国土交通省
  IMO第5回無線通信及び捜索救助小委員会(COMSAR5)の結果について
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平成13年1月
<問い合わせ先>
国土交通省海事局安全基準課
山田、平方(内線43933)

電話 03ー5253ー8111



  標記会合は、平成12年12月11日から15日にかけてロンドンの国際海事機関(IMO)本部において開催された。 今次会合における当局に関連した主な審議結果については、以下のとおり。

1.誤警報及び干渉(議題7関連)

ポイント

  GMDSSの誤警報の問題に関し、各国が、誤警報の状況に関するデータをIMOに提出する報告様式の検討が行われ、 審議の結果、データ収集方法も含めた報告様式、誤警報対策について継続して検討を行うこととし、かつ、情報収集については継続して実施することが合意された。

結果概要

  GMDSSによる遭難警報の誤発射の問題に関し、各国がIMOに提出する誤警報のデータ報告様式について、前回会合に引き続き審議がなされた。
  今次会合において、我が国は、GMDSS誤警報対策の今後の検討に資するため、更に見直しを行った報告様式案を提出し、関連した文書等と合わせて審議が行われた。
  審議の結果、今後の誤警報防止方策の検討に資するデータの収集及び原因の分析のためには、特に人的要因に係る調査項目の細分化が必要であること、 調査実施機関(主として各国MRCC)と調査対象となる船舶側の対応等を考慮するとデータ報告様式は統一され、かつ、 可能な限りシンプルな様式とする必要があること、さらには、現在、各国及び機関が実施する複数の報告様式との整合にも配慮が必要であること等慎重な対応を要求する意見が大勢を占め、 結果、データ収集方法、誤警報対策も含めてコレスポンデンス・グループ(CG)による継続した検討に委ねることとし、ノルウェーを調整者としてCGにおいて検討を進め、次回COMSAR6にその結果を報告することで合意に至った。
  なお、我が国は、今後の誤警報防止方策の検討に資するため、報告様式が完成していなくとも、今次会合と同様に各国が誤警報データ及びその他の情報を次回会合に継続して提出し、誤警報を低減していくことの必要性を強く訴え、 結果、小委員会は各国に対して次回会合に引き続きデータを提出するよう要請することとなった。

2.海上無線通信システム技術の発展及び船橋間通信(議題3関連)

 

ポイント

  船橋間通信についてGMDSSの実施や近年の通信技術の発展を受け広く議論し、特にChannel 16の聴取義務が2005年になくなる後の船橋間通信手段の問題を検討することを要請するフランス提案に対し、COMSAR小委員会として検討を開始することが合意された。 

結果概要

  船橋間通信についてGMDSSの実施を受け広く議論し、特にChannel 16の聴取義務が2005年になくなることから、 その後の船橋間通信を行う手段について議論を開始することを要請するフランス提出文書の審議が行われた。
  審議の結果、小委員会は、仏提案に関し、特に16チャンネルの聴取義務については、一般通信の確保のみならず、 船舶航行の安全確保の上でも重要な課題であるとの我が国、ノルウェー、デンマーク等からの仏提案を支持する意見を踏まえ、 本件の検討を小委員会として開始することに合意した。本件については、来年5月のMSC74における審議を経て、次回COMSAR6から検討が開始される予定である。

3.IAMSARマニュアルの強制的搭載(議題8関連)

 

ポイント

  IAMSARマニュアルの搭載義務化に関して、政府が適用を除外する船舶以外の全てのSOLAS第X章適用船舶に対し、 当該マニュアルを搭載させる必要があると満場一致で合意され、 SOLAS新X章第21規則の改正案が来年5月のMSC74に承認のため提出されることとなった。 

結果概要

  「各政府がその国を旗国とする船舶に対してIAMSARマニュアル(International Aeronautical and Maritime Search and Rescue Manual)第3巻(個船に対するマニュアル部分)を搭載させる」ことを勧告する決議A.894(21)が先の第21回総会で合意されたことを踏まえ、 当該マニュアルの搭載義務に関する検討が今次会合で行われた。
  検討の結果、その政府が適用を除外する船舶以外の全てのSOLAS第X章適用船舶に対し、IAMSARマニュアル第3巻を搭載させる必要があると満場一致で合意され、 これに伴うSOLAS新X章第21規則の改正案が策定された。  当該SOLAS新X章第21規則の改正案については、来年5月に開催予定のMSC74に提出され、承認のための審議が行われる予定である。

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