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 大臣会見要旨(平成17年9月13日)
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平成17年9月13日(火)
10:47〜11:12
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

  本日の閣議は、一般案件が3件、政令が1件、人事案件が3件でございます。特に国交省に関連するところは、ございません。閣議後の閣僚懇で先般の台風14号による被害と対応につきまして、村田防災担当大臣、また私のほうから9月9日に宮崎県の視察をしていることもありまして、ご報告をさせていただきました。


質疑応答

 
(問) 幹事社の方から4点、今日はお聞きします。総選挙の関係ですけど、与党が圧勝しまして郵政民営化に関して、イエスという民意が示されたと思われます。今回の総選挙は郵政民営化に焦点が絞られた感がありまして、社会保障の問題、税の問題、国交省に関係しますが公共事業を今後どうするのか、所管ではないですが外交の問題なども今後の道筋が語られていません。国土交通省の所管以外の問題も含めまして、今後どのように政治を取り仕切っていくのかお願いします。
(答) 郵政事業民営化の是非が第一の争点であったことはそのとおりだと思います。それについて明確な国民の審判が出たと思っています。郵政事業民営化というのは、構造改革のシンボルだと私は思います。また、郵政事業民営化の問題そのものもさまざまな構造改革にかかわっている重要な一つの分野でありまして、郵政事業民営化を初めとする構造改革路線について国民の支持を頂戴したと私は理解しています。そもそもなんで構造改革なのということですが、人口減少社会への突入、本格的な高齢社会もこれからやってくる。また、経済もますますグローバル化していくと思われます。そういうかつてなかった大きな急速な変化の中にわが国が置かれていると、そういう中にあって過去の人口増加、そして右肩上がり経済というのが当然のこととして作られてきたさまざまな日本の制度や仕組みというものをこれからの時代にふさわしいものに変えていく。これが構造改革の一番の趣旨だと思います。そういう趣旨で捕らえますとさまざまな分野で構造改革をしていかなければならないですね。財政の健全化の問題もその一つです。これから若い世代の方々の比率が小さくなっていくわけで、そういう中にあっていかに人口縮小、また、高齢化が進行する中でわが国の経済を維持、発展させていくのかというところが非常に大事なところです。そのためには、財政についても今のままでいいわけがありませんし、また、生産性を高める、付加価値を高めるために、メリハリをつけて、投資というものをしていく必要があるだろうと思っています。公共事業につきましては、今置かれているわが国の財政の状況の下で、額として抑制をしていかなくてはならないというのは、その方向で当然考えていかなければならないと思っています。先般のシーリングでも公共事業だけではございませんが、補助金その他の一般経費につきましても同様に3パーセントというシーリングがかかっているはずです。裁量的経費並びに公共投資関係費ともに対前年度3%マイナスというシーリングです。そういう意味で、公共事業の抑制を進めていくという流れ自体は、これからも維持をしていかなければいけないと私も考えています。一方で、防災、減災を始めとする我が国国土の安全確保のための社会資本整備、また、既に整備された社会資本の補修と言いいますか、そうしたものはこれからもしっかりとしていかなければいけないわけでして、一旦被害が出てしまうと、そちらの被害の回復のために余計にお金が掛かってしまうということになってしまうわけです。財政的な面からも、安全・安心を確保するための社会資本整備については、やはり優先順位を高めてやっていく必要があると考えているところです。
(問) 大臣の冒頭発言でもありましたが、台風14号の影響ですが、残念ながら山陽道の崩壊で亡くなられた方が出てしまいました。この件につきまして、国や道路公団の責任を問う声も一部ありますけれども、大臣のご認識についてお尋ねしたいのですが。
(答) 3名の方が、この土砂崩落によりましてお亡くなりになったわけです。まず、お亡くなりになられた方々へのご冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。この件につきましては、今、専門家の方々が入っていただきまして、調査をしていただいているところです。また、日本道路公団におきましても、外部の専門家の方々に入っていただいて、調査検討委員会が設置されております。既に第1回の会合も開かれたと聞いております。約1ヶ月を目途に、その調査結果について取りまとめたいというお話も聞いておりまして、それを踏まえたうえで、その責任の問題、道路管理者は道路公団ですが、その責任の所在等について明確にしていく必要があると思っています。
(問) 前回の会見でもお尋ねしましたが、熊本県の川辺川ダムの関係ですが、農水省からの利水計画の提出の有無も含めまして、現状と今後の国交省の方針についてお尋ねしたいのですが。
(答) 昨日付で、農水省の九州農政局長から新利水計画の概要を示すことは困難という回答がありました。御承知の通り、収用委員会の方からは、収用採決申請を取り下げなければ却下するという勧告を頂戴しているところでして、これを重く受け止めまして、出来るだけ早く回答をしなければならないと思います。出来ましたならば、今週中にでも考え方を取りまとめたいと思っています。
(問) 道路公団が10月1日に民営化となりますけれど、談合を含めた一連の不祥事がまだ起きています。そのような不祥事を防止するための、社内体制、社内体質の改善などを含めて、国土交通省側から指導なり指摘なりしている具体的なことがあれば、教えてください。
(答) 今回の一連の談合、また談合に道路公団の幹部が関与してきたということで、今起訴されているわけです。このことは、当然、道路公団も重く受けとめまして、今、近藤総裁を中心に再発防止策を取りまとめ、それを実行に移そうとしていると考えていますし、また司法の捜査が一応、一段落した中で公団内部での調査も今、なされていると聞いています。その調査の結果を待って、道路公団として処分を含めた様々な対応もなされるものと理解しています。いずれにしましても、こうした談合は断じて許されませんし、ましてや、その談合に発注者側が関与するということは、当然ですけれど許されないことです。こういうことが二度と起こらないように道路公団としても、しっかり再発防止策を実行に移してもらいたいと思いますし、また、私どももしっかりと監督していきたいと思っています。また、皆様からも御指摘のある再就職、その背景にある天下りの問題についても、きちんとした規制をしなければならないし、また情報についてはオープンにする必要があると思っています。今後ともしっかりと監督していきます。
(問) 先程、一番最初に出た総選挙の結果について、補足でお伺いしたいのですけれど、まず今回の選挙の結果、与党の圧勝という形、あと自民党と公明党とのバランスの関係も含めて、今回の選挙の結果を率直にどのように捉えられていますか。 
(答) 先程、申し上げたように、国民の皆様の明確な審判が出たということは明らかです。郵政事業民営化は進めるべし、構造改革を前に進めるべしという明確な審判が出たと理解しています。ただ、小選挙区選挙というのは、こういう結果になりがちなのですね。そのときの国民の方々の世論の風と言いますか、それによって大きく議席数は変わってしまうというのが、小選挙区選挙の特色です。だから議席の数に比べて、例えば得票の数を見るとそんなに大きな変化があったかというと、それは議席ほどそんなに離れていないわけで、当然、民主党もそれ相応の得票をされていらっしゃるわけでして、小選挙区選挙というのはそういう大きく議席数を変化させる選挙制度であるということも、よく頭に置いておく必要があると思います。いずれにしても、与党が大勝したということですが、今、課題はたくさんあるわけです。郵政事業民営化の問題だけではなく、多くの政策課題、政治課題があるわけでして、決してこの結果におごることなく、しっかり仕事をしていくことが大事だと、私は思っています。
(問) それの関連で、道路特定財源の関係なのですけれど、大臣は常々、慎重に考えなくてはいけないと仰っていたと思うのですけれども、今回のマニフェストの中で、特に公明党のマニフェストの中には、自動車重量税については暫定税率の引き下げによって、納税者に還元するとか、見直ししますとマニフェストには書いてあるのですけれど、その辺について、また今回の選挙での勝利を受けて、道路特定財源についての考え方を指示されるとか、そういう考えはお有りですか。
(答) 私が従来から言っていることと全く変わっていません。道路特定財源というのは、ユーザーの方が負担されている、そういう税です。そこのところを無視して一般財源化していくというのは、なかなか容易ではないと思います。やはり受益と負担の関係で道路特定財源というものはあるわけですから、利用者が負担するということでして、そこのところは税の議論としてしっかり押さえていく必要があると思います。ただ自動車重量税とういうのは、道路特定財源かというそもそもの議論があるのです。これは法律の中に明記しているわけではないのですが、確か私の記憶では、政府の答弁で、それも全部ではなく、何分のいくつかを道路財源として使おうということでして、事実それを長年の間慣行としてやってきたということはあります。そこをどう考えるかという問題は、また別の論点としてあることは確かだと思います。むしろ、私が心配しているのは、これはちょっと質問の主旨と違うかもしれませんが、今これだけ原油価格が上がっている中で、また高止まりしている中で、やはり日本の経済に与える影響というのは、見過ごすことはなできないと思っています。特に石油、原油を使ったお仕事というのは、たくさんあります。国交省の関係でもたくさんありますが、他の関係でもたくさんあります。それがまた、中小企業、零細企業というところが非常に多いです。その方々が、なかなかまだ原油価格の上昇について、転嫁できないというような問題点があります。そこのところをどう考えていくかということは、良く考えなくてはいけないと思います。例えば、国交省の関連で言うと、トラックの運送事業者の方々は、本当に中小企業、零細企業が大半でして、そういう方々が荷主の方になかなか転嫁して請求できない、転嫁して請求しようとすると、「別に君のところじゃなくていいのよ」と言われてしまうと、そういう悲鳴のような声は、本当にあっちこっちで聞かしていただいていまして、これもトラック運送だけではなくて、原油、石油というものを材料にしていらっしゃる、またそれを使って仕事をしていらっしゃる多くの事業者の方々に共通の声でして、ここの対策を本当に考えていかなくてはいけないなと思っています。
(問) それは揮発油税の見直しということですか。
(答) 税そのものの見直しというわけにはいかないかもしれませんが、良く勉強したいと思っています。
(問) 自動車重量税について、例えば与党内で論点があるということで、話し合いをするとか、そういうプランみたいなものをお持ちなんですか。
(答) いずれにしても今の話は党間の話ですから、これから恐らく年末の税制改正論議の中で、道路特定財源をどうするのですかという論議はもちろんのこと、今の自動車重量税の問題だとか、一方で環境税はどうするのですかとか、そういうことが大きな論点になることは間違いありません。それが当然与党の中で相当大きな議論になってくるのだろうと認識しています。
(問) 今のお話の関連で、税の前にいわゆるこれから経済界の代表とお会いになるようなタイミングで各転嫁を荷主側としてもきちんと協力してほしいというふうにお伝えされるというようなお考えですか。
(答) これまでも、経団連はじめ経済団体に対しては、そのようにお願いをしてきているのですが、やはり私が直接お願いをしなくてはいけないのかなと思っています。転稼について、きちんとしていただけるように、経団連、商工会議所はじめとして経済団体の方々に、それは私からも直接お願いしたいと思っています。
(問) 今回の選挙で、落選された副大臣らのことですが、ご本人から何か申し出あるいは大臣の方針がございましたらお願いします。
(答) これは政府全体で考えることで、国土交通省としてどうこうではなく、政府全体として副大臣、政務官の人事をどうするかということは、当然早急に検討されるものだと思います。
(問) 川辺川ダムについて一点なんですが、昨日流域の市町村長が、「取り下げもやむなし」という決議をされていまして、これというのは今後今週中に考え方をとりまとめるとおっしゃいましたが、その一つの大きな判断材料になると思うんですが、どうお受け止めになりますか。
(答) 地元のご意見、重要なご意見の一つとして、当然参考にさせていただきたいと思っています。ただその関係で一点だけ申し上げておきますと、特に利水が問題になっているんです。ここの川辺川ダムについては、農業用水、農業灌漑用水だと思いますが、一方で治水の必要性というのは、本当に大きなものがあります。これは全然変わっておらず、現にこの台風14号で、この地域で被害が出ているわけです。球磨川で計画高水位を上回ってしまったわけです。昨年来の水害を見ていただいたら分かるように、降るときは記録的な降り方をします。宮崎県の場合は降り出してから止むまでに1,300ミリでしたか、一番降った所で。三日間かな。むちゃくちゃな雨の降り方ですよ、1,300ミリなんて言ったら。おかげで四国の方の渇水の所は、一変にダムに水が貯まりまして、貯まったところが今度は溢れる心配が出てきて、流さないといけないというような。だから降るときは降る。降らないときは降らないという、非常に最近の雨の降り方というのは、そういう雨の降り方になっています。降るときは記録的な豪雨。降らないときは渇水が続く。そういう中にあって、特に治水の必要性というのは、何らその必要性の程度は変わっていないわけで、これはやはりこれからのことを考えても、私は治水面でのダムの問題も含めた河川整備というのが、極めて必要であると思っています。その必要性については何ら変わっていない。問題になっているのはむしろ利水の方です。利水でも、工業用水は今は全く需要が、減ってしまいました。同様に農業灌漑用水についても減る傾向の中にあって、この川辺川の問題だけではなくて、全国的にそうした見直しがなされているところもあるということです。
(問) 選挙でもう一点お伺いしたいのですが、公明党の議席が残念ながら減ってしまいましたけれども、それについてはどのような感想をお持ちでしょうか。
(答) 沖縄で負けたのは、私も沖縄に最終版で応援に行かさせていただいたのですが、沖縄で負けたのは非常に残念だなと思っています。ただ比例区の方は、これ過去最高得票なんです。全国で900万票に近い得票をしているわけで、そういう意味では沖縄は残念ではありましたが、党全体としてそう、敗北感のようなものはないと思います。むしろ今回の選挙を通じて与党の中の関係というのは、より緊密強化されたものと思っています。


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