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 大臣会見要旨(平成17年10月28日)
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平成17年10月28日(金)
9:35〜9:49
参議院議員食堂

 

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議ですが、一般案件が5件、国会提出案件が2件、法律の公布が5件、政令の決定が4件、人事案件が2件です。今日の閣議で今年の9月の完全失業率4.2%、0.1ポイントの改善です。雇用者数が過去最多となっています。有効求人倍率、同じく今年の9月ですが、0.97倍、前月と同水準です。次に私の方から皆様に御報告が1点あります。本日の閣議で10月28日付けで辞任いたします独立行政法人都市再生機構理事長伴襄の後任に、前財団法人不動産適正取引推進機構理事長おのくにひさを同日付で任命することについて、本日の閣議で御了解をいただきました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 幹事社の方から2点お尋ねしたいと思います。今日、閣議決定されました国民保護計画の関係なんですけれでも、これは国会でも議論されましたけれども、やはり私ども国民には、なぜ必要なのかということがまだ浸透していないと思われます。この点についての御所見と、この計画の概要を拝見しますと緊急物資の輸送や住民の避難に民間企業の御協力もかなりいただく内容になっていますけれども、今後この決定を受けまして、どのように調整を進めていくのかという点について説明を御願いします。
(答) これまでもいわゆる有事の場合ではなくても、大規模災害時においては、同様の問題があったわけです。そういう各省庁、民間の方々も含めた連携をどうとっていくか、救援、それから復旧、復興と国土交通省の場合、非常にかかわりが大きいわけですが、大規模災害時には、そういう経験がありました。今回の国民保護計画というのは、一つは、実際にそういう我が国が侵略されるような具体的なおそれがある場合だけではなくて、現実的には大規模テロ、大きなテロですね、これは今のこの時代、我が国で起こらないという保障はないわけでして、これは当然想定をしないといけないわけです。その場合に国土交通省関係においても、さまざまな関係機関と連携をとって、同じく救援、復旧、のためにやらなくてはいけないことがたくさんあるというように思っています。具体的には、国交省の関係では、特に輸送、運送を担当していますので、避難住民の皆様の運送等について、これは運送事業者である指定公共機関との連絡調整を支援していかなくてはならないと思っていますし、離島の問題もあります。離島の場合の避難は当然、本土に比べてより難しい問題があるわけで、航空、船舶等々の支援を実施しなければなりません。また交通インフラの広域普及についても必要な措置を執っていく必要がある。あと国土地理院や気象庁、海上保安庁は大変大きな役割を担っているわけでして、国土交通省の中でもよく連携を取るとともに地方公共団体、また関係行政機関としっかり連携を取りながらやっていく必要があると思います。これはやはり、平素から連絡調整をしっかりしていないと、いざというときに対応できませんので、その辺の平素の連携をどうしていくのかというような問題は、しっかりと取り組みをさせていただかないといけないと思っています。
(問) 三位一体改革に伴う税源移譲で、年収500万から700万円の中間取得者層の住宅ローン減税の効果が目減りする可能性があると、政府税調の議論でも今後の焦点の一つになると思われます。一部報道では国土交通省の方が総務省などにそのようなことがないように要請しているという話もありますけれど、この点に対する大臣の御所見をお願いします。
(答) これは3兆円の税源移譲をどういう形でやるか、最終的にはまだ決まっていません。ただ、昨年来、経済財政諮問会議等で言われている税源移譲の仕方としては、取得税から住民税へという税源移譲が今後の論議の中心になると思います。これは、経済財政諮問会議だったのでしょうか、所得税を減税する、そして所得税のところに5パーセント導入する、住民税については一律10パーセントにしていくと、こういう一つの考え方があるわけですけれども、仮にこの方法で税源移譲という形になりますと、御承知のとおり住宅ローン減税というのは、所得税の減税なのですね。住民税には適用ありません。したがって、所得税は減税になって、住民税が増税になって、増減税については全くニュートラルというような形にしようとしているのですけれども、住宅ローン減税のような政策減税を所得税でしかやっていません、住民税ではやっていないとなりますと、今仰った中堅の取得者層の皆様が、現に住宅ローン減税を受けている方々を含めまして、減税の恩恵が減ることになります。逆に言いますと、今、所得税の住宅ローン減税を受けているにもかかわらず、今回の三位一体の改革の税源移譲措置をすることによって、減税の幅が減ってしまって、その限りでは増税になるというようなことになりかねないという問題点は、昨年から指摘されていました。我々も、この問題は年末の税制改正の決定に向けて非常に大事な問題だと思っています。今の我が国の住宅政策、持ち家政策の核となっているのが、この住宅ローン減税であり、多くの方々が利用されていらっしゃいます。今日いらっしゃる皆さんでも利用されている方が大分いらっしゃるんではないでしょうか、そういう意味では住宅政策に影響を与えないようにしないといけません。一昨年でしたか、住宅ローン減税の決定の時も喧々諤々議論して決まったといういきさつもありました。住宅政策に影響を与えない形での決着の仕方が重要だと考えておりまして、今後年末に向けて財務省、総務省との間でしっかり協議をさせていただきたいと思います。
(問) 都市再生機構の人事は、最低政府系機関に民間人を登用するという動きがあると思いますが、天下りという理由は何でしょうか。民間人の方ではないですね出身としては。そういう決定に至らなかったのはどういうことですか。
(答) 民間人であることをもちろん否定しているわけではありません。今後また民間人の登用ということも十分考えられることと思っています。まず小野さんは元々国交省の最初の時の次官になるわけですが、そういう意味ではこのポストが次官でなければいけないとか、ということは毛頭ありません。ただ今、都市再生機構の置かれている状況というのは、累積されている繰越欠損金の解消をどうしていくかというような問題とか、それから組織そのものについて人員の削減を大幅に行い、業務自体も都市再生業務と賃貸業務に特化していくということで、非常に難しい局面に今、都市再生機構があるというように思っています。個別の物件、案件についても途中段階のものをどう今後流れの中で進めていくのか、地元の地方公共団体や地元住民の方との間の調整も非常に重要な局面にあるわけです。ここ何年間か都市再生機構にとっては大事な局面にあって、これまでの経験、行政能力というものがやはり今は必要な時だというように考えて小野さんという人事をさせていただいたところです。これをこのままずっと踏襲していくつもりはありません。国交省の次官ではいけない、幹部ではいけないという意図ではありません。今置かれている状況の中でこれが一番ベストであるというように考えました。


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