平成12年10月10日
海上技術安全局安全基準課
・ | カテゴリー1(pre-Marpol船):2003年1月1日より2007年1月1日にかけて船齢の古いタンカーより順次フェーズアウト |
・ | カテゴリー2(Marpol船):2003年1月1日より船齢25年に達したタンカーよりフェーズアウト。2012年からは、フェーズアウトされる船腹量を年毎にある程度一定にするため船齢制限を24、23、22...と減少させ、最終年限を2015年若しくは2017年とする2つの選択肢。 |
・ | カテゴリー3(13G対象外の小型のタンカー):5000DWT以上のタンカーを2003年1月1日から船齢の古いものより順次フェーズアウトし、最終年限を2015年若しくは2017年とする2つの選択肢。 |
・ | カテゴリー毎に、ある年齢、年限を超えて使用する船舶には、船舶の延長使用を可能とする制度が課されることとなっており、Condition Assessment Scheme(船舶の状態を評価する制度)と称する新たな制度又はESP(検査強化プログラム)に基づく特別な検査制度の2つの制度が併記されている。 |
・ | 具体的には、カテゴリー1は船齢25年以上あるいは2005年を超えて使用する場合(現行案では両論併記)、カテゴリー2は2010年を超えて使用する場合である。 |
今次会合では、フェーズアウト促進案が大筋合意されたが、上述のとおり、最終年限についての選択肢、船舶の延長使用を可能とする制度に関する2つの案が残っており、4月のMEPC46で最終的な審議の上条約改正案が採択される予定。
○結果概要
1 検査対象船舶
検査対象船舶については、国際航海に従事する船舶を対象とすることについては合意されたが、SOLAS条約で要求される船底検査の対象船舶と合わせ、500総トン以上の船舶とする我が国の主張の他、既存のMARPOL73/78条約に合わせて400総トンと主張する国あるいは300総トンと主張する国があり支持が分かれたため、条約採択のための外交会議で最終決定を行うこととし、ブラケットを付すこととなった。
2 2008年以降のTBT塗料の船体への存在禁止の解釈
2008年以降のTBT塗料の船体への存在禁止の解釈については、船体に残存するTBT塗料をサンドブラスト等により船体から完全に除去するという案に対して、シーラーコートによりTBT塗料を被覆することを認める我が国の主張を支持する意見が多かったが、両者の技術的問題についてさらなる調査を行った上で慎重に検討すべきと主張する国もあり、サンドブラストのみとする案も残し、今後再度検討して決定することとなった。
なお、条約の改正方法及び発効要件については、来年10月の外交会議で決定すべきものとして現時点も具体的な規定を定めていない。