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  大臣会見要旨(平成18年2月21日)
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平成18年2月21日(火)
9:06〜9:29
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は、一般案件が1件、国会提出案件が8件、政令の決定が5件、人事案件が1件です。私からは特にありません。


質疑応答

 
(問) 日本航空の子会社の取締役が経営陣の退陣を要求した問題で、退陣要求の署名が200名を超えたというような報道もされていますけれども、混乱が拡がっているような気がするのですが、これについて、どういう御所見をお持ちか改めてお聞かせください。
(答) 経営のあり方そのものに、私どもがコメントする立場にはありませんが、ただ、今JALが置かれている状況は容易な状況ではあるとは思っていません。そうした状況に鑑みるのならば、早くそうした混乱は収束をしていただきたいと思っています。
 
(問) JALの問題ですが、民間企業である一方公共性の高い交通機関であるという意味では、安全な運航とか乗客へのサービスといったものは非常に公共性が高いと思うのですが、そういった会社がこういう内部で対立をするとか内紛を起こすということについての、例えば経営陣の経営責任であるとか、それを起こしている人達の意識の問題について、公共性が高いという観点から大臣はどのように思ってらっしゃるでしょうか。
(答) 経営のそのものあり様については、民間企業ですから、私どもの方からああだこうだと申し上げる立場にはないと考えています。ただ、今も仰ったように、空の公共交通を担っている極めて重要な企業なわけですので、公共交通の安全の確保ということは最大限確保していただかないといけないわけでして、そこのところは、私どもも、しっかりと今後とも立入検査も含めて厳重に監視監督はしていきます。
 
(問) 耐震強度偽装問題ですけれども、分譲マンションの販売業者のヒューザーが、先日、破産手続き開始決定ということで、国と自治体の連絡協議会では、国なり自治体が建て替え支援で投じる費用について、ヒューザーに対して請求していくという方針を確認されたところですけれども、そのヒューザーが倒産ということになると、一次的な責任はヒューザーにあると思いますけれども、二次的な責任として元請けの設計事務所であるとか、あるいは建築確認を行った指定確認検査機関並びに特定行政庁への責任追及ということはどのようなお考えでしょうか。
(答) これは、例えば姉歯物件に限って言いましても、97の偽装物件があるわけです。その97それぞれ事実関係というのは相当違いがあります。関わった業者等も含めて事実関係がそれぞれ違いがあるわけで、一律にこうというようなわけにはいかない、売り主に瑕疵担保責任がありますよというのと同じような意味で一律に申し上げるわけにはいかないと思っています。恐らく、その責任があるのかどうか、その責任の有無、またその度合いについては、個々の事実関係に応じて、違ってくるのだろうというように思うのです。これについては、それぞれの案件について、判断していくしかないというように思っています。最終的には、これは司法の世界で決着を見ていくといくことになるのだろうと思いますが、今、私は、責任がないとは申し上げているわけではありませんので、責任の有無、またその程度については、個々の事例に応じて判断していくしかないと考えています。
 
(問) 確認になりますけれども、元請けの設計事務所なり、建築確認を行っている検査機関なりに対して、賠償請求という形になるかどうか分かりませんけれども、投じた費用について、請求していくという方針には変わりは。
(答) 責任の有無、責任の程度というのは、個々の事案に応じて違うと思うのですね。前提として責任があると、この事例においては、例えば元請けの設計士にも責任があると、また場合によっては指定検査機関にも大きなミスがあるというような事例の場合に、それなりにきちんとその責任を分担していただくというのは、当然だと思っています。ただ、それについては、個々の事実関係というのは様々ですから、その事例に応じて、判断していくしかないと思います。
 
(問) しつこいようですが、JALの問題なのですが、この内紛の問題について、国交省として、何かしら説明を求めていくということはあり得るのでしょうか。
(答) 現時点では、こちらの方から呼び出しをして、やるということは考えていません。ただ、当然、JALの側から今こういう状況になっていますということは、先般もありましたし、これからもあるだろうというように思っています。我々が一番関心を持っているのは、やはり一つは安全管理体制なのですね。こうした混乱で、現場の安全管理体制に悪い影響を与えることは、決してあってはならないことでして、そこは厳しく監視、監督をしていきます。この間決めましたように、抜き打ち立入検査もやりますし、それはしっかりとやっていきたいというように考えています。それと、もう一つは、やはりJALの経営が安定的なものである必要があるわけですね。そこは、私どもも関心を持っています。今年度は、赤字に転落するということも言われているわけでして、安全な航空輸送と、そのためには、やはり安定的な経営を維持していただくということは、これは全然無関係ではありませんから。もちろん、そこのところは、私どももこれはそんな短期的な話ではなくて、中期的、また長期的に安定的な経営基盤を確保していただくということが大事だと思いますし、そこは私どもも関心を持っているところです。それは我々が言うまでもなく、JALの経営陣の方々が当然、検討されていることだろうというように思っていますし、そうした御報告もいただけるものだと思っています。
 
(問) 先ほどのヒューザーの質問に戻りますが、元請けの設計士なり、それから建築主にいった場合、それは国、あるいは自治体として住民から請求権を譲り受けて、そういった形で請求していくということまで視野に入れていらっしゃるのですか。
(答) そういうことは現時点では視野に入れていません。これはまだどんどん動いている状況です。それから一つは、個々の違いで本当に違うわけですが、例えば分譲マンションであると、分譲マンションの居住者の方々の損失というものを、やはりその責任を分担してもらわなければいけないわけですよ。リスクを担ってもらわなければいけないわけです。リスクを担ってもらうというのは関係者の方々にも、その落ち度のある方々ですよ、過失のある。そういうことです。売り主が一義的に瑕疵担保責任がある、売り主がまず契約の瑕疵担保責任を負っているわけですから、その責任を果たしてもらわなければいけない。それをが果たしてもらえない。時間だけがどんどん過ぎ去る、安全性の確保ができない、そういうことで私どもの公的な支援策というのをとりまとめさせていただいたわけです。ですから売り主に対する請求というのは、やはり前提として厳正にやらせていただきますよということは常々申してきました。その問題とその関係者、元請けの設計者なり、指定検査機関なり、場合によっては施工業者なり、そういうところに対して責任追及するのが前提だという意味で申し上げているわけではありません。ただそういうところに対しても、当然個々の事例において、その責任というものが重大であるという場合には、各特定行政庁において当然検討されるものだと思いますし、また当然住民の方々の、また場合によってはホテルや賃貸マンションの所有者の方々から法的な請求をするということも考えられますし、そういう意味で、先ほど申し上げたわけです。それをすることが公的支援策の前提であるという意味ではありません。
 
(問) 耐震強度偽装問題なんですけれども、福岡での偽装に続いて、横浜でも耐震強度不足ということで、調べるものに対して姉歯建築士やヒューザー以外のところにも広がりというか、偽装の意図があるかないかは別にしても、安全性に問題のある建物が建っているということが、際限なく広がっていくような、そういう不安があるのですが、その辺について今後の調査を含めてですけれども、どのようにその不安を取り除いていくための対策が必要だと考えますか。
(答) 以前にも申し上げましたが、やはり偽装というものがどれくらいの広がりを持っているものかということを早く明らかにしていくということは、非常に私は国民の皆様の不安を解消していくためにも大事なことだと思っています。そういう意味でこの年度内の3月末までを目途に以前申し上げた、700件、約700件の調査はしっかり終えてとりまとめができるようにさせていただきたいと、これを今急いでいるところです。それとともにそもそも耐震改修促進法を改正させていただいて、国の基本方針を定めさせていただいて、また、耐震改修事業については大幅に予算も拡充をし、税制も取得税、また、固定資産税について減免の制度も今国会で論議をしているところですが、そうした制度も整えています。そして今おっしゃったように国民の皆様の不安というのが本当に広がっている中で、特定行政庁もこの耐震改修事業を是非活用していただいて、実際にもうそういう自治体もたくさん出てきているわけです。例えばこの福岡市の場合はこの耐震改修事業を活用しまして構造に不安のある住民の方々に手を挙げていただいたら、3分の2まで補助をして審査をするというような制度なんかもやっているわけです。こういう自治体がたくさん、もっともっと出てきていただかないといけないと思っています。各特定行政庁で、地方団体の方でこうした耐震改修事業を活用して自分の地域にある、例えば高層のマンション等について、しっかり耐震診断を進めていくというようなことが非常に大事だと思っています。よく特定行政庁と連携をとらせていただいて、そうした例なんかも紹介させていただいて、各特定行政庁、地方団体でそうした取組みがなされるようにしっかり努めさせていただきたいと思っています。
 
(問) もう1点ですが、東横インなんですけれども、2月11日で是正状況等のとりまとめがあって、63件の内21件ですか、是正があってなくなったということですけれども、刑事告発について先般事態の悪質性とかそういうことについて考えるというお話でしたけれども、その対象というのは是正命令に期限までに従う形で直さなかったものが対象になるのか、あるいは既に是正したものであっても悪質なものであれば事例によって刑事告発の対象になる余地があるのか、その辺の判断基準はどのようにお考えですか。
(答) 是正命令をしないと刑事告発ができないという性格のものではありません。問題はやはり全体です。この東横インの違法改造の全体的な実態を見て、悪質性はどうなのか、違法性はどうなのか、社会に与える影響はどうなのかと。そういうもの全体として判断をして、これはやはり刑事告発をすべきなのかすべきではないのか、そういう判断をしていくことになると思います。今いずれにしても全容について、事実関係について掌握に努めているところですし、またきちんと是正が適切になされているかどうかというのも見ているところです。そういう全容をきちんと見たうえで、特定行政庁とよく相談して判断をしたいというように思っています。いずれにしましてもこれだけ広範な事案ですので、刑事告発も含めて特定行政庁とよく相談をしていきたいと思っています。
 
(問) 耐震強度の関係で1点お伺いしたいのですが、明日、社会資本整備審議会で中間報告がまとまるかと思いますが、これまで姉歯物件の事件を前提にいろいろとりまとめをされていたかと思いますが、ここにきて福岡があって、非姉歯物件でも耐震性に問題がある物件が出ているということで、今後中間報告の後の社会資本整備審議会での議論で何か今までと方向性を変えたり、新たにその課題として取り上げていかなければいけないことが出てくるとお考えでしょうか。
(答) 社会資本整備審議会で御論議いただいていることですから私の方からあまり口を挟んではいけないと思いますが、やはり姉歯物件だけに限られていたという場合とそうではなくて他にもやはり拡がりがあったということでは、やはりぜんぜん違うと私は思います。姉歯物件だけの場合であれば姉歯元一級建築士、彼がとんでもないんだと極めて特異な事件なんだというように限定できるのかもしれませんが、それが他にも広がりがあると、また、偽装ではないけれども耐震度が不十分だというような案件等も出てきているわけです。そういう広がりを考えていきますと私はやはり今後の建築基準法なり建築士法なりの見直しにやはり影響を大きく与えていくものだというように思っています。やはり抜本的な見直しが必要だという方向に進んでいくのではないかと私は思っています。
 
(問) 一部報道に新築の全ての住宅に構造的欠陥に備える賠償保険の加入を義務付けるという方針を固めたという形になっていますけれども、この点について御所見をお願いします。
(答) これは、まさしく今論議をしているところです。今回の事件を通して、やはりこれは見直していかないといけないと思う課題の大きな一つであり、消費者の保護、瑕疵担保責任があっても倒産してしまったら意味がないわけです。住宅取得という本当に大きな買い物、一生に一回しかないかもしれない大きな買い物をされている消費者の方々をどう守っていくかという観点は今後の見直しの中で私は大きな課題の一つだというように思っています。現行は、やはりそういう消費者保護という観点でやはり十分だとはいえないということが今回の事件を通して明らかになっているわけでして、消費者保護という観点からどういう制度を作ることが必要なのかということをよく論議をしていく必要があると思っています。一方で、逆にコストが高くなってしまって逆に消費者にとって買い物がしにくくなるということもあるわけです。そういうこともよく考えながら如何に消費者保護が図れるのか、今後の大きな議論だと思っています。冒頭おっしゃったその報道については、具体的な中身自体はまさしく今論議している最中ですが、その消費者保護という観点で非常に大事なテーマの一つの方向性だと思っています。
 


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