国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年1月5日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年1月5日)
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平成19年1月5日(金)
10:45〜11:03
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  皆さん、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。本日の閣議は、人事案件のみでありました。当省に関係するもので特にご報告するものはありません。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 年頭の会見ということで、今年の大臣の抱負をですね、幅広い行政の所管のためいろいろおありだと思うのですが、大臣のこれはと思うものを二つ三つ挙げていただければと思います。
(答) いつも言っていることでありますが、国土交通省は子供達が自信と誇りを持てるような「美しい国、日本」というものを創っていくということが使命であるというように考えています。もう少し具体的に言えば、安全と安心の確保ということで、災害に強い国づくりをしなくてはいけませんし、また、公共交通機関が事故を起こすというようなことがないようにしなければなりません。また、姉歯の事件のように我々が本来くつろぐ場である家屋というものについて安全ということが欠けるようではなりませんので、我々が総力を上げて安全・安心というものに取り組んでいかなければならないというように思っています。また、国際競争力を強化するということは、この少子高齢社会、そして本格的な人口減少社会を迎えた日本にとって、日本の国だけで、四面環海の国の中だけでいろいろなことを考えても人口が減るということが止められないということになれば、どうしても経済等も縮小するわけですが、これを少し間口を拡げて、今驚異的な発展を遂げている中国、韓国というところと連携を深めることによって、日本のそのような面は解決できると思うのです。そのような時に海を越えて物や人は来るわけですから、港湾や空港を整備をし、それと消費拠点や生産拠点、観光拠点というものを結ぶネットワーク、道路網を整備するということが大事だと思います。そのようなことをやっていきたい。もちろんその中に人の流れということで観光立国ですね、担当大臣でありますので、その面にも力を入れていきたい。昨年は中国に行ってきましたけれども、なるべく早い時期に去年2百万人目のお客様を迎えた最大のお得意先である韓国へも行って、この観光立国というものをですね、ビジットジャパンキャンペーンをしているわけですが、2010年になんとしても1千万人の外国の方に来ていただくことを達成するために、今年も着実な努力を重ねていきたいと考えているところです。また、入札に絡むいろいろな不愉快な問題、あるいは低価格入札という問題がありますが、私ども発注官庁といたしまして、このような問題について改革を進め、非難されることのないような、公正、公平な入札が行われるような環境整備を進めていきたい。バリアフリーも随分進んでおりますが、公共交通だけでなくもっと広げて、皆が使う場所について誰でもが安心して出入りできるようなものを構築していきたいとも思っております。まだまだありますけれども、年頭に当たって私が考えている中でも、大きいものはそのようなものかと思います。
 
(問) 昨年12月の道路財源の閣議決定で、高速道路料金の引き下げというのが盛込まれました。最近の一部報道で、高速道路料金を引き下げるために、日本高速道路保有・債務返済機構の債務の返済に道路財源を充てるというようなスキームの報道もありました。高速道路料金の引き下げに当たって、どういう仕組み、規模でやるのが適当か、大臣の現時点でのお考えをお聞かせください。
(答) 高速道路は、料金体系が違ったり、途中で無料の所があったりするので、使い勝手をもっと良くして、料金も公平なものにしなければならないという、国民の強いニーズがあります。また、料金自体が外国と比べて高いという問題もあります。また、インターチェンジ間が平均10キロもあって、それをもう少し使い勝手がいいようにできないのかというような、高速道路を巡るいろいろな国民のニーズがありました。道路財源について12月8日に閣議決定されましたが、その時に私は強くそのことを申し上げました。有料道路については、高速道路会社という民間にやっていただきまして、民間が自らの計算において、今後道路を作ったり、頂いた通行料金をもって、日本高速道路保有・債務返済機構という所に45年間に40兆円という莫大なお金を着実に返していかなければならない訳ですので、その独立した法人に対して、国の政策であるからとはいえ一方的に安くしてくれとか、道路料金をもっと合理的に均すようにしなさいとかは、ご存知のとおりもう言えない関係です。しかしその様な国民のニーズを無視するわけにはいきませんので、我々としましては、政策的にそういったものを実現しようということで財務省と協議を致しまして、閣議決定をいただいたわけです。独立した道路会社に対してお願いをするからには、そうすることによって債務返済が順調にいかないようになっては困りますので、きちっと裏付けをするという形を閣議で決定していただいたということです。言われたようにどの程度の規模でどのような仕組みかということについては今後、各省、国交省の内部もそうですが、財務省とも良く話し合いをしまして、国民の意見も聴きながら早急に検討を重ねていきたい。その結果を踏まえ立法をお願いしなければいけないと思っています。
 
(問) 今朝の朝刊で、前国土交通事務次官の佐藤さんが自民党公認候補として出馬されるに当たり橋梁業界に政治資金パーティー券の購入を依頼していたという報道が出ました。官民もたれ合いの構図が明らかになったという指摘も報道の中でなされてますけれども、このことについて、大臣としてあるいは一政治家としてのご所見を伺いたいのですが。
(答) 公職選挙法等で公務員が特定の候補者を推薦したり、あるいは支持したり、または援助を要請したりすることについては制限の規定がありますが、佐藤前次官はもうお辞めになっているわけです。したがいまして、そういうことが適当かどうかということについては、違法という問題がない以上、本人がどう考えられるのか、本人のご意向によるべきであろうと、私はそのように考えます。ただ、その新聞記事を私も読ませていただきましたけれども、後援会の方が幅広く佐藤さんの人柄をよく知っている方に支援を呼びかけたと。それについて、快く応じた方もあるし、応じない方もあるのでしょうけれども、呼びかけたということが書かれていますし、佐藤さんとしては、国民からいろいろなことを疑われないように今後は注意深くやるけれども、しかし後援会の方としては、そういうご意志でやられたのであろうという話です。したがいまして、違法ということになれば、私どもはそれに対する判断を明確に示すべきですけれども、私の判断では違法ではないと思っています。法律違反ではないということになりますと、それは佐藤さんのこれからの判断、そして、それに対し国民がどう判断されるかという次元の問題であろうと私は思っています。
 
(問) 昨年、無作為に抽出した389棟のマンションに対する耐震調査で、15件の疑義物件というのが出てきましたけれども、これについて大臣はどのように受けとめていらっしゃるか、あと国交省としてどういうように対策というか、何か対応していくべきなのか、大臣のご所見を伺わせてください。
(答) もちろん、引き続きこれはきちんと調査を遂げて、それについての判断をしなければいけませんし、先程の年頭の抱負でも申し上げましたように、自分の住居というものは生涯最大の投資でもありましょうし、そしてまた一番長く家族とともに過ごすところであり、子育てをする場所であり、くつろぐ場所であり、そういうものが不安な状況というのは許されないと私は思います。したがいまして、これから建てるものについては、今までも建築基準法、建築士法等の改正も通じて、そのようなことが起こらないように手を打ち、そのようなことは起こらないと思いますが、今までの件についても、姉歯の事件を契機にして無作為抽出で選んだサンプルについての検査等を重ねてきたわけですが、それについて問題があるとするならば、これについてどのような点が問題で、それがどの程度の問題なのか、そのようなことを究めなくてはなりませんし、それに対する手は打たなければならないと思っています。
   
(問) 今年は統一地方選、そして夏に参院選という大きな選挙を控えていますけれども、参院選に関して昨日、安倍総理が憲法改正を参院選で訴えていきたいと事実上争点化する意向を表明されたわけですが、これに関して是非も含めて大臣のご見解をお願いします。
(答) それは安倍総理の一つの所信でして、安倍内閣でそのように進めたいと仰っているわけで、もともと自由民主党は、立党のときから自主憲法制定ということを党是としてこられた政党ですから、それは選挙の毎にその是非を国民に問うということは、非常に大事な視点だと思います。改正がどうなのかと言われますと、憲法第96条に規定された国民投票をどのように行うのか、何歳以上の人が行うのか、その記入はどうするのかなどの議論がありますし、我が党では全部を改正するというのは、ほとんど難しいのではないかというようなことも提案していますし、まだまだ乗り越えなければならない山は沢山あると思います。しかし私も、この憲法は不磨の大典であって一字一句変えてはならないとか、そのようなことは思っていませんし、公明党もそのように言っていないわけでして、改正をどのような手順で何時行うか、どのような方向に持っていくのかということは、政治家にとっては常に自分の一つの目標として掲げるテーマだと思います。したがいまして、総理が夏の参院選にそれをテーマにして、自分の考えというものを国民に訴えるんだということを仰るということは、政治家として、憲法という問題ですから、それを避けずにきちんと言われたということは、それはそれで私としては良いのではないかと思っています。言わなくても良いけれど言ったということですから、言われたことはきちんとその方に向かって、例えば96条の国民投票法をいろいろと与野党で相当煮詰めてやっていますが、一段飛躍させて法案として提案するとかというようなことも視野に入れないと、射程に入れないと、憲法改正を論議するという意味でもできないわけですから、そのようなところから着実に進んでいったら良いと私は思っています。
 

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