国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年3月20日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年3月20日)
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平成19年3月20日(火)
8:57〜9:18
参議院議員食堂
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

本日の閣議は、一般案件が3件、国会提出案件が4件、政令の決定が9件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。
 私から1点、ご報告することがあります。3月16日金曜日午後から17日土曜日の日程で、中国の広東省広州に行ってまいりました。今回は、日中国交正常化35周年を記念した桜・祭り、姉妹友好都市関係などを活かした大規模交流事業の具体的な進め方について、邵h偉(しょうきい)国家旅游局長と意見交換を行うとともに、広州市内の中山紀念堂、これは1930年代に建てられた建物らしいのですが、1万人収容できるという所で、柱が1本もありません。大変立派な建物でしたが、そこで、中国独特の歌や雑技などを、約3千人の聴衆とともに夜遅くまで鑑賞してまいりました。また、日中観光交流年の締め括りと日中国交正常化35周年の幕開けを記念した、両国政府、地方公共団体、旅行会社等の観光関係者が一同に会する交流事業に出席し、中国側の参加者に訪日旅行促進への取組みを呼びかけてまいりました。日本の旅行会社、航空会社などが旅行商品を持って机を並べて、中国の旅行業者の方達と商談している商談会も視察してまいりました。大変賑やかで、相当成果があったのではないかと思っています。私からは以上です。 


質疑応答

 
(問) 公務員制度改革の関係で、公務員の再就職について一元的に管理する新人材バンクのことについてのご所感をお伺いします。特にその人材バンクに省庁が関与すべきかというような議論があると思うのですが、その辺についてがまず1点。その人材バンクについて、自民党の中川幹事長が閣僚に対して、総理が決断した以上、この人材バンクの方向で進めるべきだと、以前もあった忠誠心を問うような発言をされていますけれども、この点について、お伺いします。
(答) 今お尋ねのような経済財政諮問会議における総理等のご発言に関する報道については、当然のことですが承知しています。内閣官房の方から、まだ制度に関する具体的なお話をいただいていないため、具体的な内容についてコメントできる状況にはないというように思います。総理もパッケージとしての設計を仰っていますし、また、担当大臣から、近く、その法案の骨格等のようなものも示していただいて、個別に相談が当然あるだろうと思っていまして、そのようなものを待って、それに対する評価、コメントをしたいと思います。ただ、総理の言葉として、一元的に、名前はどうかは別としてやるべきであるというお話しがありますので、その点については安倍内閣の取組みとして、その方向であるということでありますので、当然閣僚としては、何人から言われることもなく、当然の判断であろうと思います。ただ、私は前からこの問題について発言を続けています。職業選択の自由は当然の話ですけれども、それを超えて、長年に亘って培った知識や経験を活用するといったこと、これはただ公務員の問題ではなしに、社会全体として有用なものとして、そのような知見というものを活かしていくということが必要ではないかという観点で、私は発言しているわけです。それからもう1つは、天下りといったら何か悪い言葉の響きがあるのですが、総理の言葉を借りれば、予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんは根絶すべきと考えますが、公務員が50、60歳のある年齢になったら、長寿社会ですから、それから後の生活を営むために転職をするということは、これこそ本当に憲法の定める職業選択の自由です。ですから、それと混同してはならないという思いです。それからもう1つは、私が国土交通省に来てまだ数ヶ月ですけれども、6万3000人の職員がいるのですが、そのうち4万人を超えるような人達が地方で働いている。今回の人材バンクというのが、そのような人達をすべてカバーできるのかということは、非常に重大な関心を持っています。私はこのようなものは改めるべきだと思いますけれども、定年を待たずに50代半ばで退職する人が多いわけです。実に年間900人の退職者のうち、760人前後が地方の方なのです。こういう人達の老後の再就職先というものが確保されないということになれば、これは本当に現場で働く人達の志気にも関わるわけです。共済年金の最低の年齢が65歳ということになりますと、60歳の定年までいれたとしても、あるいはそれ以前に辞めたとしても、65歳まで相当な年限があるわけです。したがって、その間の転職というものがスムーズに進むような配慮というものがないと、中央省庁だけを一元的に人材バンクで管理するということにしても、大混乱が生じるだろうと思います。そういうことは本当に避けなければならないことであろうと思い、私はいろいろ言っているわけです。したがいまして、今回の案が示されたら、そういうものをパッケージにするということが大事な視点だということを私の意見として申し上げたい。これについては、省庁の官僚に大臣が言わされているとかいうような論評もありますが、それは全く失礼な話で、これは私の人生観として申し上げていることです。ですから、そのようにご理解いただきたいと思います。
   
(問) 昨日、魚住議員から働きかけがあったのではないかという問題が報道され、国交省の調査でも一部そのような事実があったというような状況になっているかと思います。また国交省の方にも当時、抗議・クレームというようなものも来たような状況があったと思いますが、このようなものについては、口利きであるかどうかも含めて大臣のご所感を伺えますでしょうか。
(答) クレームがあったかということは、これは昨日参議院でもそのようなお尋ねがありましたから、私の考えを述べたところです。私も新聞記事を読みまして、びっくりして海事局長に事実を説明してもらいました。海事局長も当時の事を調べまして、報告では、魚住議員から私の前任の北側大臣にも内容はわからないですけれども電話があったようだと。あるいは今から二代前の当時の海事局長にもいろいろなクレームがあったと。それから機構にもクレームがありました。それがいわゆる口利きというものかどうかというのは評価の問題でありますので、これは当事者である魚住議員の欠席裁判で口利きだといった評価をするのは差し控えますが、事実としてそういうことがあったということが一つです。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と零細な中小企業とが共同持ち分の下に船舶を建造する。それで中小企業の人が機構に一定の期間、使用料という形でお金を払う、現実には、出したお金の元利金に相当する額を使用料で払うのでしょうけれど。一定期間が経過した後に残額を海運業者が払えば、その船舶の所有権を全部取得すると。こういう契約があったようです。これは6億数千万円の契約だったようですけれども、建造して1年くらいで大変な不況が来まして、払えなくなったということのようです。払えないということになると債務不履行ですから、利率14.5%の約定損害金がどんどん溜まってくるわけです。それについて、会社との間で、当初の約束以外で払えるような方法でやってほしいということで、リスケジュールを2回、再リスケジュールまでやったと。その中で、魚住議員がこの会社に頼まれたか、どこかで頼まれたかは別として、地元ですから議員として、その利率14.5%の損害金などは「ひどいやないか」というような、まだ昨日の今日のことですから、概括的にはそういう話の内容であったようです。しかしながら、そういうことがいろいろあったにしても、当初、魚住議員に頼んだ社長は亡くなって、その息子さんが社長になっておられるようですけれども、リスケジュールの約定に従って、毎月きちんと払っていただいて、最近も遅滞なく支払っていただいている。すなわち、魚住議員のいろいろなことで向こうが有利になるとか、こちらが不利になるとか、減額するとか、そういうことはなく今日まで来ています。これが今私が知っている事実です。ですから、それに対して魚住議員がどういうお考えであるのかを聞いた上でなければ、私としては、コメントは差し控えさせていただきたいと、こういうことです。
   
(問) その関連なのですけれども、国会議員の先生による役所への陳情、要請、クレームというのは、日常的に行われていることであって、でも、中には恫喝的なことがあるかもしれないということは、これまでも指摘されているところです。国土交通省においても、一昨年、耐震強度偽装事件の発覚前に、伊藤公介議員が国土交通省に来たことが議論を呼びました。一部自治体でも始まっていますけれども、こういった国会議員、政治家の陳情、要請、クレームについて、記録に取り、一定期間ごとに公表していくという取組みがあっても良いのではないかと思うのですが、これについていかがでしょうか。
(答) そういう動きはあるのではないでしょうか。無理な部分があれば、大臣を通じてやってもらうとか。それを全部公表するかどうかは別として。ただ、特に衆議院は地元密着でいろいろな陳情を毎日のように受けるわけですよ。自分自身もあれば、秘書もあれば、それが非常に重要な1つの仕事でして、その陳情や要請を受けた内容から国の大きな政策というものも立つわけです。ですから、そういうものを封鎖するということは許されないわけで、議員の政治活動の重要な部分です。ですけれども、今仰るように、それを役所に対して恫喝的と言いますか、それが恫喝かどうかは受け取る方も言う方も評価の問題ですけれども、不相当な方法でその要求を貫徹しようとするようなやり方は好ましくない。これは、はっきりしていますよね。それから、もう1つは、そういうものに金銭が絡むということになれば、これはもう大変で、そのために私も関与して、これはなかなか難しかったけれども成立させたのが、斡旋利得罪なのです。ですから、正当な行為であったとしても、それに基づく対価関係に立つようなものを受け取った場合には、処罰ということがあるわけですから、そういうルールの中で行っていくということが大切ではないかと。行き過ぎたものについては、貴方が仰るように、記録に留める、あるいは大臣を通じてその人に対して交渉してもらうようなことが必要だろうと思います。
   
(問) 関連で、魚住議員については2回目というか、確か去年の6月くらいにも同じようなことがあったと思うのですけれども、やはり恫喝的な表現をとるということについて、政治家としてどう思われるかということをお聞きしたいのですが。
(答) 恫喝であれば刑事罰で、警察、検察が動けば良いことであって、その人によって、どんなに腹を立ててもそのような表現ができない人柄もありますし、あまり腹を立てなくても乱暴な言葉で言う人もいますし、その人の性向ですからね。それが行き過ぎて、相手に対して畏怖心を与えるとか、相手を抗拒不能に陥らせるなどがあれば、それは警察が動いて、きちんと対処すべきことでしょう。そのようなルールの中で、我々は生活しているのだろうと思います。
   
(問) では、その恫喝的みたいな、恫喝とまでは言えない、言えれば刑事罰でいいのですが、その曖昧な部分というものにはどのように対処するのか。政治家側と役所側ではそれぞれどのように対処していけば良いと思いますか。
(答) 先程も言われたように、自分だけで納めるのではなく、上司と相談し、大臣にまでその話を上げ、大臣と恫喝的言辞を弄した人との間で処理をしたら良いと思います。政治家ですから、大臣だけではなく副大臣、大臣政務官もいますので、職員の中だけで処理するのではなく、政治家に話を上げて、政治家を通じて解決するということが良いのではないかと思います。
   

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