(1)集計方法
回収された調査票の単純合算集計で行っています。
(2)集計業務の実施系統
国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室において、集計作業を実施しています。
(3)データ処理誤差対応
非標本誤差のうち、調査票の回答内容を電子化して、これらを集計するまでの段階で発生する「データ処理による誤差」があります。このうち代表的な誤差として、調査票の回答内容を電子化(データ入力)する際に入力作業を行う人間が介在するため、この段階で入力ミスなどのヒューマンエラーが発生する可能性があります。
航空輸送統計調査では、回収された調査票の内容検査作業終了後、調査票情報の電子化作業は、民間事業者へ委託しており、データエントリー作業では、ベリファイ方式でのデータ入力を実施しています。また、集計前に集計システム上において、データのエラーチェック(数値の論理チェック等)を実施するなど、データ処理の正確性に努めています。
(4)異常値・外れ値の対応
調査票の回答内容について、内容検査要領に基づいて内容を検査し、検査要領の閾値外であること及び集計システム上のエラーチェックプログラムによりエラーを検知し、回答内容を確認し疑義が生じる場合、報告者へ問い合わせを行い回答内容の聴取を行うことにより、異常値・外れ値か否かの確認を行っております。
(5)測定誤差の対応
もともと測定誤差とは、自然科学の分野で、ものの大きさや重さなどを測定する際に発生する誤差のことで、その原因は測定機器の不完全さ、測定者の能力による違い、測定条件の変動などによるものです。
調査の分野でも、測定機器に相当する調査票のデザインや言葉遣いによって回答者が質問を誤解したり懸念したりして事実と異なる記入をした場合の誤差、測定者である調査員の面接の拙さや委託先の質による誤差、測定条件である調査方法(郵送調査か調査員調査かなど)による誤差など様々な測定誤差があります。
航空輸送統計調査では、調査票記入要領の内容をわかりやすい表現とすることを実施しており、これらの測定誤差をできるだけ減らすよう努めています。
(6)非回答時の対応
集計対象となる調査項目については、すべて回答してもらうのが原則ですが、報告者のミスや回答しづらいもの、あるいは意図的に回答を拒否するものなどがあり、必ずしも調査項目がすべて回答されているわけではありません。このような回答漏れによる誤差を「非回答誤差」といい、事前の調査票の工夫や記入要領による丁寧な説明など、また提出後には非回答部分の電話による照会などの方法で、できるだけ減らすように努めなければなりません。
航空輸送統計調査では、非回答を減らすために次のような方法をとっています。
ア.記入要領での説明
記入要領では、できるだけ回答漏れをなくすために、各調査項目の文言を簡潔かつ一般的な表現を極力使用しております。
イ.電話による再回答
調査票回収後に内容検査工程により、記入漏れや記入ミスを発見した場合には、報告者に電話にて照会を行い、再回答をお願いしております。
運航キロメートル … 路線における区間ごとの運航回数に距離を乗じたもの。
運航時間 … 航空機の動き出し(ランプ・アウト)から、目的地に着陸して停止(ランプ・イン)までの時間(ブロック・タイム)。
幹線 … 札幌、東京、成田、大阪、関西、福岡、那覇の各空港を相互に結ぶ路線。
建設協力 … 送電線鉄塔建設等の建設工事用の資材や人員を輸送するための飛行。
座席キロメートル … 路線における区間ごとの座席数に距離を乗じたもの。
仕立地、仕向地 … 航空会社に運送を委託するに当たって航空会社が発行する航空貨物運送状に記載された発地及び着地。
重量利用率 … トンキロメートルを利用可能トンキロメートルで除したもの。
人キロメートル … 路線における区間ごとの旅客数に距離を乗じたもの。
トンキロメートル … 路線における区間ごとの各重量(旅客、超過手荷物、貨物及び郵便物)に距離を乗じたもの。
燃料消費量 … エンジンを始動して離陸してから、目的地に着陸してエンジンを止めるまでに消費する燃料総量。
利用可能重量 … 飛行ごとの座席数に1座席当たりの単位重量を乗じたものに貨物室搭載許容重量を加えたもの。
利用可能トンキロメートル … 路線における区間ごとの利用可能重量に距離を乗じたもの。
ローカル線 … 幹線以外の各路線。
1.月別運航及び輸送実績は、国内定期航空運送事業者及び国際航空運送事業者の有償実績である。
2.航空機使用事業等の月別稼働実績は、航空機使用事業(航空機を使用しての広告宣伝、写真撮影、報道取材、薬剤散布、視察調査、操縦訓練、漁業協力等、運送以外の行為を請け負う事業をいう。)及び航空運送事業(ただし、国内定期航空運送事業及び国際航空運送事業を除く。)の実績である。このうち、後者は、遊覧及び貸切(建設協力・その他)が対象である。
3.旅客トンキロの計算における1人当たりの重量は次のとおりである。
国内 ・・・ 75.0kg
国際 ファーストクラス、ビジネスクラス ・・・ 102.5kg
国際 エコノミークラス ・・・ 92.5kg
(1)国や地方公共団体での利活用例
・国民経済計算、産業連関表等の二次加工統計の基礎資料
(2)民間分野での利活用例
・業界団体における輸送活動の現状を把握・分析するための基礎資料
・大学、民間シンクタンク等における経済見通し、経済動向分析、業界動向分析等の基礎資料