国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年1月19日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年1月19日)
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平成19年1月19日(金)
10:30〜10:50
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は一般案件が2件、国会提出案件が1件、政令の決定が3件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告するものはありません。
 ただ、私の方から1点ご報告がございます。先程、閣議終了後に、第4回目の観光立国関係閣僚会議が開催されました。会議では、総理から「観光は地域の活性化に貢献し、私の内閣が目指している『美しい国づくり』を進める上で非常に重要である」、「海外への発信をさらに強力に進めるとともに、国内においても、空港から街なかまで、美しく快適な空間を整備していく必要がある」旨のご挨拶を頂戴いたしました。また各閣僚に対し、「『美しい国、日本』の実現に向け、観光立国を推進する施策にこれまで以上に邁進されたい」とのご指示もありました。私からは、本年1月1日に「観光立国推進基本法」が施行され、この法律に基づく「観光立国推進基本計画」をこれから政府として作成していく必要がありますので、関係閣僚に対し、特段のご協力を要請しました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 水門工事を巡る官製談合で報道が相次いでおりまして、昨日の官房長官会見でも国交省としても徹底的に調査するように求めたいという発言があったと聞いております。事態解明と信頼回復に向けた取組みについて大臣の決意を改めてお伺いしたいのですが。
(答) 入札談合等の不正行為は絶対にあってはならないことであります。とりわけ官製談合はあってはならないということは言うまでもありません。このため、かねてから談合等の不正行為の排除の徹底を図るべく、入札契約制度の改革や職員、関係業界への指導を行ってきたことは周知のとおりであります。一昨年の7月に入札談合再発防止対策をとりまとめて、入札談合の防止に現在も努めているところであります。ところが水門設備工事について、公正取引委員会の調査がありまして、我々にも協力を求められたので、できる限りの協力はしてまいりました。例えば、水門設備工事の内容、入札・契約に係る手続きの流れ、入札結果等の関係情報等すべてを提供してまいりました。今回報道された公正取引委員会の調査状況については、まだ承知はしていませんが、調査の進展を見守りたいところであります。事実とすれば誠に遺憾であると申し上げなければならないわけであります。国交省としましては、水門談合の事案について実名報道がされたことから、公正取引委員会の調査結果を待つだけではなく、自らできる限りのことを行うこととし、入札談合防止対策検討委員会を立ち上げ、外部の第三者の参画もいただきまして、公正・厳正性、中立性を確保しながら、事実関係の調査、今後の入札談合防止対策の検討を行っていこうとしているところです。この内容につきましては、先の会見でも申し上げたとおり、1月9日に私から、外部の第三者の参画のもとに調査・検討を行う事務次官ヘッドの委員会を設置するよう事務方に指示し、11日に委員会が設置されました。そして、外部委員の日程調整を受け、17日に第1回の委員会が開催されました。このチームによる精力的な調査と今後の対策の検討に、省を挙げて取り組んでいきたいというような決意でいます。
   
(問) 今仰った委員会なのですけれども、調査結果をまとめる目途みたいなものか何か、お考えがあればお願いします。
(答) なるべく早くということですが、公正取引委員会の調査とも並行しますし、私どもの第三者委員会のメンバー等を見ていただいたら分かりますが、国民にご納得いただける方々だと思います。こういう方々の意見をお聞きしながら、早急に進めていきたいということです。ただ、我々には捜査権などはありませんから限界もあるのですけれども、実名報道された人たちについては、元とはいえ、我が省におられた方でもありますので、強制力はありませんが、できる限りの努力を尽くして真相究明し、その過程で、現職の人などの名前等が上がってくれば、この人たちについては懲戒権等を持っているわけですから、できるだけ真相に迫っていきたいと思っています。いつの時期にどうするというのは、もう少し見ていただきたいなというように思います。
 
(問) また談合の関係なのですけれども、防衛施設庁の官製談合などの他の官製談合を見ても、天下りというのが背景にあるのではないのかということが言われています。今朝の各紙新聞の社説を見ても、公共事業の受注業者に対する天下りを全面的に規制するべきではないのかという意見がありましたけれども、これについていかがでしょうか。
(答) 橋梁談合のときにもそのような意見もあり、我が方としましてもそのような方向に向けての取組みをしたところです。今仰った貴重なご意見もありますので、今後の流れもどのようにしていけば良いか考えていきたいと思います。前から言ってることですけれども、退職した公務員、しかも60歳はまだまだ働き盛りとされる中、勧奨退職等により55歳とか50歳半ばで退職された後、長い老後を生きていかなければならないわけです。また、省庁というのはシンクタンクのような役割を持っており、その様な中で得られた知見や知識・経験を社会の為に活かしていっていただきたいと私は本質的に思っています。しかし、権限や予算を持っているわけで、特に国土交通省は公共事業の約7割、8割を担当していることも考えますと、そういう権限・予算を背景とした、また、そういうものを天下って利用しようとするようなことは厳に慎まなければいけないと私は思います。しかし、国家公務員も退職後生きていかなければならないですから、その点について、私はこの立場にあって言いにくいですけれども、是非バランスを取ってそういう面も考えなければいけないのではないかと思っています。再就職に関しましては、国家公務員法や人事院規則に定められたところでチェックをしてきたわけですけれども、その期限が切れた後など、それを超えて就職される方はあるわけで、そういった人達は省庁としてもなかなかチェックは難しいわけです。新聞報道で言われているような多人数が特定の企業に行っているかどうかは私共は本当にわからないのです。そういう法や規則に定められた手続きによって就職された人達はきちっと掴んでいます。その人達はそんなに多くはないのです。そういう事を見ながら、私共としましては、今後公正取引委員会で指摘されれば、業者にも出来るだけ協力をいただいて、真相に迫ってどういったことが行われたのかを国民の前に明らかにするということが、まず私共の努めだろうと思います。その上で再就職の問題をどうするのか、これは単に国土交通省だけの問題ではなしに国全体の施策としても考えていかなければいけません。それでは時間が掛かりすぎるということであれば、我々が一昨年執りましたように国土交通省独自の案というものも考えてやっていかなければならない。その際に仰ったような貴重な意見も考えていかなければならないと思っています。
 
(問) 去年の11月に横浜でトラックの荷台にショベルカーを積んで、それが電線に当たって街路灯が倒れて少女が亡くなるという事件の初公判が今日あるのですが、今週、国交省の方から国が管理する道路において、路面からの高さが基準に満たなかった架空横断線の数が221件という調査結果が出まして、県や市が管理するものを含めると膨大な数に上ると思うのですけれども、改めてこれについての。
(答) 高さについて規制があるものについては、守られているかどうかということは、これは不断の努力で、それはたくさんあるにしても調査しなければならない、知っておかなければならないと私は思います。そういう意味で、あのような事件が再び起こることがないように我が省としても頑張らないといけないと思います。各地方整備局等を通じまして、直轄国道における架空横断線を調査したところ、路面からの高さが占用許可基準5メートル以上、又は、ある場合は4.5メートル以上に満たない架空横断線が221件確認されたようです。これについては、各地方整備局において、1月19日、本日までに基準に適合させるよう、各物件の管理者に対し指導したところです。今日以降なるべく早くその結果の報告を受けて、そしてまた、パトロールを重ねて、二度とそういうことが起こらないようにさせていただきたいと思っているところです。
   
(問) 省庁の再々編を検討すべきではないかという声が、菅総務大臣や官邸の方からも聞こえてきていますけれども、大臣のご所見をお願いします。
(答) そういう報道があることは承知しています。省庁の再編というのは、前回は2001年1月6日だったと思いますが、6年経っているわけですが、こういうものは不断に見直すことは必要だろうと。それは国民が使い勝手のいい省庁という観点でやっていくべきだろうと私は思います。国土交通省は、2001年1月5日までの建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁という4省庁を併合した非常に大きな役所でありますが、それだけに非常に守備範囲が広いなと思ったのですが、反面、いろいろとやっている仕事を見てみますと、やはり併合して良かったかなと思うことがたくさんあります。一つは前にも言いましたが、羽田沖合の第4次埋立です。第4滑走路は、多摩川河口を埋め立てるわけですから、これは運輸省と建設省が別々の役所であれば、大変複雑なことになったのではないかなというような感想は持ちました。しかし幸いなことに、国土交通省ということで、一つの省庁であった。風通しも良いし、ここまできて公有水面埋立法の両知事の承諾も取り付けることができたということは、別だったらこんなことができなかったのではないかというように思うことがあります。その他、国土交通省の大きな仕事として、現在、少子高齢社会、本格的な人口減少社会に突入したわけですが、その中にあって、国民1人当たりのGDPを落とすことなく、依然として成長力を維持していくためには、もう日本の中に閉じこもって島国の中でやっていたのでは、人口が減っていくわけですから、経済が縮小していくということは必定です。しかしながら、これを外へ広げれば、経済成長戦略大綱にも言われたように、十分持続的な経済成長を遂げていくことができるということで、それを実行するためには、いつも言いますが、四面環海の我が国にあっては、やはり国際空港、国際港湾の整備、またそれと、国内の消費拠点なり生産拠点との道路、鉄軌道等によるネットワークを造るということが必須です。そのように考えた時に、運輸だあるいは建設だということで、分けることができないような有機的な協力関係が必要ですし、特に観光立国と先程言いましたけれども、このようなことを考えた時に、今の国土交通省の併合は誤りではなかったと実感することが多いのですね。しかしながら、これは国民的視点に立って不断に見直していくということが是非必要だと。ですから、このような議論は必要であろうと思っています。
   
(問) 国土交通省においては、2001年1月6日に国交省一つになって、これは現状を変えるべきではないということで、というスタンスですか。
(答) 変えるべきではないとは言い切れませんけれども、良い面もありますということです。国土交通省として、この合併したものはどうなのかという感想を聞かれますと、私としては非常に巨大官庁になっているけれども、それなりに現在の日本が抱える問題を処理する上において、この再編は良かったのかなという感想を持っていますということです。だからこれに固執するとかどうとかでなしに、国民的視点に立って、そのようなものが必要であるかどうかの議論は十分していかないといけないというように考えているということです。
   
 

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