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 大臣会見要旨(平成17年9月16日)
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平成17年9月16日(金)
11:09〜11:33
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議ですが、国会提出案件が2件、政令が3件、人事案件が4件です。政令の中に台湾居住者に対するビザ免除措置を恒久化する入管特例法政令について、決定されました。台湾からの観光客につきましては、今、特例法に基づきまして万博終了までの間、短期ビザが免除されているところです。先の国会で成立しました入管特例法に基づき、短期滞在ビザを免除する対象として、台湾居住者を規定する政令が今日、閣議で決定されたところです。これによりまして、万博終了後も恒久的に台湾の短期滞在ビザを免除することが正式に決まったわけでして、台湾からの観光等による交流促進が一層図られるものと期待しているところです。2004年も台湾からの訪日外国人旅行者は約108万、韓国に次いで第2位ですが、今年も非常に好調でして、例えば4月5月の合計でも、前年同期に比べまして23.9パーセント増ということでして、今回の恒久的なビザ免除措置によりまして、更に台湾からの観光客訪日が増大していくことを期待しているところです。閣議は以上です。
 私から何点か御報告させてもらいます。まず1点目は、今日は閣議の前後で会議がありまして、一つは郵政民営化関連法案の再提出に向けまして、6大臣会合が開かれました。郵政民営化関連法案につきましては、これから開かれます特別国会で最重要法案として審議されることになるわけです。その法案の内容ですが、前回提出法案からの修正点があります。幾つかありますが、民営化の実施時期を6ヶ月ずらす。平成19年10月1日に民営化を実施する。また最終的な民営化の実現時期につきましても、6ヶ月ずれまして平成29年10月1日ということになります。その他幾つかありますが、国土交通省の関連で申し上げますと、公社の国際物流進出時期は前回提出法案では平成18年4月となっていたわけですが、これについては変更ありません。また衆議院での修正についても、反映した法案の中身になっているところです。今日の6大臣会合におきまして、修正点について合意しました。
 2点目に、今日、消費者政策会議が開かれました。消費者政策関係閣僚会議ですが、ここで悪質リフォーム問題について、会議を開かせていただきました。私からも御報告させていただいたところです。これは皆様、御承知かと思いますが、国土交通省としましても、この悪質リフォーム問題については、極めて深刻な問題と捉えていまして、その対策を様々執っているところです。7月8日に全国の都道府県、政令指定都市ごとに最低1箇所以上、合計172箇所のリフォーム相談窓口を設置しまして、きめ細かな相談体制の整備を今、行っているところです。これにつきましては、将来的には全国市町村の全てに、そうした相談体制が整備できるようにさせてもらいたいと思っています。更に学識経験者等にも入っていただきまして、悪質リフォーム対策検討委員会を設置して、対策の検討を進めてきました。9月6日にその検討結果をまとめていただきました。建設業法に基づく事業者への指導監督の徹底、また住宅リフォームに関する情報提供の強化等、こうした対策をしっかり取り組みさせていただきたいと思います。消費者が安心してリフォームを行うことができるよう、特にこれからますますリフォームというのは増えてくると思いますし、また私どもとしましては、防災対策、天災対策、地震対策として、耐震改修を強力に推進していこうとしているところでして、まったく同様の問題が起こる可能性が十分あるわけですので、消費者の方々が安心してリフォーム、耐震改修等ができるように取組を強化させていただきたいと思っております。
 もう一点、これは東京外郭環状道路の問題についてです。国土交通省と東京都は、関越道から東名高速道路間の東京外郭環状道路につきまして、平成13年にそれまでの高架構造を地下構造に変更した計画のたたき台を公表しまして、その後PI外環沿線協議会等様々な場を活用しまして幅広く御意見を頂戴してきました。今般、これらの意見を踏まえまして、あらためて外環の必要性は高いと判断しました。計画の具体化に向けた考え方を取り纏めましたので、御報告させていただきます。第一に本線ですが、現在の高架構造での都市計画の位置を基本にしまして極力、大深度地下を活用し、関越道、中央道及び東名高速とはジャンクション構造で接続する案となっております。第二に、インターチェンジですが、目白通り、青梅街道及び東八道路の三箇所に設置しまして、国道20号及び世田谷通りには設置しない案としています。今後、この考え方に基づきまして沿線自治体等の意見を頂戴しながら道路計画の具体化及び環境影響とその対策について検討を行っていきたいと考えます。詳細につきましては、この後、道路局の方から報告をさせていただきたいと思っています。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 幹事社の方から三点お伺いしたいと思います。まず一点目ですが、熊本県の川辺川ダムの計画が昨日仕切りなおしに決まりました。この事態で着工が大幅にずれることになりましたが、この点に関して大臣のご認識と近年、脱ダム化ということが言われておりますが、国土交通省といたしましては総合的なダム政策に変更はないのか、この二点についてお尋ねします。
(答) 今、お話がございましたように収用採決申請取り下げをいたしました。これは、御承知のとおり農業用水に係る新利水計画の策定が遅れまして、収容審理が長引いていたところ、収用委員会からの御意見もあり、それを踏まえてそのように判断したわけですが、趣旨は今回一旦取り下げることで却下裁決やそれに対する審査請求などに伴う事態の長期化を避けて琢磨川の治水対策をより早く進めることができると考えて昨日取り下げをしたものです。先般の閣議後の会見で申し上げていますとおり、治水の方の必要性は、何ら変わっていないと考えています。球磨川では、これまで過去30年間で10回もの水害が発生していますし、去年、今年と2年連続して計画高水位を上回る洪水が発生しているところでして、川辺川ダムは1日も早く完成する必要があるという認識に変わりはありません。今後改めて、農水省の九州農政局に、農業用水に係る新利水計画の早期の策定を求めてまいりたい。その策定状況を踏まえまして、ダム事業計画を見直して、球磨川の抜本的な治水対策である川辺川ダムの事業の推進に努めてまいりたいと考えています。ダムについては、オール・オア・ナッシングではないと私は思っています。確かに今、特に利水の関係で、工業用水を始め農業用水も含めまして、利水の必要性が一時に比べますと、非常に低くなっているという事実はあると思います。ただ一方で、治水対策の必要性については、私はむしろ高まっているのではないかと思っています。今年の例で分かるとおり、一方で渇水対策で中々雨が降らない。異常な渇水状態が続く。ところが一端降り始めますと、あの宮崎県でも1,300ミリという大変な雨が一気に降るわけです。そういう意味で、傾向性として、一年間での降雨量というのは、全体としてそう変化があるわけではないのですが、降るときは一気に降る、降らないと中々降らない。こういう状況が統計的に見ましても、非常に顕著になっています。昨年来の様々な豪雨、豪雨による災害等を見ましても、治水の必要性というのは、非常に私は大きいと思うし、大きくなっているのではないかと思います。そこで、もちろんダムだけではありませんが、様々な総合的な治水対策とともに、やはりダムの必要性というものについて、一つ一つの箇所についてやはり検討すべきことですし、ダムの持つ重要性ということは、治水の関係で言いますと非常に大きいものがあるのではないかと私は思っています。
(問) 昨日、道路公団民営化推進委員会の委員懇談会が開かれまして、メンバーの一人である猪瀬委員から近藤総裁に対して、今回の談合事件の問題、ファミリー企業の剰余金が100億円しか集まらない問題を取り上げまして、退任された方がいいという発言がありました。今回の事件で、かなり国民の信頼を失っていると思いますが、総裁のトップとしての経営責任、それと併せまして10月1日から中日本高速道路株式会社の会長に就任します。この是非を含めまして大臣のお考えをお聞かせください。
(答) いよいよ10月1日にせまっているわけです。この10月1日からの民営化に向けて、きちんと万全の準備をしていただいて、民営化をスムーズに進めていただくということが、一番大事なことだと私は思っています。そこの責任を、近藤総裁にはしっかりと果たしていただきたいと思っています。とともに、いくつか残された課題が、今仰ったファミリー企業改革の問題も含めまして、それから、一連の国民の皆様の信頼を失うような談合事件、また、談合に幹部が関与する事件が続いたわけです。再発防止策を取りまとめていただきましたが、二度とこうしたことが起こらないように、公団としての体質を変えていただかなければいけないと思っていまして、しっかり、それについても近藤総裁に取り組んでいただきたいと思っているところでして、国民の信頼を回復できるような対策をしっかりととっていただくということが近藤総裁の大きな責任だと思っています。そのうえで、これまで経営者として道路公団の総裁をされていたわけですので、その間に起こったこともあるわけです。それについて、どう判断されるのかというのは、近藤総裁ご自身がよく考えてらっしゃると私は思っています。
(問) アメリカの大手航空会社が経営破綻をしました。この原因としましては、燃料の高騰とか、運賃の価格競争と言われています。この構図は、日本の航空会社にも言われることですが、この件に関しまして、日本への影響も含めまして、大臣のご認識をお聞かせください。
(答) 大変な燃料価格の高騰です。一作年に比べますと2倍以上に高騰しています。平成15年度の平均で1バレル33.4ドルが、今年の4月から8月までの平均で70.4ドルですので、倍以上の高騰をしているところでして、この燃料価格の水準については、今後とも、航空会社はもちろんのこと、我が国経済に与える影響というものについては、よくその動向というものを注視しなければならないと思っています。航空業界にとっても、この高騰の影響というのは大変大きいものがあるわけでして、これまでも我が国航空会社はコスト削減等の自助努力であるとか、運賃の値上げ等による収支改善策をとる等様々な経営努力を実施してきていると思っていますが、現在のところ、特段、アメリカで起こっているようなことがあるとは承知していません。しかしながら、この燃料価格の高騰というのは非常に大きな影響を与えることは間違いありませんので、そこのところはよく注視をしていかないといけないと思っています。
(問) 外環道ですけれども、これまで構想段階での議論として、沿線の自治体の行政だけでなく住民の意見も入れながら、パブリック・インボルブメント方式で議論を進めて、そのうえで、今日ご判断されたと思うのですが、今後、計画段階で是非を検討すると思うのですけれども、その際に沿線自治体の意見を聴きながらと大臣仰いましたけれども、これは住民の意見もということで、パブリック・インボルブメント方式を更に継続して行うという考え方なのでしょうか。
(答) 当然、今後とも広く意見を聴きながら検討を実施していきたいと思っています。今後、一切何も話を聴かないということではありません。
(問) それを聴いたうえで、事業の是非についてまた改めて検討するということですか。
(答) ただ、基本的な考え方については先程申し上げた通りでして、地方議会、地方自治体、更には地元の方々のご意見についても、幅広く頂戴しながら進めていきたいと思いますが、私どもの現時点の考え方は先程申し上げた通りです。
(問) 道路公団の近藤総裁の件ですけれども、先ほどのお話ですと、民営化後早い段階での辞任については、あり得るという理解でよろしいですか。
(答) 先ほど申し上げたとおりで、近藤総裁御自身が、そういうことも含めてよく考えていらっしゃると思います。だから私からは、今申し上げたとおり、一つは民営化に向けて万全の準備をしっかり執っていただくこと、残された大きな課題があります。ファミリー企業改革もそうですし、剰余金の問題もそうです、さらには談合等、ここ一連の国民の信頼を大きく裏切るようなことがあったわけです。そして再発防止策もまとめていただきました。それをしっかり実行していただいて、体質を改善していただくということが非常に大事な責任だと思います。その上で、御自身の今後をどう考えられるのかということは、近藤総裁御自身が当然念頭に置いていらっしゃるというように思っています。
(問) 川辺川ダムですが、治水の必要性は何ら変わっていないと、これは治水面におけるダムの必要性が変わっていないという意味で受け取っていいですか。
(答) はい、結構です。球磨川の抜本的な治水対策としての川辺川ダム事業の推進に努めて参りたいと思っています。
(問) 先ほど台湾のビザの話が出ましたけども、その前の中国のビザ拡大について、全土に拡大になったのは良かったのですが、実際に現場の中国ではビザの取得が非常に難しいという声が聞かれるようで、例えば、アメリカや韓国に渡航した経験がなければビザはダメだとか、全土ということになっているけれども、現地の旅行者向けの説明会では、福建省の人はダメだというふうになっているなどの声が聞かれていて、現地では、かなり実務的にも、感情的にも良くないものがあるというふうに聞いていますけど、その辺は把握されていますでしょうか。あるいはそういう細かい運用上のことについては、国交省としては何かお話できないものでしょうか。
(答) 7月25日から中国全土で団体観光旅行の皆様についてのビザ発給ができるようになったわけです。この主旨からして、今仰ったような手続き面だとかで、事実上障害が伴うようなことであってはならないと私は思っています。やはり主旨は中国全土から日本に観光で来ていただく団体旅行の方にできるだけ多く来ていただこうということであって、そういう主旨に沿って、手続き面でも、運用面でもきちんとやっていただかないといけないと思っています。スタートしたばかりなので、いろいろあるのかもしれませんが、実態については、良く調べさせていただきたいと思っています。よく調べて問題があれば、私どもの方から外務省なりの関係機関に問題点、課題については、指摘をさせていただきたいと思っています。
(問) 川辺川ダムの件なんですが、熊本県の考えとしてダムの建設の是非については、中立だというような姿勢を示しているのですが、国交省と県と同じ県民、国民の生命、財産を守る同じ立場として、そこにそごがあるというか、非常に不可思議な構図になっていると思いますが、その辺大臣はどのように思いますか。
(答) 今回こういう形で、私どもが判断することについては、熊本県知事にも御理解をいただいているというように思っています。熊本県とも、今後とも良く連携を取り相談させていただきたいと思っています。


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