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  大臣会見要旨(平成18年2月10日)
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平成18年2月10日(金)
10:01〜10:32
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議ですが、一般案件が2件、国会提出案件が16件、法律案の決定が9件、この中で港湾法等の一部を改正する法律案が閣議決定になりました。人事案件が2件です。私から1点御報告を申し上げます。今般、耐震偽装の件ですが、福岡で非姉歯物件について偽装が判明いたしました。また御承知のとおり、熊本の方でも今調査中ですが、耐震度が低いものが現時点で報告をされているところです。こういう状況を踏まえまして、改めて皆様に御報告を申し上げたいと思いますが、現在国土交通省として建物の安全性について調査している現状と、今後の見通しにつきまして御報告させてもらいたいと思います。まず姉歯元建築士の関与物件、これは207件対象数があります。この207件のうち調査済みが205件、まだ調査中のところが2件残っています。205件の調査済みの中で97件が偽装が判明しています。これは御承知のとおりです。次に姉歯元建築士が関与していない関連物件、例えば木村建設、ヒューザー、平成設計、総研等の関与物件です。非姉歯物件、これは全部で607件あります。この607件のうち調査済みが395件、この395件の調査済みの中で、今回福岡の方で木村建設関係で非姉歯物件として3件の偽装が判明したものが報告をされているわけです。残り調査中のところがこの非姉歯物件については、212件あるわけです。したがって姉歯元建築士の関与物件が後2件、そして非関与物件で212件、合計214件がまだ調査中の段階です。これを踏まえまして、まず214件につきましては、速やかに調査をしなければならないということで、改めて指示をしたところです。さらに緊急建築確認事務点検本部におきまして、国指定の民間の指定確認検査機関に立入検査をいたしましたが、その際に構造計算書等を入手したものが103物件あります。この103物件についても年度内に調査を終えたいと思います。さらに500物件のサンプル調査をしますが、そのうち10階建以上の既存のマンションから約400物件を抽出をいたしまして、これにつきましても年度内に調査の実施をしたいと考えています。ですから以上残っている214物件、そして指定確認検査機関から入手している103物件、さらに既存のマンションの400物件、これはサンプル抽出するものですが、合計少なくても約700物件につきましては、年度内に調査を実施し、偽装の有無、耐震度等について報告をするようにということで指示をしたところです。またこれ以外に住宅建築物耐震改修事業によりまして、今年度実施しています耐震診断、これは各地方公共団体で、この事業を活用して耐震診断を実施しているところがたくさんあります。その結果についても集約をし、とりまとめをしたいと、これも今年度実施しているものですので、早急にとりまとめをしたいと思っていますし、さらに各特定行政庁、地方公共団体の中では、独自に一定の要件のもとで耐震診断、また構造の再計算をやるとしているところがありまして、こうした各地方自治体の取組につきましても、報告をいただいてとりまとめをしたいと思っていますし、また民間のマンションディベロッパー業者の中では、自らが造ったマンションにつきまして耐震性の調査をしているところもあります。そうした民間の業界が独自でやられている調査についても、報告をいただき取りまとめをさせていただきたいと思っています。いずれにしましても実態について姉歯物件だけではなくて、それ以外の姉歯元建築士が関与していない物件についても、今申し上げたようにできるだけ調査をしっかりやって、遅くとも年度内に皆様の方に一定の報告がきちんとできるようにさせていただきたい。建物の安全性に対する信頼を回復していくためにも、まず、その現状というものを、今、どうなっているのかということを、正確に把握することが大事であると思いますので、今、申し上げたようなことを、私の方から指示をしたところです。取りまとめ次第、ご報告をさせてもらいますし、また、社会資本整備審議会で、今、建築基準法や建築士法等の見直しについてご議論いただいていますが、その前提となる実態の中身ですので、社会資本整備審議会の方にも、きちんとご報告できるようにさせてもらいたいと思っています。私から以上です。


質疑応答

 
(問) 今の構造計算書の偽装問題についてですけれども、非姉歯物件で強度不足が見つかったということで、国民の間にもかなり不安が拡がっていると思うのですけれども、それに対して、大臣の方から、これを受け止められて何か国民に訴えたいことがあれば教えてください。
(答) 非姉歯物件について、偽装が福岡県で判明をしたというのは、建築士の方は偽装ではないと仰っておられるようですが、それは、これから更に厳正に今調査をしているところですが、大変、私にとりましても、遺憾でありますし、残念であります。しっかりとここは実態がどうなっているのかということを調べることが先決であると思っています。そういう意味で、先程、冒頭申し上げたように、非姉歯物件についても、少なくとも年度内に、サンプル調査等も含めまして700物件以上はしっかり構造について再計算してチェックしていこうということですので、まず、その調査をしっかりさせていただきたいと思っているところです。また、建物の安全性に対する不安が国民の皆様の間で拡がっているわけですから、特定行政庁としっかり連携を取らせていただいて、様々な従来の耐震診断の事業等もあるわけです。また、特定行政庁で様々な取り組みをしようという強い意識を持っている特定行政庁もいらっしゃいます。他の特定行政庁ともよく連携をとって、しっかりと建物の安全性に対する信頼が回復できるように、まずは、実態の把握をよく連携を取りながらすることが先決だと思っています。その上で、私はやはり非姉歯物件で偽装というものが出てきたということは、やはり、重大なことでして、建築基準法更には建築士法の見直しについても、やはり抜本的な見直しをしていかなければいけないと考えているところです。
 
(問) 7日に国幹会議がありましたけれども、そこでの議論をどのように受け止められて、今後の高速道路の大臣指定をどういう方針で臨まれるのかということをお聞かせください。
(答) 国幹会議の内容は御承知の通りです。まず、各高速道路株式会社が新設又は改築を行う高速道路について、現在、各会社、機構と協議をしていることころですが、各会社、機構の方から回答が得られましたならば、速やかに大臣指定をしたいと考えています。まだ、全て回答が出ているわけではありませんが、早ければ今日にでも指定ということになるかもしれませんので、その時は、また、皆様にご報告、公表をさせていただきたいと思っています。その内容につきましては、一昨年の国幹会議、また、それ以前の議論の経過があります。そういうものも踏まえて、前提として、今回の国幹会議のご議論というものがあったと理解をしているところです。抜本的な見直し区間、5区間143qあるわけですが、これについては、具体的な内容は申し上げませんけれども、大幅なコスト削減また当面着工しない部分というものも明らかにさせていただいたわけです。先般の国幹会議のご議論も踏まえながら、今後進めていきたいと思います。ただ、何度も申し上げていますが、一番大事なことは、やはり約40兆円にも上る債務をこの45年間で確実に償還していくということが最も大事なことです。そこがきちんとできていかないといけないわけでして、そのために機構もあるわけです。そういう意味で、これは今後ともこの債務償還が確実にできるということを常に検証しながら進めさせていただきたいというように思っています。機構とよく連携をとらせていただきながら、また民営化された各会社の意向というものをもちろん最大限尊重しながらこの債務償還を確実にやっていくということを最優先に国としてはチェックをしていきたいと思います。経済情勢等々もこれからも変化があるわけでして、そういう変化を見ながら決めたからすべて全部やるということではなくて、債務償還ということが一番大事なことですので、そこを常に念頭に置きながら検証を不断にさせていただきたいと思っているところです。
 
(問) 皇族の方の妊娠を受けまして政府与党が今国会で提出を予定していました皇室典範の改正を今回提出を見送るという方針を固めたことにつきまして、大臣の御所見をお願いします。
(答) この皇室典範の見直し、改正の話、私は決して反対ではありません。しかし、事柄の性格上これはやはり多くの方々の御理解をいただきながらやはり進めていくことが非常に重要だと思います。そういう意味で、今国会の成立にこだわらずという御判断は、それはそれでよかったと私は思っています。
 
(問) 耐震強度偽装の関係なのですけれども、熊本県の偽装の疑いありとされる6件についてなのですけれども、一旦なりとも熊本県が偽装なしとして国土交通省に報告してきたということについてなんですが、これがその後偽装の疑いがあるということを今あらためて報告があったということで、現在偽装なしとして報告されている中に耐震強度が不足しているものが隠れているのではないかというような疑いが生じてきたと思いますが、この点について何か御所見ありましたら。
(答) まず、熊本県が耐震度が不十分であることを専門機関等から報告を受けていたにもかかわらず、国の方にその報告がなかったということは、やはり遺憾だと思います。専門機関の方から偽装はないけれども耐震性に問題があると言われているのだったら、それをそのままきちんと報告をしていただかないと、そして何故偽装がないのか、耐震度が不十分なのか、そこはやはり大変な問題ですからそこを調べてもらう必要があるわけで、そうした報告をきちんとしていただかないといけないというように思っています。先ほど冒頭に申し上げた既に調査済みの案件の中にも耐震性、耐震度が大丈夫かと御質問ですが、これは報告がなされている各特定行政庁において当然のこととして、その耐震度について当然調査はされているものだというように思っています。偽装なしとされた物件については、耐震性は問題がないのだというように国土交通省は理解しているわけでして、この熊本のことが当然あったわけですから各特定行政庁もそういう意識をさらに強く持っていらっしゃるものと思っています。特定行政庁も、私の今までの感じでは非常に慎重にその辺は判断されていると思います。今までも実をいうと熊本県だけではなくて一旦調査済みのものが、もう一度調査をしたいというようなことで戻ったケースも今まで幾つかありました。そういう意味では、各特定行政庁は非常に対応には慎重に、また、しっかりした検査をされているというように私は思っています。熊本県のような例が他にも沢山あるとは思っていません。
 
(問) 今の質問に関連して、まだ事実がはっきりしない面もありますが、新たに耐震偽装の自治体の見逃し、あるいは耐震強度、耐震性についての認識の非常にずれというようなものが明らかになってきました。国土交通省でも緊急点検本部でいろんな資料を出されていますが、そうした行政対応というのですか、建築行政に関する対応についてもう一度検証する必要性があるのではないか。一部の自治体、例えば中央区なんかは、自ら自分で過去の建築確認について点検するというようなことも言っていますが、この辺国土交通省として何か新たに求めていくというようなことはないのですか。
(答) それは、先ほど申し上げたとおりです。国としては、先ほどのような方針で、できるだけ早く他の非姉歯物件についても調査を終えてしまいたいと。その結果を皆さんにまた御報告をさせていただきたいと思っています。中央区の独自の取り組みについては、非常に時期に合ったことでして、そういうような取り組みが各特定行政庁の中で進んでいくことを私も期待をしています。いずれにしましても、まず実態というものをよく把握することが何よりも大切なことであると思いますので、しっかりと姉歯元建築士が関与していない物件についても調査をさせていただきたい。それもできるだけ早く速やかに調査をしていきたいと思っています。そういう実態を踏まえた制度の見直しでないといけないと思っていますので、まずは事実関係そして建築確認の実態について調べさせていただきたいと思っています。
 
(問) 昨日夜、外国人から見た観光まちづくりの懇談会が開かれていましたけれども、そのメンバーについてお尋ねしたいのですが、外国人の方で10人の委員の方が選ばれていたのですが、その内の5人がアメリカ人で、あと一カ国ずつドイツ、オーストラリア、中国、韓国ということだったと思うのですが、日本を訪れる外国人の方の上位4カ国というのが韓国、台湾、アメリカ、中国なんですね。そして日本に住んでいらっしゃる外国人の割合も、大分それとは異なると思うのですが、そういうような方を国交省として推薦したというのはどういうねらいがあったのでしょうか。
(答) 長らく日本に在住していらっしゃる外国人の方々ということで、これはもともと総理の方から、官邸の方から是非そういうのをやろうじゃないかと。御意見を伺おうではないかという御意見があってやらせていただいたわけですが、特にこの10人の方にこだわっているわけではありません。これは第一回目でして、これからもやはり外国人の方々の御意見を聞くということは、非常に参考になるなということは昨日も私その場にいまして実感を致しました。総理からもまたやれという御指示もいただいていまして、それもそういう総理とかアドバイザーの方々に対してだけでなく、例えば民間の事業者の方々に直接聞いてもらうといいという話も多いなということで、是非民間の観光関連、交通関連等々の事業者の方々の代表なんかにも入っていただいてまたやろうということになっています。できるだけ早くやらせていただきます。おっしゃってるとおり、昨日の議論の中でも皆さんもおっしゃっていましたが、例えばヨーロッパの方々、アメリカの方々、そしてアジアの方々、求めているものが少し違ったりしています。またアジアの中でも例えば韓国の方と中国の方とは少し違います。そういう意味ではその国々に応じて日本の例えば今後の観光立国に向けて、もっとこういうようにしたらいいのではないかというニーズというものは、必ずしも一様ではありません。様々違うと思っています。私も確かに韓国とか香港、台湾というのは、リピータの方が本当に多くなっているんです。中国は必ずしも、まだまだ来ていない。初めて日本に行くという方が多いわけでして、当然その辺のニーズも全く違うわけです。ただ昨日は、どこの国の方というよりもそれぞれ皆さん本当に20年とか10年とか30年とか、日本に長くいらっしゃる方ばかりでして、それぞれ日本を非常に愛されているといいますかね。愛しているからこそもっと日本はこういうことを大切にしてほしいんだとか、こういうことをもっと大事にした方がいいですよという、非常に率直な御意見をそれもかなり具体的に教えていただきました。そういう意味ではあまりどこの国だというのではなくて、日本に馴染んでいらっしゃる方々ばかり、もう皆さん全部日本語ペラペラですし、またご主人が日本人の方もいらっしゃいますし、奥さんが日本人の方もいらっしゃいましたしね。そういう意味では非常に日本に定着をしていらっしゃる外国人の方々の御意見でして、その国ということよりも長年日本にいることによって感じていらっしゃることを、率直に総理の前でお話いただいて、総理も予定より一時間位長くなりまして、お話を聞いておられました。今日の閣議後の懇談の中でも、総理の方からまたこの話も出まして、昨日いろいろ具体的な意見があったのですが、そのある特定の意見について具体的に関係省庁にもう指示をされていました。中身については閣僚懇の話ですので控えさせていただきますが、具体的に関係の省庁に、ある人からこういう話しを聞いたけれど、これはちょっとおかしいのではないかと。これ少し検討しろというようなことを、早速指示をされておられましたので非常に私は良かったと思っています。今後しっかりと、アジア系の方々のお話もよく聞かせていただきたいと思います。
 
(問) 国幹会議の関係なんですけれども、抜本的見直し区間で北海道の2区間、一部着工し一部国道を利用するということですけれども、当面この国道を利用するという期間なんですがどのくらいの期間を想定されていらっしゃるのか。何か目途みたいなものは。
(答) 目途はありません。当面着工しないという、その言葉通りです。
 


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