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  冬柴大臣会見要旨(平成18年12月19日)
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平成18年12月19日(火)
9:46〜10:03
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が2件、国会提出案件が18件、法律公布の決定が6件、政令の決定が6件と人事案件です。当省の関係では、国会提出案件が1件ありまして、「広島平和記念都市建設事業進捗状況報告書等14件について」の決定がありました。これは法律の規定に基づいて、毎年1回、国会に対して広島の平和記念都市建設事業等の状況を報告するものです。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 羽田空港の再拡張で、公有水面の埋立承認申請について都知事と千葉県知事が承認したわけですけれども、これについての大臣のご所感を教えてください。
(答) 羽田4次について、本年6月1日付けで東京都知事及び千葉県知事に対して、公有水面埋立法に基づく承認の申請をしていました。1日も早く承認をいただきたいと請い願っていたわけですが、昨日両知事から承認を頂戴しました。大変、喜ばしいということです。
 
(問) ミサワホームホールディングスの連結子会社のミサワホーム九州が粉飾決算をしていたということで、記者会見をしました。同社は建設業者として国土交通大臣の許可を得ているわけですけれども、これについて所管の大臣として、ご所感を伺いたいのですが。
(答) ミサワホーム九州という会社は、今仰ったように建設業法に基づく大臣許可の業者です。そういう意味で、この業者は建設業法に基づきまして、毎年1回決算期の後4カ月以内に、貸借対照表、損益計算書等のいわゆる財務諸表を国土交通大臣宛に提出をすることが義務付けられています。その財務諸表の中の数字に粉飾、いわゆる虚偽の記載があったということで、本人もそれを認める発言をされています。もちろん、こちらへ来ていただきまして、詳細にお尋ねをすることになると思いますけれども、建設業法に基づく処分が行われるべき事案であるというように考えています。なお、ミサワホールディングスという会社の名前を挙げられましたけれども、これは持ち株会社でして、建設業法による業者ではありませんので、それに対する連結決算が問題になる部分があろうかと思いますけれども、当省関係では問題にならないと思います。ただし、そのホールディングスが過半を持っているミサワホーム云々というところが九州以外にもたくさんありますので、建設業法に基づいて届出している部分については、我々としては注意深く見守ることになります。いずれにせよ、届出の書類の中に虚偽の記載がされているということについては、甚だ遺憾であるという感想を持っています。
 
(問) 建設業者の経営事項審査の虚偽記載というのは、昨年の耐震偽装事件でも木村建設が問題になりましたし、また談合事件等でも裏金であるとか脱税であるとかいったことが指摘されています。今後の経営事項審査のあり方について、何かお考えがありましたら伺いたいのですが。
(答) これはしてはいけないということが明確に法律で規定され、しかもそういうことが行われた場合には事後規制として、今申し上げましたように建設業法による処分を受けますと。更に、一般論としては、発注者側の立場から、指名停止措置が課せられるであろうと。これはまた別の問題ですけれども。このような厳しい事後規制があるわけです。したがいまして、これはやはり法律は守らなければならないという基礎的な問題ですので、これを事前規制するということはあり得ないと思います。ただ、我々として、こういう事案について厳しく対処をすることにより、そういうものについては法を遵守しなければならないということが、私どもの監督する業界一般に周知されることを期待するものです。
 
(問) 羽田の4本目の滑走路の関係で、年内の着工を断念されたことに対する大臣としてのご所感、及び来年の早い時期を目指すということですが、大臣のお考えとして、その時期は具体的にいつ頃を念頭に置いているのか。この2点についてお伺いします。
(答) 法律的な意味におきましては、昨日承認を頂戴いたしましたので、着工できるわけですけれども、堂本知事からもお話しがありましたように、また、私どもの考えといたしましても、漁業者に対する補償について、今一生懸命交渉しているわけです。堂本知事からも、その点について配慮を強く求められた経緯もありますが、そういうことがなくても、私どもも自主的に関係漁業者の理解を頂戴するということがやはり必要であるということは一貫しているわけです。承認を頂いた今日からは、また一段と最大の努力を重ねてご理解を頂くようにがんばりたいというように思っているところです。しかしながら、ご同意を得ていない交渉中のところが22あり、年内は時間がありません。したがいまして、我々は年内に本格工事に入るということはできないということを認めざるを得ないです。しかしながら、本格工事には入らないけれども、できることについては一生懸命やらせていただきたいというように思っています。堂本知事や補償交渉中の方の意に反してということではなく、その方々の同意を頂ける範囲でできることは全部やらせていただきたいという気持ちでいます。いつから本格工事に入るのだという見込みをお尋ねですけれども、今後の進捗状況を注意深く見ながら、皆様方が納得していただけるときに本格工事に入るのだろうというように思いまして、時期がいつになるのかということは、今申し上げる用意はありませんけれども、国土交通省としては、後ろが閣議決定で決まっているわけです。したがいまして、ただでさえタイトになっている日程でありますので、一日も早く本格工事に入れるような条件を整えてまいりたい、そのために、一段と誠心誠意、誠意が酌んでいただけれるような交渉を重ねていきたいというように思っています。
 
(問) 先日、自民党の整備新幹線等鉄道調査会の合同会議が開かれまして、津島会長の方から来年にもスキームの見直しですとか、財源問題について検討をするという発言がありました。また、その中で、財源の問題というのはいろいろ問題があるという発言や、道路特定財源を財源にしたらどうかという趣旨の発言があったのですけれど、大臣はこういう発言に対してどのような感想、印象を持っていますでしょうか。
(答) その言った方の真意やそう言われたかどうかも知らないのですけれども、道路特定財源を整備新幹線の財源にするということは、どうなのでしょう。もしそういうことであれば、仮定ですが、暫定税率を乗せた税率で税金を払っている人のお気持ちを忖度するに、少し離れすぎではないかという感じはします。また、津島会長のお話ですが、新聞報道では承知をしていますが、私自身は新幹線が所要の所まで延伸されることについては、歓迎です。けれども相当巨額の財源が必要ですので、その点について、国民が納得いただけるような財源手当ができないとそこへ踏み込んだ発言は私の立場としてはできにくいということです。他のいろいろなB/C等を考えたときに、そこまで延伸した方が良いとかその様なことは技術的には出ると思うのですが、良いからすぐにやれるという問題とはまた別問題で、兆円規模の財源手当ですので、与党と良く話し合って、その結論が国民に説明しご納得いただけるようなものであれば、私としてはそれはもちろん歓迎しますけれども、今はまだ全く白紙の状態です。現実に執行している工事については誠心誠意できるだけ早く完成して、供用開始にもっていきたいという思いで一杯です。それから先のことは、私はまだそれができてからと言うことだと、できるまででも財源手当ができればいいのですが、そういう状況です。
 
(問) 羽田の関連でもう一点よろしいでしょうか。今、一段と誠心誠意交渉を重ねてまいりたいというご発言がありましたが、工期なり供用開始の時期等との折り合いの問題で全漁業者の同意を前提として、本格着工と考えるか、それともそこにある程度の判断の余地をもって臨むのか、そこについての大臣の現段階でのお考えを伺えますでしょうか。
(答) 現段階では、努力するということ以外はありません。それはもうあなた自身の判断でわかるのではないでしょうか。はがき一枚の土地であっても反対する人がいればできないのか。それはやはり全体的な観点に立てば、法律的には知事の承認があればできるわけで、障害はないのです。しかし、私どもはそういう考えはとらないといって、今一生懸命やっているわけです。その結果、あなたが仰るように全部がご納得されるまで何もできないのですかと言われれば、仮にいつまでたってもできないということになってきたら、皆さん方が逆に批判されるのではないでしょうか。私は多くの国民の皆様の良識ある判断というものが、その時期を決めるのであろうというように思います。私どもは最後の一人まで納得いただけるように誠心誠意努力は重ねていきますけれども、しかしながら、仮定としてそういう事がいくらたっても成就しないという場合だってあるのです。その場合にどうするのかと聞かれても、これは皆様とともに国民のご判断に委ねて、もうそこまでしたらいいのではないかという線があるのではないでしょうか。私どもは今はそのようなことは考えていません。最後の最後までご納得いただくようにご理解を得るべく一生懸命やりますということ以外はないわけでありまして、ですからそれ以上の仮定の話はご勘弁いただきたいと思います。誠心誠意一生懸命やります。
 

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