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 大臣会見要旨(平成17年12月9日)
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平成17年12月9日(金)
10:40〜11:16
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が3件、政令の決定が7件、人事案件が4件です。政策金融改革推進本部が設置されました。特に国交省に関わるところはありません。今日は特に私の方からはありません。


質疑応答

 
(問) 最初に2点お伺いします。一つ目は、道路特定財源の一般財源化なんですけれど、今日政府与党が合意するということで、今年特にそれほど議論が深まらなかったようにも思えるのですが、来年本格的に議論する中で、国土交通省はどういう主張をされていくのかというところを教えて下さい。
(答) 今日、政府与党間で合意される内容に従いまして、具体的な論議を進めていかなければならないと思います。具体的な論議というのは、例えば自動車重量税をどう考えていくのですかだとか、揮発油税はどうしていくのですかとか、そうした各税目にわたっての議論も当然しなくてはいけませんし、消費税との関係をどう整理をしていくのですかと、こうした課題についても当然論議を具体的に進めていく必要があると思っています。いずれにしましても、この税金そのものは、自動車利用者の方々が負担をしていただいている税金です。したがって自動車利用者の方々の御理解をどう得ていくのかというのが最大の課題であるというように思っています。おそらく来年のシーリングだとか、概算要求の頃までには、細目は別といたしまして、今私が申し上げたようなことについて、きちんと整理をしていかなくてはならないのだろうと思っています。それと国土交通省といたしましても、私の方で指示をさせていただいていますが、こういうその道路特定財源そのものの論議も当然大事ではありますけれども、例えば首都圏なら首都圏で三環状の問題とかがあります。例えば10年間ぐらいの間で、どこまで整備ができるのか、現状の予算の中でどれだけこの10年間で整備がなされるのか、また維持管理コストはこれからどんどん増えていきます。そうしたものがどの程度必要なのか、これを各整備局単位ぐらいに出していきたいと思っています。東北なら東北で、今後10年間を目途として、今の予算の中でどれくらいまで進捗するのか、北海道なら北海道、九州なら九州というように、オールジャパンで出しますとなかなか解りにくいので、是非そういう方面単位ぐらいで、今後10年ぐらいの中で、どのくらいの整備が進むのかということを具体的に提示をさせていただきたいと思っています。そういう中で、この道路特定財源の論議にも資するようにしていきたいと思っています、単に観念的な議論だけではなくて現実に予算がこのぐらいしかないとするならば、この程度のものしかできませんよということを、そういう方面単位で出していきたいと思っています。
(問) マンションの耐震強度偽装問題で、再発防止に向けての議論を始めるということで何か委員会を発足させるとか、今後どのように考えていらっしゃるのか、その辺のことをお聞かせいただきたいのですが。
(答) これはどこで論議をしていただくかは勿論大事なのですけれど、その前提として、実態がいったいどうなっているのか、どこに問題点があるのかというこの事実関係の掌握をしっかりしていかないと、いずれにしてもどこで議論するにしても実のある議論はできないと思います。御承知のとおり、昨日から指定検査機関に対する立入検査もさせていただいています。年内中に指定検査機関についての立入検査はしっかりさせていただきたいというように思っていますし、また特定行政庁にも見落としがたくさん見られているわけでして特定行政庁の建築確認審査の問題点についても、特定行政庁と一緒になって是非明らかにしていく必要があると思っています。それともう一つは、今回の事件ですね、姉歯建築士が設計した、現時点では208件ですが、何故、その姉歯建築士が悪意で、故意で、そうした建物の安全性に極めて関わっている耐震に係る偽装をしたのか。何故したのか、そこのところの背景、事実関係というのは、しっかり解明していかないといけないと思うのですね。それは今、告発が受理されまして捜査当局も入っています。捜査当局にしっかり解明していただきたいと思いますとともに、私どもも、当然そのことに大変関心を持っていますので、私どもも調査を続けていかねばらないと思っています。そうした実態、事実関係の解明と併せて、社会資本整備審議会の専門部会を起ち上げさせていただきまして、そこで専門家の方々にも入っていただいて、しっかりと再発防止に向けての議論をさせていただきたい。建築基準法の見直しの問題、それは今の建築確認制度、また指定検査機関制度のあり方について、当然、御議論をいただかないといけません。また、建築士法について、より安全な建物を造っていただくための建築士の方々の役割というものをやはり強化していくためにも、建築士法そのものについての見直しも私は必要であると思っています。そうした議論もお願いしたいと思っているところです。
(問) そこには、今、被害を受けていらっしゃるマンションの居住者の代表者の方々の意見というのは、何か取り込む予定はありますか。
(答) これは専門部会の方で御検討されると思いますが、当然、ヒアリング等は実施されることも考えられると思います。これは、急いでやらなければならないことと、少し時間をかけてじっくり議論しましょうということと、多分2つあるのだろうと思うのです。そういう意味では、来年の早い段階で中間的な御報告も頂戴したいと思っています。そこで御報告をいただいたもので、緊急にやった方がいいというものについては、制度改正も含めまして、必要なものがあるならば次の通常国会できちんと見直しをしていきたい。そして、より基本的なと言いますか、そういうところについての議論については、もう少し時間をかけて御論議いただいて、さらに再来年の通常国会ということも考えられると思います。いずれにしても、緊急にやるべきこと、少し時間をかけてじっくり議論すべきこと、そこをしっかり断て分けて、御議論をお願いしたいと思っています。
(問) 何か私的な諮問機関のようなものを作られるというようなことも与党との間で出ているようですけれども、それはまだ決まってはいないのですか。
(答) 与党の方からそういうお話がありますので、今、調整中です。
(問) 耐震偽造データの関連なのですけれど、分譲マンションの住民に対しては手厚い支援策を打ち出されました。ただ一方、ホテルとか賃貸マンションの件については、昨日も次官にお尋ねしましたけれども、基本的に自己責任でやってくださいということなのです。地震で倒壊する恐れ、物件の除去の緊急性というのは、分譲マンションもホテルも変わらないと思うのですけれども、この差はどのように整理すればよろしいのでしょうか。
(答) ホテル、それからワンルームマンションに代表されるような賃貸マンションは、これはホテルであれワンルームマンションであれ、建物の所有者というのは事業者です。個人ではありません。大方、一法人のまた一個人の所有している事業者の物件です。我々が今回支援スキームで対象している分譲マンションの場合は、それぞれ個々の個人の方々、これは事業者ではありません。そこを生活の本拠にされている方々がそれぞれ区分所有を有していらっしゃるということです。例えば、建物一つ、この危険な建物を解体するに当たりましても、個々人が所有されている区分所有の分譲マンションの場合は、これは基本的には解体するにしても全ての方々の同意、区分所有者の全員の同意がなければ解体そのものもできないわけです。解体の前提として、当然、退去していただかないといけないわけですけれども、その退去していただくためにも、解体についてはどうするのですか、さらには解体後にはどうしていくのですかというスキームを出さないと、区分所有者の方々は退去そのものも躊躇されるわけです。そういう状況にあるということで、やはり事業者が持っている物件とそして個々人の方々が区分所有でお持ちの分譲マンションの場合とはやはり違うと。緊急性、公益性という観点からも、やはり違うのではないかと私どもは考えています。ホテルとか、そうしたワンルームマンション等の賃貸物件については、それぞれこれも施工者がいて、設計者がいて、それぞれ関係者がいらっしゃるわけですが、これは全て事業者です。その事業者間で、まずしっかりと早急に解体すべきものについては、解体に向けてどうするのかという議論を、当然これは契約関係の中でしっかりやってもらわないといけないわけで、現にそちらの方は、この分譲マンションの問題に比べて比較的前に進んでいるという認識をしています。そういう意味で分譲マンションの場合とその他の場合とでは、その置かれている状況というのが、また早くその建物を除却するための手続きとか時間とか考えますと質が異なるというように私どもは理解をして、その前提に立って、今回のスキームを作らせていただいたということです。
(問) 先程の道路特定財源の件で、各地方整備局単位で今後10年どれだけ道路が進捗するかという見通しを、ただそのどういうような前提条件で、その一般財源化の中で、このくらい道路にお金が回ってくるという、その前提条件というのはどういうように定められるのですか。
(答) 道路特定財源の見直しについて、どういう方向に進むにせよ、これは私どもが財務省との折衝の中でも強く申し上げているのですが、真に必要な道路はしっかり整備しないと駄目ですと。その道路が繋がっていないことによって、地域経済の発展の大きなネックになっている。また災害等があった場合に避難、救助等々でその道路が無いことによって、緊急輸送道路としての機能が充分に発揮できない等々の様々な事例というものは全国にたくさんあるわけです。もちろん、コスト抑制はしっかりと進めていく必要があると思います。その前提の基で、真に必要な道路というのは造っていかなくてはならないわけでして、それは道路特定財源について、どういうような見直しをしたにせよ、何ら変わらないわけです。仮に道路特定財源が全て一般財源化されたとしても、それは一般財源からちゃんと出してもらわないといけないわけです。そういう意味で、道路整備の必要性というものについて、これを単に全国的に抽象的な形で申し上げているだけでなくて、例えばこの首都圏で、東北で、この10年間で例えば従来通りの抑制をしていったとして、歳出の抑制をしていったとして、今後どの程度進捗していくのかということを、きちんと具体的に示していかないと、その地域の方々の御理解も得られないのではないかと思っているのです。
(問) そうしますと、今までは全国的にこのくらいの道路が必要だということを5年ごとに出して、そこから税率をはじいていましたけれども、とりあえず今度はより細かく10年間ということで、このくらいの道路が必要だと、そのためにはこのくらい確保しなければという材料と。
(答) だから、いかにもその道路というのはいらないんだ、どんどん減らしていっていいのですというようなことを仰る方もいらっしゃるのです。それは違うということを具体的に是非示していきたいと思っているのです。どうしても全国的な話ですとよく見えませんので、首都圏でやるとなったら、具体的にどの道路という話になるわけです。どの道路について10年経ってもこのくらいしかできませんよということをきちんと示していきたい。それは各方面ごとに、是非この道路は早くやってもらいたいというのは、どこに行ってもあるわけで、その道路が、10年間でどのくらい進むのかということを、明らかにさせていただきたいと思っているのです。
(問) 建築士の資格を巡る問題についてお伺いします。一昨日、姉歯建築士の免許を取り消されたわけですけれども、姉歯建築士以外にも虚偽の申請を出すなどして業務停止の処分を受けている建築士がいたわけなのです。こうした情報というのが、一切今、個人情報ということで、氏名すら社会には公表されていないと。命とか人の安全、安心に関わる業務をやっているにもかかわらず、そういうことを国民は知ることもできない。例えば飲食店でさえ、食中毒を出したらちゃんと公表されるのに、建築士はそういう処分を受けても公表すらされないと。こういった建築士を巡る問題は、社会資本整備審議会で議論されることだと思うのですけれど、こうした情報公開のあり方について、大臣は現段階でどのようなお考えをお持ちですか。
(答) 今のお話もよく検討させてもらいたいと思います。例えば、ちょっと今、資料を持っていないのですけれど、私も弁護士ですけれど、弁護士とか税理士の場合、その弁護士法や税理士法の中で、最初の第一条とかそういうところで、位置付けが非常に公益に資する仕事なのだというところを明確に書いてあるのですよ。社会的正義だとか、人権の問題だとか、私もしばらく弁護士をやっていませんので、うろ覚えになってきましたけど。基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とすると、その弁護士法という法律の基本の思想のところが第一条で書いてあります。大体、どの法律も第一条にその基本的なこと、基本思想が書いてあるのですよ。弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とすると。弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならないというようなことが第一条に書いてあるのです。税理士法でも同じような公益性、その職務、仕事というのが極めて公益性が高い仕事でありますよということが明確に位置付けられて、それを基にして様々な構成、制度設計がなされているのです。その点、この建築士法、昭和25年、古い法律でして戦後焼け野原の後、日本が復興していく時に作られた法律ですけれども、住宅の質の向上とか書いてありますけれど、もっと、より個人の国民の生命とか財産とか、そういうところを深く扱っているお仕事であるということは必ずしもその法律を見ても言えない。そういう意味では建築士法そのものの建築士そのものの位置付け、社会的な役割、使命、そういうものを明確に位置付けていく必要があるのではないか。そういう中で今のような話がたくさんあると思います。建築士事務所が具体的には設計をやっていただいていますけど、例えば建築士事務所協会というものがありますが、例えば弁護士とか税理士だったら今のようなその倫理にもとるようなものがあった場合、まずは会として厳しくやっていくわけです。今も確かどなたか弁護士さんが、問題になっていますけど。その方も弁護士会が、きちんと刑事事件は刑事事件、弁護士会は弁護士会ということで、会内できちんと審査しているわけです。たぶん、それできちんと結論をだされると思います。しかし、今回ぜんぜんそういう建築士事務所協会からの声というものが聞こえてこないんです。今回の事件について。声も聞こえてこなければいろいろな動きも出てきていないわけです。それは、任意加入だとかいろいろ問題があるかも知れませんよ。しかし、それでいいのかなと、やはり建築士という非常に大事な仕事をしていただいているわけですから。我々国民にとって、住民にとって生命にも関わるような今回の事例に象徴されるように大事な仕事をしていただいているわけですから。そういうその建築士法全体の基本的な考え方、思想というものをやはり明確にして、私は制度そのものを改善していかなくてはならないというように思っています。
(問) その中で情報公開というのは。
(答) 情報公開というのは、そういう公益的な職務であればあるほど多くの住民の方々、国民の方々に関わっている仕事のわけですから、公益性が強調されればされるほど、倫理性が強調されればされるほど、そこには情報公開というものが当然伴ってくるというように思っています。
(問) 昨日ですね、世紀東急工業というところが自社施工の物件について偽装が見つかったと。この本日の表には入っていませんけども、これまで208件とされていたものが209件目で64件目の偽装であると。この問題の広がりですね。この漏れているものがあるんじゃないかということで、どのように広がるのか広がらないのか大臣のお考えをお聞かせいただきたいのと、昨日の世紀東急工業もそうですが一部、鹿島建設とか大林組とかかなり超大手が下請けに出しているもの、施工に入っているものが偽装になっているということについての大臣の御所見をお聞かせください。
(答) まず、最初のお話については、その物件についても姉歯建築士が設計に関わっている物件。姉歯建築士が関わった物件というのは、今208件なんですが、おっしゃっているとおりこれを入れれば209件になるわけです。姉歯氏が関わっている物件がどれぐらいあるのか、そこをしっかり調査していく必要があるわけです。これは、平成10年ですか、一番古い物件です。そういう意味で姉歯建築士が関わった物件については、しっかりと調査をしていく。千葉県の方で出ている情報に基づいて208件というのがあるわけですが、更に各県、各特定行政庁等々で姉歯氏が関わっている物件というのが、それ以外に出てくる可能性が当然あると思いますので、そこはよく調査していきたいと思っております。この姉歯建築士の関与物件だけではなくて、木村建設、平成設計が関わっている物件についても今私どもは調査をしている最中でございまして、まずはこの姉歯氏が関与した物件はもちろんのこと、木村建設、平成設計が関与している物件についてもしっかりと調査をしていくことが最優先だと思っています。それと、後のお話ですが、非常に残念ですね。日本を代表する建設企業ですね。鹿島、大林、スーパーゼネコンですね。そういうところが関与した物件について、もちろん下請けが木村建設等だということがあるんでしょうが、そうは言うものの、やはり鹿島、大林という日本を代表する大手ゼネコン企業が、見抜けなかったというのは非常に残念です。これは是非、大林、鹿島が関わった物件について、何故見抜けなかったのかということについては、やはり聞かせていただかなくてはいけないと思っています。それと後のお話ですが、非常に残念です。日本を代表する建設企業です。二つとも。鹿島、大林、スーパーゼネコンです。そういうところが関与した物件について、もちろん下請けが木村建設等だということはあるのでしょうが、そうは言うものの、やはり鹿島、大林という日本を代表する大手ゼネコン企業が見抜けなかったというのは非常に残念です。これは、是非、大林、鹿島が関わった物件について、何故見抜けなかったのかということについては、やはり聞かせていただかないといけないなと思っています
(問) 基本的なことでお伺いしたのですが、今回、税金を国の国費として出しているわけですが、その中の理由の一つに行政側の責任というのも免れないということを仰っています。特定行政庁は、基本的に直接建築主事の見落とし等があってこれは分かります。国の責任というのは具体的にどういうものなのかということが一つと。その国の責任があるのであれば、それについて、国としてどういう形で、国費投入しているわけですから、建築行政に関わっている人達が、どういう今後処分をされていくのか、これを今どういうようにご認識されているのでしょうか。
(答) 責任と言った時に正確にお話をさせていただきたいと思いますけれども、法律上の責任、要するに民事上の賠償責任、例えば国賠法上の賠償責任、法律上の責任という意味で言っているわけではありません。例えば、先程来言っている特定行政庁の問題にしても最高裁決定がありました。最高裁決定というのは、指定確認検査機関の行った行為については、特定行政庁にそのまま及びますと、違う言い方をしますと特定行政庁の一つの機関として建築確認という公の事務を指定確認検査機関がやっているのですという主旨の最高裁決定です。その後、横浜地裁で、この最高裁決定を基にして、特定行政庁に責任を求めた案件があったのですが、一般論として最高裁決定と同じような論を引かれて、最終的な判決では、その横浜地裁では、特定行政庁の賠償責任は否定をされているわけです。要するに何が言いたいかと申し上げますと、最終的に法律上の民事上の賠償責任があるかどうかというためには様々な要件が必要です。指定確認検査機関に過失があった。そして、その過失と損害との間に因果関係がある、違法性がある等々、当然、賠償請求権が認められるためには、様々な要件があって、初めて賠償責任がありということになるわけです。それは、事実関係を明らかにしていく中で、これは最終的にあるのかないのか、あるとすればどの程度の割合なのかというのが判明してくるわけです。特に、今回の案件のように、悪意で故意で犯罪行為の設計をしているというのがまずあるわけです。そういう中で、どのように因果関係等を判断されるかというのは、法律上も中々難しい議論があるかもしれません。いずれにしても、私が、この場で何度も申し上げているとおり、関係者も沢山いらっしゃる、そして国と特定行政庁もある。その責任があるのかないのか、あるとした場合、どの程度の責任割合があるのかは事実関係の中で明らかにされていくべきことであって、それは最終的に裁判所で決着をみるしかないと思います。ただ、そういう決着をみるまで今のことを放置してていいのか、行政として。ここで私が申し上げる責任というのは、行政責任です。行政としては、今、震度5強以上の地震が来たら、建物が倒壊する恐れがある、そこにお住いの方々が沢山いらっしゃる。そして近隣の方々がいらっしゃる。こういう状況というのを、早く、本当は売り主がきちんやらなければいけないのですが、今までの状況を見ていると、それが十分果たされない状況にある。そういう中で、危険というのが現実にある、切迫している。ここで行政が何もしないというのは、それ自体が行政の責任を問われてしまうと思います。そういう意味で、今回そうした支援スキームを作らせていただきました。国の、例えば法律上の責任があるのかないのかという問題があります。これも、私は司法の場で様々な議論をしていただくしかないと思っています。特定行政庁側からしましたら、制度設計に色々問題があるのではないのですかと、当然そういうご議論があると思います。そういう意味で、制度設計上、様々な問題点があったことが、例えば今回の損害との間で因果関係があるのかどうかという議論も司法の場では議論されていくのだろうと思います。しかし、今、私が申し上げているのは、国のそうした法的な責任があるかどうか、これは、そのことをあるという前提に立って、今回の支援スキームを作ったわけではありませんということを申し上げているわけです。是非、その点をご理解をお願いしたいと思っているところです。国には責任が一切ないと言っているわけではもありません。特定行政庁には一切責任がないと言っているわけでもありません。これは、やはり司法の場で事実関係を基にして明らかにしていくしかないのではないかという認識に立っているわけです。ただ、そうだといって、今の状況というのを放置することはできない。放置すること自体が行政責任を果たしていないことになるのではないのですかと。特に、建築確認という公の事務ということの関与があるわけですから、そこは行政がしっかり前に出ていかないといけないと考えているわけです。


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