IMO第5回ばら積み液体及びガス小委員会(BLG5)の結果について



平成12年7月6日
海上技術安全局安全基準課


 標記会合は、平成12年6月26日から30日まで、ロンドンの国際海事機関(IMO)本部において開催された。我が国からは運輸省関係者等11名が出席した。今次会合の当局関連の主要な事項の審議結果は以下のとおり。

1.有害液体物質の汚染分類の見直し(議題7及び8関連)
 平成8年7月に開催された第38回海洋環境保護委員会(MEPC38)以来、海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)附属書II「ばら積み有害液体貨物による汚染規制のための規則」の見直し作業に伴う有害液体物質の汚染分類の見直しについて検討されてきた。
 今次会合においては、GESAMPが有害性評価手順(HP:Hazard Profiles)を変更することに基づき、個別物質の汚染分類の再評価を検討している第5回ESPH・WG(平成11年10月開催)の結果が報告され、承認された。また、前回会合において説明のあった分類案(我が国の5分類、蘭の3分類)については、GESAMPのHPの見直し作業が完了した後に詳細に検討していくことが確認され、実質的な審議はなく、作業完了目標年も2004年に延長することが合意された。現在GESAMPは約215物質を見直し、残りは約450物質であることが報告され、GESAMPの結果を早急にESPH・WGにおいて評価することが合意された。

2.MARPOL73/78条約の附属書I第22〜24規則の改正(議題5関連)
 油タンカーの船側損傷及び船底損傷に伴う油による汚染を最小にするために、現行のMARPOL73/78条約附属書Iでは、船体が損傷した場合の油の流出する量そのものを制限する第22〜24規則が規定されている。これらの規則は、13G規則が制定された際にダブルハルタンカーにも適用できるよう改正されたが、もともとはシングルハルタンカー及び二重船底構造のタンカーを想定して定められたもので、ダブルハルタンカーを想定したものとなっていないことから、BLG小委員会においてダブルハルタンカーを対象とする油流出量を確率論的手法により評価し制限する新規則の開発が審議されてきた。
 今次会合において、我が国から提出していた新規則案の妥当性について国内で検証した結果について説明を行い、概ね受け入れられた。また、BLG3において設置されたコレスポンデンスグループ(CG)の報告が今次会合に提出され、詳細について引き続きCGを設置し検討していくことが合意された。

※略語説明
GESAMP: Group of Experts on the Scientific Aspect of Maritime Pollution
海洋汚染について化学的観点からの助言を行う専門家グループ(IMO,FAO,WHO等7つの国際機関が支援するグループで、これらの機関から推薦された専門家で構成)
ESPH・WG: Working Group on the Evaluation of Safety and Pollution Hazards of Chemicales
BLG小委員会の下に設置された化学薬品の安全性評価を検討するためのワーキンググループ


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