メニューを飛ばしてコンテンツへ進む
サイト内検索

  大臣会見要旨(平成18年1月17日)
ラインBack to home

 

平成18年1月17日(火)
10:46〜11:15
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は一般案件が2件、政令の決定が1件、人事案件が4件です。特に国交省に係るところはありません。私の方から何点が御報告をさせていただきます。
 まず1点目は、市町村道の除雪費に関する調査の実施状況について、現時点での御報告をさせていただきます。1月10日に市町村道の除雪費等について、調査を行うように私の方から指示をしました。1月13日、先週の金曜日段階で、全国の積雪寒冷地域にある856市町村のうち、約7割の584市町村から報告がありました。残り約3割の市町村についても、引き続き確認、また集計を行っているところです。報告のありました584市町村におきまして、1月10日までの除雪費は合計で376億円となっていまして、平年の同時期の2.2倍の除雪費が既に使われている状況です。また、既に平年の3月末までの除雪費よりも多くなっている市町村、この1月10日段階で平年の3月末までの除雪費よりも多くなっている市町村は、163市町村となっています。非常に豪雪の状況が平年よりも大変多く、除雪費に市町村が当初予定した予算を使い切っているようなところもたくさん出ているのが調査で判明しているところです。早急に調査結果の取りまとめをしまして、財務当局と折衝し、できるだけ早く市町村の皆さんにも除雪費が補助できるように、今鋭意、進めているところです。これが1点です。
 次にもう1つは、昨年8月にアメリカにおきまして、ハリケーン・カトリーナによる大規模な高潮災害がありました。これを受けまして、我が国にも東京湾、東京、そして名古屋、大阪湾等々、ゼロメートル地帯が日本にもあるわけでして、あのカトリーナのような大規模な高潮があったときに、甚大な被害が生じることが当然想定されるわけです。そういうことで、あの直後から我が国のゼロメートル地帯の高潮対策のあり方につきまして、専門家の皆様からなる検討会を進めてきました。この度、提言が取りまとめられました。今日後程、私の方にこの取りまとめを頂戴する予定でいるわけですが、国土交通省としては、次の3点をしっかり進めさせていただきたいと考えています。1つは堤防等の防護施設の高さ、耐震性、また老朽化の度合い等について、再点検をしまして、緊急的に対応が必要な施設については早急に対策を講じていきたいと思います。防護施設の機能確保に万全を期していきたいと考えています。これが1点です。2点目が、我が国の中枢機能が集積する3大湾におきまして、国、地方公共団体、ライフラインの管理者からなります地域協議会を設置しまして、大規模浸水時を想定した危機管理行動計画を策定したいと思っています。さらに3点目に、昨年暮れに大規模降雨災害対策に関する提言を頂戴しました。その際にも申し上げましたが、河川局だけではなくて、省内横断的に検討するように指示をしたところですが、今回のこのゼロメートル地帯の高潮対策の取りまとめにつきましても、同様に洪水・土砂災害に高潮・津波対策を加えまして検討を総合的にやっていきたい。国土交通省の総合的な政策として反映できるように是非させていただきたいと思いますので、これも省内全体として、省内横断的にこの成果を具体的に反映をできるようにさせていただきたいと考えているところです。この1番目の防護施設の機能保全、機能確保につきましては、緊急的に対策を講じていきたいと考えていますが、概ね3年ないし5年で整備を終えるようにさせていただきたいと考えています。
 もう1点、御報告を申し上げます。これは観光に関する御報告です。2005年の訪日外国人旅行者数の推計値が出ましたので御報告します。2004年、一昨年は614万人でしたが、昨年2005年は59万人増加をしまして、673万人という訪日外国人旅行者の数でした。前年比9.7パーセント増、約1割、外国人旅行者の数が増えたということです。今年2006年は、やはりこれはきちんと官民ともに目標を定めた方がいいというように考えていまして、2006年は750万人とすることを目指して、様々な施策を推進させていただきたいと思っています。これに関連しまして、日中韓の3カ国の観光担当大臣の会合を持ち回りでやろうということを昨年来、中国、また韓国にも提案をしてきましたが、中国側から了解を得られ、韓国にも今、最終的に了解を得るべく交渉しているところですが、是非、これは実現をさせていただきたいと思っています。第1回目は日本で開かせていただきたいというように考えているところです。日中韓相互に交流を大きく拡大ができるように様々な施策について共有をしたいと思いますし、大臣会合だけではなくて民間の観光関連の団体の皆様も含めた会合、イベント、事業を是非させていただきたいと考えているところです。私から以上です。


質疑応答

 
(問) 今月末に大臣が高速道路において新規建設道路を指定するという期限が迫っていると思うのですが、一方では民間の会社のトップの方から全ての建設は無理だという話も出ていまして、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
(答) これはまさしく民間会社である高速道路会社との間でよく協議をさせていただきたい、よく調整をさせていただきたいと思っています。ただ、民営化されたわけですから当然民営化された会社の意思というものを、経営者の方々の意思というものを最大限尊重していくのは当然の話だというように思っているところです。いずれにしても、決めた債務償還をきっちりとやっていくことが最も大事なことですし、そのためにコスト縮減はさらにやっていかないといけないと思いますし、また一方で必要な道路はやはり整備をしていかないといけない。そういう民営化の出発点での意義というものをしっかり踏まえて、これから民営化された会社との間で協議をよくさせていただきたいと思いますし、また国幹会議もあります。当初のこの意義というものをしっかり踏まえて論議を進めさせていただきたいと思っています。
(問) それでしたら1月末までには、指定を行うという形になってくるのでしょうか。
(答) 国幹会議の検討を経る必要があるのです。国幹会議のメンバーの方々が衆議院選があった関係もありまして、国会での人事が必要なのですね。ですから、その人事との関係で1月中にというのは、困難かもしれません。国幹会議の議を経ないといけませんから。いずれにしても早く国幹会議を開いて指定をさせていただく必要があると考えています。
 
(問) 小泉首相が日本橋の上に架かっている首都高速道路をよそに移すというようなことを言われていまして、これについて高速道路自体もし建設費に入ってきたらかなりのものになると思うんですけれども、それについては高速道路の指定と絡めましてどのようなお考えといいますか、ありますでしょうか。
(答) それは総理が有識者の方々に是非検討しろということで御指示を出されて、基本的な考え方をこの夏までに取りまとめるというようなお話を頂戴しているところです。いずれにせよ、今まったく何といいますか、抽象的な段階でして、これから例えば、具体的に移転するならどこに移転するのか、また移転先においてどのような手法で工事を行うのか、工事についてはどれだけのコストが掛かるのか、そのコストについていったい誰が負担するのですかといった、次々にハードルがいっぱいありますので、これから具体化されていく中で議論されていくのだろうと、そもそも、その是非も含めて検討されていくのだろうと、是非とか時期とかそういう問題も含めて詰めた議論がなされていくのだろうと思っています。現時点でそれは全くこれからの話だと思っています。
 
(問) 幹事から最後の質問ですが、日本航空に対して国土交通省の方が再発防止策を再び提出するように指示していたという話がありまして、これに対して日本航空がトラブルを続発することに対して何か大臣の御所見はありますでしょうか。
(答) 昨年の末に非常脱出装置の確認の不備がグループ内でありました。これは前にもあったんですよね、以前も。そして今年の初めには、1月7日だったでしょうか、安全ロックピンを抜き忘れて逆噴射装置が作動しなかったというトラブルもあったわけです。双方ともに極めて人為的なヒューマンなミスですよね。昨年の一連のトラブルも、そうしたヒューマンエラーによるトラブルが多かったと思います。そういう意味でヒューマンエラーに関する再発を防止するように昨年も厳しく指導してきたわけですが、再びこの年末年始にこうしたトラブルが生じていることは極めて遺憾であると思っています。そういうことでJALグループに対しまして、このヒューマンエラー、類似の事例の再発を防止するために、グループ全体で安全情報の共有をしっかりやってもらいたいということも含めまして再徹底をするように指示をしてところです。今後とも、私どもとしましては厳しくJALグループに対して監視をさせていただきたいと思っています。
 
(問) 羽越線の運転再開の目途なんですけれど、条件整備、会社からどのような提示があったのか、ないのか、また近々その会社の経営のトップとお会いになって、そういったことについてお話される御予定があるのか、その辺お聞かせ下さい。
(答) 昨日、山形県知事とお会いしましたのは御承知のとおりです。そして今日JR東日本の社長が私のところに来られると聞いています。JR東日本の方からお話をよく承りたいと思います。JR東日本の方も当面の安全確保のための対策について検討されていると聞いていますので、その内容についてよく聞かせていただきたいと思いますし、私の方からは事故直後から被害者の皆様、遺族の皆様に対して、誠心誠意、万全の対応をとってもらいたいということを申し上げて参りましたが、その辺のこともよく聞かせていただきたいと思っています。やはり、遺族の方々、被害者の方々の感情がどういう気持ちでいらっしゃるのかということも、私は大事な要素であると考えています。そうしたことも含めて、よく聞かせていただきたいと思っているところです。
 
(問) 先日、札幌でJR北海道が開発したデュアル・モード・ビークルを視察されたかと思いますが、試乗されたご感想と、国交省として、この新型車両の普及促進に向けて何かご検討されていることがあればお聞かせください。
(答) よく質問の主旨が皆さん分からない方がいらっしゃるかもしれませんので、今仰った車両というのは、レール上を走ることもできるし、一般の道路上も走ることができるという車両です。それを今JR北海道が研究開発しています。もちろん、そこには色々な専門家の方々が入っているわけですが。私は、実際乗らしていただきました。コスト等も聞かせていただきました。これは、今後、北海道だけではなくて、本州、九州、四国も含めまして、非常に使えるのではないかということは率直に思いました。非常に安いコストで、うまくやっていますし、説明を受けましたけれども、そんなに難しいシステムでもありません。これはコスト面でも十分実用可能だなと。これから日本というのは人口減少し、益々過疎化が進んでくる地域もある中で、非常に実用化が期待できるものではないかということを痛感しました。当然、鉄道軌道上と普通の一般道路とを両方走るというわけですから、制度上の問題点が幾つかあるわけでして、しっかり、そういう制度上の問題点をクリアできるように、我々国交省といたしてもしっかり研究、勉強させていだたきたい。前向きに進めさせていただきたい。早く、それが実用化できるようにサポートしていきたいと思っています。
 
(問) 今日は1月17日、阪神・淡路大震災から11年ということなのですが、大雑把な質問ですけれども、建築物に対する信頼そのものが今揺らいでいると思うのですが、それに対する大臣の御所見をよろしくお願いします。
(答) ちょうど、今日、11年目になります。私は、11年前の1月17日は、大阪の自宅にいましたから、もちろん被災地ではありませんが、相当な揺れがあって、当日は行けなくて、翌日、被災地に行かせていただいたことを今でも鮮明に、その時のことを覚えていますけれども、私は、今年は絶好のチャンスだと思っています。絶好のチャンスというのは、日本というのは本当に地震大国で、いつ、また、阪神のような震災がどこであるか分かりません。また、海溝型の地震も想定されているわけです。かねてから言われていた話なのですが、この11年間どうしてきたのかということは、当然ご批判はあると思います。もちろん、それなりの取り組みをしてきていても、現実には、未だに、全国の住宅・建築物の25%が耐震性不十分という状況なわけです。また、今回のような耐震偽装という建物の安全性の基本にかかるような、こんな事件が起こってしまった。一体何をしているんだという国民の皆様のお声というのは、私は本当に率直に受け止めなくてはいけないと思うのですが、今年はそういう意味でも、耐震性というものを大幅に強化していく、前進させていく絶好のチャンスだと思っています。それはまずは国民の皆様が自分の住んでいる建物・マンションの耐震性は大丈夫なのかということに、非常に御関心を持っていらっしゃいます。また、そもそも多くの方々が利用する建築物は大丈夫なのかというように、そういう関心も持っていらっしゃいます。自分の子供が通う学校は大丈夫なのかと。そもそもこの耐震偽装の事件が発覚する以前に、昨年の衆院選が終わりました特別国会、これは例外でしたが、耐震改修促進法の改正法案を提出させていただいて、全会一致で昨年成立を致しました。これがもう間もなく施行されますが、その際に国としても基本方針を具体的に皆様に御報告させていただきたいと思います。耐震改修のための、例えば補助制度の充実、税制の創設。これは昨年末にやりました。制度としても相当私は整ってきたと思っています。そして一番大切な国民の皆様の耐震性に対する意識・感心というものが非常に強くなっている中で、私は冒頭申し上げたように、今年は絶好のチャンスだと思っていまして、むしろこの耐震偽装事件を受けて建物の耐震性が大きく前進したと言える年に是非させていただきたいと思っています。そのためには、例えば多くの方々が利用する建物の耐震性については原則公表していくと。既成のものも含めまして公表すると。学校であれ病院であれ民間のものも含めて多くの方々が利用する建物については、その建物の耐震診断は必ずやっていただいて、その耐震診断の結果を公にしていただく。そういうこともしていかないといけないと思っています。これは単に制度をつくるだけではなくて、やはり世論というのも大切だと思いますので、是非そういうことも含めて基本方針の中で明らかにさせていただきたいと思いますが、今年は是非そういう耐震性が大きく前進する、また建物に対する安全性の信頼を回復していく一年に是非させていただきたいと思っています。
 
(問) 耐震偽装の問題ですが、ヒューザーの小嶋社長が取材に対して、10月25日に偽装についてイーホームズから知らされた日の午後に、その姉歯建築士の方から8件の物件名を知らされていたと。その上でその後も契約や引渡しを続けたということを話しておられましたが、この点について国交省としてどのように事実関係を把握しておられるのかということと、それから宅建業法違反の可能性が強まったかと思うのですけどもこれについての大臣の御所見を聞かせていただきたいと思います。
(答) 事実関係について、今おっしゃったことについては非常に私ども関心を持っている事項です。事実関係については国交省といたしましても関心を持って調査をさせていただいています。また今日の証人喚問でも、そのことは焦点の一つだと思いますし、そこで何とおしゃるのか、私も関心を持って見ていますし、私どももそのことについてはこれまでも関心を持って調査をしてきたところです。また、捜査当局も当然、関心を持っていると思います。大事なことは客観的な事実関係ですので、そこをよく確認をすることが一番大事だと、現時点は思っています。今、具体的にどこまで掌握しているかとかについては、今日の時点でお話するのは遠慮させていただきたい思います。
 


過去の大臣会見へ

ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2006, Ministry of Land, Infrastructure and Transport