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  冬柴大臣会見要旨(平成18年12月1日)
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平成18年12月1日(金)
9:33〜9:57
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  本日の閣議は、一般案件が3件、国会提出案件が9件、法律公布の決定が1件、政令の決定が1件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。
 私の方から1つ申し上げます。本日の閣議において了解をいただきましたので、12月2日及び3日、明日と明後日の日程で中国の北京に出張してまいります。11月18日の日中首脳会談において、安倍総理と胡錦涛国家主席との間で来年の日中間の交流人口を500万人台とすることを目指して努力することで合意したことから、目標達成のための主要な行事や方策等について中国の邵h偉(しょうきい)国家旅游局長と意見交換をしてきます。また、国土交通行政に関する課題について中国の政府要人との意見交換をする予定です。この出張の機会を活かして、国土交通、観光分野における中国との未来志向の発展的な協力関係の強化に努めてまいりたいと思っています。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 道路特定財源の関係ですけれども、首相が揮発油税についても一般財源化するというお話をしていて、法律上の使い道、縛りもあろうかと思いますけれども、大臣の揮発油税について一般財源化するということについて改めてお考えを教えてください。
(答) 昨日の諮問会議における安倍総理のご発言については、承知しています。道路特定財源の見直しについては、「行政改革推進法」及び「骨太の方針2006」に沿って、一般財源化を図ることを前提として、納税者に対し十分な説明を行い、その理解を得つつ、各方面と連携をして年内に具体案を取りまとめてまいるという所存です。道路特定財源の見直しの具体案の取りまとめに当たっては、納税者の理解が得られるようしっかりと知恵を出していかなければならないと思っています。「税率を維持しつつ」という部分と「納税者の理解」という部分は、受益と負担のバランスがその間にとられているわけでして、そのような問題を処理する上においては、受益という部分、負担という部分、そのバランスがとれるかどうかというところが一番大事だと私は思っています。
 
(問) 東京電力の野反ダムで、ダムの形状の計測データーが、勝手に補正されていたということが明らかになりました。先日には河川内の工作物についても無許可で改修していた事実も明らかになりました。さらには中国電力のダムのデーターの改竄というのも明らかになりました。電力会社のデーターに関する杜撰さというのが次々明らかになっているのですが、大臣としてご意見を伺いたいのですが。
(答) 甚だ遺憾なことです。河川という公物、公の物を占用使用するということですから、そこに工作物を造るという場合には、その公物に対しどのようなことが許されるのかということを十分わきまえて、我々の方で検討をして、一定の許可をしたり、免許を与えたりするという仕組みになっているわけですから、一度与えられた許可等につきましても、その後その形状を変更するという場合には、許可権者である我々の方にきっちりと報告をし、そしてまた新たな許可を得てやられるというのが当然のことです。それは実体的には河川についての安全な、また地域住民にとって安心な管理を行うという趣旨がありますし、また報告をきちんと適宜適切に行うということは、実体的に安全に関わらないものでありましても、コンプライアンスというような観点から、間違いなくやっていただくということがもちろん筋であります。そういうことが守られない事例が、今仰ったようにあちらこちらで見つかっているということについては甚だ残念でして、我々の内部におきましても、もう少しこういう問題について、今私が申し上げたような実体的な危険というようなことが起これば大変な話ですけれども、そうでなくても形式的な届出にしましても、そういうものはきちんと遵守するということが大事だということを、事業者についてはもちろんですけれども、監督をする我々の出先機関においても本省においても、その辺の意識をきちんと啓発をしたいと思っております。
 
(問) 一旦許可を与えた業者に対して、性善説をもとに行政を司るということは、昨年あった耐震強度偽装事件に似通っているような感じがしまして、ある程度河川内の許可に関することだけではなくて、国土交通行政全般に性悪説に則った観点からの業者のチェック、監視というのが必要ではないかという気がするのですが、その点はいかがでしょうか。
(答) それは程度の問題だと思います。一律に性善説をとるとか性悪説をとるとかいうことではなしに、惰性、慣れということを排して、常に原点に戻って、上から下までコンプライアンスという問題をもっと重視するという社会を作っていかなければならないと思います。我々の方も性悪説にたって、何から何までということになると、大変な事務量、人員がいります。今回の一番冒頭にあげられました野反ダムの問題につきましても、早速に我々の担当者とともにダムの専門家まで派遣して、その実態を調査し、それを評価するということで、1つあげても大変な事務なのです。現在承知している事実関係では、それがダムの構造に関するものとか危険を生ずるものではないようですけれども、そういうものであっても、我々がそれを調査するためには、現地に担当者、専門家を派遣し、大きなお金がかかるわけでして、そういうことがないように、事業者に対してもこういう問題をきちんと周知徹底をするということを、まず始めるべきでないかと思います。
 
(問) 道路特定財源の話ですが、大臣はこれまでも納税者の理解が必要と強調されてきましたが、より規模の大きい揮発油税が対象となることで反発が強まって、納税者の理解がより得られにくくなるという懸念はありませんでしょうか。
(答) 揮発油税を含むか含まないかという議論はこれからやっていくわけでありますけれども、総理が明確にそのようなことを仰るということは、そのような方向に動いていくのだろうと思いますけれども、ただですね、納税者のご理解をいただくというのは必須の問題でして、それがどうしたら理解が得られるのか、今まではどうだったのかということをいろいろかえりみて、それに基づいて今後、話を進めていかなくてはならないと思っています。今までは、もうご案内のとおりですが、平成15年度から平成19年度までの5ヶ年間に暫定税率というものをつけて、それだけを付加して払っていただくということについてご理解を得るために、その間に行う事業量を38兆円と閣議決定しているわけです。地方では、私のところの道路はいつ供用開始してくれるのだろうかとか、工事はいつまでかかるのだろうかという思いで、一日千秋の思いで待っている方々がたくさんいるわけです。そういう方々に対して、その道路はいつまでに完成して供用できますということを従来は示すことにより、この暫定税率というものにご理解をいただいて、そして払っていただいていたという経緯があります。私は、今回いろいろな見直しが行われるわけですけれども、その過程においても根本的な仕組みというものが崩れることはないと。今これほど反対をしている方々はその仕組みが崩れるのではないかと危惧しているのではと思います。ですからそこがはっきりすれば、ご理解がいただけると思っています。そのことを私は縷々申し上げているわけであります。
 
(問) 今のところに関連して、受益と負担のバランスが大事だというお話がありましたけれども、それはいわゆる揮発油税も含めて税率を維持しながら一般財源化するということは、道路整備の費用というものが担保されるような形でないといけないという理解でよろしのでしょうか。
(答) 担保と言われると。それはこれからの話ですから。ただ、そういうことが明らかにならないと、また明らかにするということが納税者の理解につながるのであり、ご存知のとおり、骨太の方針、あるいは行革推進法にしても、また総理の所信表明にしても、納税者の理解を得つつということが皆入ってるわけです。ではそれが具体的に何なのかということについては、今から議論される問題ではないかと。私の考え方はその問題については、今申し上げたとおりで、これだけ負担してくださいと申し上げているわけですから、それと受益とのバランスがとれていれば納税者も今までも払っていただいたし、これからも払っていただけるのではないかというように思っています。これからそういう枠組みの中で、どういうことをすればご納得いただけるかということが、具体的な方策の内容になるのではというように思います。
 
(問) それから見直しの実行の時期については、来年度ちょうど五ヶ年計画が切れますから、20年度以降どうするのかということが来年度以降始まるかと思いますけれども、本当に必要な道路整備は何なのかという議論が現状ではそんなに深まっているとは思えないのですが、やはりそういう時に合わせて、そういうところも含めてしっかり20年度以降のことをもうちょっと議論した方がいいのではないかという気がするのですが、その辺、見直しの時期に絡めて大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答) 先程も申し上げたように、15年に閣議決定をしましてね、5年間の事業量について38兆円というものを目標値として閣議で決定していただいているわけです。国家意思ですね。これは来年度いっぱいあるわけですから、それ以降どうするのかという問題と、来年の予算編成をどうするのかという問題とがあると思います。仰るように、もっと真に必要な道路はなんであるかとかそういった議論は、抽象的にはできませんが、現在、仕掛品というものがあるわけです。今工事中とかあるわけでそれは完成しなければいけない。それがどれだけあるかということは詳細に我々は資料があります。道路整備の5ヶ年計画とか10ヶ年計画というものを、中期計画を持っているわけでして、それも考えていかなければいけないですね。メンテナンスも大事ですしね。
 
(問) やはりそういうことを考えると、20年度以降も考えなくてはいけないことでしょうか。
(答) 暫定税率は、本則を変更したわけではなく、あくまで暫定ですので、その暫定を維持することについて国民のご理解を賜るためには、これはこうだということがいるのではないでしょうか。
 
(問) 確認ですけれども、20年度以降のお話を今されたかと思いますが、その前の今年度末に向けた揮発油税を組み込んだような改正は大臣の本題としてはすべきではないとお考えでしょうか。
(答) それは今からの議論ですから、私が今ここでコメントすることは・・・。今私が縷々述べてきたところの文脈で考えていただいたらおわかりだろうと思います。
 
(問) 現行の5ヵ年計画を優先でしょうか。
(答) まだ、終わっていませんから。国民との約束ですので。それは誰かが言ったと言うわけではなく、閣議で事業量を決定してるわけですので。
 
(問) 都市再生機構の八王子マンションの問題で、先日注意されて、住民に対してもきちんと誠実にやるようにと仰ったと思いますが、実際に解決が進んでいない実態もご存知だと思いますが、今度どのように望んでいくか改めて教えて下さい。
(答) 誠心誠意やりなさいということを強く申し上げたわけです。今までの処理というのは私が見てもおかしいと、住民の方にご不満のないように誠心誠意やってくださいと、1日も早く解決して欲しいということをお願いしまして、それをお受けいただいたと思います。やっていただけるものと思います。
 
(問) どこかで報告と言いますか、成果を大臣として求める考えはありますか。
(答) もう少し様子を見させて下さい。
 
(問) 中国のことについてお聞かせ下さい。今年恐らく最後の中国への出張になるかと思いますが、安倍総理になられてだいぶ日中関係も好転の兆しが見える中で、冬柴大臣になられてからとも言えるのですが、今回は観光が中心のようですが、また改めて帰ってきてからもお伺いしたいのですが、今回行かれて観光、鉄道、航空といろいろ話し合われるようですけれども、今回大臣として一番力を入れて一番訴えていきたい点はどんな点なのかということと、あと、来年はまたいろいろと懸案も話し合わなければいけないと思うのですが、1年間の総括と来年こういうように中国とは国交省として目標を立てていきたいといったことを総括して伺えないでしょうか。
(答) 先程の冒頭説明の中で申し上げましたように、総理が胡錦涛国家主席との間で来年は往復ですけれども交流人口を500万人台に乗せようというような合意をされましたが、実際これは大変な話なのです。ですからこれを何としても実現して、2010年の1,000万人、これは全世界から来ていただく方ですけれど、それをするにしても一番大きいのはどう考えてもやはり中国ですよね。そういう意味で、どうしたらいいかということで、今年も頑張ってきたわけです。それで特に10月は中国から来ていただく方が随分伸びました。やはり総理が向こうに行かれたというのは、適時適切だったと思います。それを具体的に私どもも増やすためにはどういうようにやったらいいか。来年は国交正常化35周年でもあります。そういうことを成功させるためにも、我々は日中政府の間で日中文化・スポーツ交流年ということにしようということも合意しているわけで、その具体的な内容について、日本の方の考え方も示し、向こうの考え方も引き出すというようなことで、いろいろ話し合いたいというのが主なものです。その他、国土交通政策全般について、先方の要人とそれぞれ話し合いをしたいというように考えているところです。
 
(問) 前技監の清治さんが来春の札幌市長選への出馬を正式に表明されましたけれども、技監まで務められた方が政令指定都市の首長選に出るというのはかなり珍しいかなとは思うのですけれども、ご所感がありましたらお願いします。
(答) そういう見方もあるのでしょうけれども、札幌市というのはやはり政令市の中でも非常に大きな人口180万人という都市でもあり、550万道民の中の本当に中心的な市でありますし、道州制特区とか話題になっているときに、我が国土交通省の大幹部であった人が決断をされたということは、私はそれは歓迎すべきことではないかと思います。
 
(問) 清治さんに対して具体的なアドバイスなどは。
(答) 私としては、財界とか、あるいは特に自民党が非常に一生懸命やられたので、そこが一致して推すという体制を早く固められるべきであろうというように思います。以前そうでなかった事例もありまして、ですからそういうようなことにならないように、きちんと団結して一致して推すという体制をお作りになることが必要であろうと思います。

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