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  臨時冬柴大臣会見要旨(平成18年12月22日)
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平成18年12月22日(金)
16:53〜17:15
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  復活折衝については、周知のとおりだと思いますが、2点について復活を求めました。いずれも認めていただきまして、満額回答ということになりまして、本当に心から喜んでいます。1つは、海上保安庁の巡視船でして、350トン型の巡視船3隻、180トン型巡視船2隻というものを復活してもらいたいと。金額にすると38億円、これは初年度の負担分ですが、これについて復活をしてほしいと。その用途は、国際的なテロの取締りなど新しい業務課題があるわけですけれども、そういうものについては東京湾や大阪湾の湾口で常時遊弋をして、そして、テロや不審な船舶を水際で取り締まるというような業務が必要なわけでして、そのためには、その程度の大きな規模の巡視船が必要であるということを申し上げたのです。当初、なかなか理解していただけなかったようですが、復活折衝の結果、認めますと。ただし、購入に当たっては入札等のことで、適正な価格で取得するようにというご意見も賜りまして、そのようにさせていただきますということで、満額の回答を頂戴したということになります。それからもう1つの方は、中心市街地活性化やそれに基づいたコンパクトシティをつくろうということで、歩いて暮らせるまちづくりにしようということがあるわけですが、そういう市街地の中心に子育て世代のお母さま方に活動していただけれるようなセンターをつくってほしいという意見が地方からたくさん出されているわけです。今、まちづくり交付金というものを頂いているわけですけれども、その中からその目的に支出するということは今のところ許されていないわけです。したがいまして、そういうものに対しても支援ができるように使途の拡充をお願いしたいというのが2つ目でした。これについても財務大臣の方から、深刻な少子社会の到来というものに対して遺漏のないのようなまちづくりをしてもらいたいということで認めていただきました。


質疑応答

 
(問) これで2007年度予算が固まったわけですけれども、全体に対する大臣の評価と来年度の予算編成で苦労された点等ありましたら、お話しいただけますでしょうか。
(答) 私ども国土交通省としては、「美しい国日本」というものを形成する使命を持った役所だと思っています。国土交通行政の4つの課題というように整理しているわけですけれども、1つは、「国民の安全・安心の確保」ということが第一です。これはいろいろと言ってきましたので内容は申しませんけれども、これが第一だと思います。2番目には、「国際競争力の強化」というものです。激しさを増している国際競争の中で、経済の成長戦略が描けるような国家をつくっていかなくてはならないというのが2つ目です。それから3つ目は、「地域の活性、都市の再生の推進」ということが必要だろうと思います。4つ目は、「快適で暮らしやすい国民生活の確立」ということが大事だろうと。そのような観点で予算の要求をしてきたわけですが、概ね我々が満足できる程度のものを認めていただきました。残されたのは先程の2点だけでした。昨日の復活に関する事務レベルの折衝でも、なかなかご理解いただけなくて、今日大臣折衝というところになったわけですが、認めていただいたということで、国土交通省としては、これをもとに、公共事業費というものが厳しく抑制されている中で、真に必要な社会資本整備が何なのかということで、重点化、効率化を極限まで進めて、必要なものは果敢に進めていくということで対処したいと思っているわけです。知恵を絞らなければならないと思っております。海上保安庁については、業務課題が増大しているわけです。四面環海の国ですから。北朝鮮籍の船舶の全面的入港禁止ということもやっているわけですが、それをきちんと洋上監視、また取り締まる仕事も海上保安庁がやっているわけですし、また、尖閣列島の魚釣島のように、中国の一部の人が領有を主張して、不法に侵入しようというようなことを試みた時も、海上保安庁は20隻の船艇を各管区から集めて、それを見事に守ったというような作業もやっているわけですし。外国船舶に対する立入検査は昨年1万1千隻を数えます。日本の船舶は2万隻、合計3万隻を超える、毎日100隻以上の船に立入りをして、中の荷物を検査したりしているという活動があるわけです。その上に、先程言ったように、テロ対策として湾口に遊弋をしなければならないということも出てきているわけです。ご案内の通り、北方領土周辺でも漁船が狙撃をされて、1人亡くなるという事件も起こりまして、まだ3隻が拿捕され抑留されている。竹島周辺でも、我が方が漁業法違反で拿捕したということもありました。海の周りの仕事ですから、本当に国の安全、主権を守るためにも大切な作業ですけれども、残念ながら持っている船とか航空機は、だいたい昭和50年代に建造されたものがほとんどで、不審船に逃げられたときには、向こうは40ノット、70キロくらいで逃げたわけですが、全然追いかけられず、こうした能力についても劣るところがありますので、早急に老朽化した船について入れ替えないといけないということです。今回、大変理解を示していただきまして、新規の巡視船艇、航空機について、18年度補正で47億円、19年度予算で56億円、そして今度の38億を合わせれば141億円くらいになりますか、そういうものを認めていただきました。古くなっている巡視船艇、航空機を入れ替える作業に入れるということでして、海上保安庁を挙げてまた頑張っていこうと思っています。また、竜巻被害の関係で、気象庁も18年度補正でドップラーレーダーを入れていただくということで5つ認めていただき、来年度予算は2つ、従来から予定されているものが4つということで、ほぼ日本全土を覆うことができるようにドップラーレーダーを配備することができるようになりました。また北朝鮮の核実験を察知するのについて、もう少し地上のノイズが入らないように、もっと深いところに観測機器を置いてP波、S波というものを正確に捉えようということで、これについても松代の観測所の機器について、改良を加えようということの予算を認めていただきました。そういうことで諸処に問題はありますがやりましたし、問題が1番大きかったのは道路特定財源ですが、20年度以降の話ですが、あのような形で納税者によく説明をし、理解を得つつ具体策を立てるということについてほぼ満足を得ることができたのではないかと思います。公共事業費ですけれども、記事の中に3.5パーセント削ったというように書かれていますが、国土交通省ではそのようなことはしていません。国土交通省の予算では、前年度比3パーセントの削減ということに協力をしたわけでして、3.5パーセントを削るということはしておりませんので、それは公共事業費全体で、他省庁、例えば農林水産省などが持っていたものを削って非公共の方へ付け替えたり、いろいろしているところがありまして、そういうものを公共事業費として全部集約すると3.5パーセントに近い数字になります。そういうことが書かれていますけれども、国土交通省の公共事業予算については、見ていただければ分かりますけれども、対前年度比は3パーセント以上は削っていませんのでご了解いただきたいと思います。その他、19年度の予算の中における道路整備費というものは、納税者に納得をいただけるような金額、仕組みになっているということは朝に申し上げたとおりであります。そういうことで総括すれば、私にとっては初めての予算でありますけれども、復活も含めて満足すべきものであったと。あとは我々が英知を絞って、限られた財源を真に必要な社会資本整備に投入をして、さっき申し上げたように、「美しい国日本」の建設のために頑張っていかなければならないというように思っています。
 
(問) 予算全体の話で、高速道路の社会実験が拡大されて認められていると思いますけれども、この間の道路特定財源の決着の時に20年度以降の話でですね、道路特定財源の使い道で高速道路料金の引き下げというのが話に出ていたかと思いますが、20年度以降については、今やられている社会実験の枠組みの拡張とか、拡大という中で考えていかれるのが適当だと思われるか、それとも別のスキームを考えるのが適当だと考えるか、現時点でのお考えをお聞かせ下さい。
(答) それは、これから独立法人である各高速道路会社とよく調整をしながら進めていかなければならないということだと思っております。今どのようにしていくのかということは一律には述べられませんけれども、例えば高速道路があり、新直轄の部分など料金のないフリーで走れる道路があり、また料金制度の違う有料道路もある中で、通行料金というものが走行距離にしたがって算出できるような方法が取れればいいと思うのです。この他にもいろいろなことがあるだろうと思いますのでよく話し合って、向こうは独立した営利法人ですから、その辺との兼ね合いをどのようにしていったらよいのか、また地方はどのように負担されるのかということもあるでしょうし、話し合いだと思いますので、これから検討していくものと思います。
 
(問) 長崎新幹線なのですけれども、2年連続で着工できない可能性がある中で3年目の10億円の計上が認められましたけれども、その辺についての評価をお願いします。
(答) 大変評価しています。16年だったと思いますが、年末の政府与党の合意に基づきまして処理をしているわけで、佐賀県の鹿島市と江北町の反対があって調整ができないという状態が続いていますけれども、我々としては、その地元のご了解が得られればいつでも着工するという体制を整えているというのが、その合意に従った処理だろうと思います。財務省からは本当にどうするのかという意見もありますけれども、しかし我が方には佐賀県も長崎県も再三にわたってお見えになりまして、一生懸命調整しているから何とかもう少し待ってほしいと。我々の方も一日千秋の思いで待っており、是非前年と同額を確保してほしいという切なる願いがありまして、財務当局にそれを認めていただいたということです。
 
(問) 今の新幹線の関係で、自民党の鉄道調査会の方で津島会長から、16年の12月に申し合わせをやったけれども来年に財源の見直しをやっていきたいという発言がありましてけれど、見直しについて、大臣のお考えがあればお願いします。
(答) 巨額ですよね。2兆円はかかるのです。函館から札幌まで延ばしたら、北海道新幹線だけで1兆800億円です。その他に、北陸新幹線の延伸も敦賀なのか新大阪なのかあるいは武生なのか、そのようなことをどのようにしたら良いのか。今からやろうという部分については非常に巨額なものがありますので、まず与党の議員でどのようなことができるのかをよく協議していただきたいと思うのです。そうでないと我々の方は、企画立案はできるけれども、お金は大変な問題ですので、与党の会議に加わって一緒に検討すると言われるのだったら、これはやぶさかでありませんけれども、我々から言い出せるような金額ではないものですから。ただ、そういうものは話がつけば、直ちに入れるように、例えば延長する駅部の調査も非公共でやっていますから、長いトンネルがあるということであれば地質調査もしなくてはいけませんし、そういうことは今後やっていきますけれども、本当にそれに着工するということになりますと、財源の手当がなければ、これはなかなか難しいと思います。大変、次元の高い話をしなければならないのだろうと思います。国土交通省としては、16年12月の政府与党の合意を何としても守って、そして供用開始も約束していますので、これをまず完成するということに注力する以外に無いのだろうというように思います。そういう考えの下に、今回も最後の最後までこの限られた財源をどの線にいくら配分するかということも協議してきたわけでして、青森新幹線とか、あるいは九州新幹線の全通というのは、もう日にちも比較的近いところで決まっているわけです。したがいまして、最終の工事が順調に進展して、そして予定通り供用開始できるようにするということが今一番大事で、それで頭が一杯だということです。北海道新幹線も27年と少し先だけど、これを完成させるということで一杯です。
 

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