近から接近する場合です。


 この状況で、追越す船が「2隻の関係は『横切り船の関係』」と考え、一方、追越される船が「2隻の関係は『追越し船の関係』」と考える場合は、それぞれが相手船に避航を期待することになります。
 「そのうち、相手船が避けるだろう。」と思って互いに接近した・・・となると、衝突の危険が生じます。

 既に説明したように、こうした危険を避けるため、海上衝突予防法では、「自船が追越し船であるかどうか確かめることのできない場合は、追越し船であると判断しなくてはならない。」と定め、自分の船が「追越し船」となるのか「横切り船」となるのかまぎらわしい場合は、追越し船として、追い越される船を確実に追い越すことで、混乱を生じないようにしています。

 追い越す船が追い越される船の舷側正横後22度30分付近から接近する場合は、「こうした問題は生じません。」という理由は、もう、説明するまでもありませんね。


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