国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年6月15日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年6月15日)
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平成19年6月15日(金)
9:45〜10:07
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が4件、国会提出案件が45件、法律の公布の決定が4件、政令の決定が2件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告するものはありませんでした。
  私から1点ご報告致します。本日の閣僚懇談会におきまして、総理が所信表明演説で表明された「5年以内に国際会議開催件数を5割増しにする」という目標達成に向けて、政府を挙げて取り組むことを改めて確認をいたしました。私からは、国際会議の開催は、観光交流の拡大にもつながることから、国土交通省として、誘致・開催に積極的に取り組むとともに、各省庁や民間団体の取組みを支援するために、相談窓口の設置や誘致活動に対する支援措置を検討する旨の発言をしました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) じん肺訴訟の関係で和解への動きがどんどん進んでいますけれども、国交省としても関係する部分が多いと思いますが、今後、国交省として取り組むべきことと取り組めることをお願いします。
(答) トンネルじん肺訴訟につきましては、長い係争があったわけですが、自由民主党、公明党のそれぞれの議員のチームを通じまして、自民党では逢沢一郎さん、公明党では漆原良夫さんらが非常に熱心に和解に向けて調整を進めてきたところです。この度、安倍総理の強いリーダーシップによって、和解が合意に達する運びとなったわけであります。私としても、トンネルじん肺というものが非常に深刻、悲惨な問題であると認識しています。トンネル建設工事に従事した結果、じん肺に罹患し、不幸にも亡くなられたという方もいらっしゃいます。そういう方に対しては、心から哀悼の意を表さなければなりませんし、また、現在も苦しんでおられる方々に対してもお見舞いを申し上げなければならない。因果関係とか訴訟上の問題は別にして、安倍総理が和解で解決をしようと仰ったわけですから、国土交通省といたしましては、トンネル工事等の発注官庁といたしまして、そういうところの現場の労働者の安全の確保については、現在ももちろん細心の注意を払っているわけでありますが、今後とも十分に配慮した発注をしていかなければならないと思っています。また、今回の合意の中で、厚生労働省を始めとする関係省庁とともに、じん肺対策を強化するための措置を講じることを検討してまいる所存です。具体的には、我が省としましては、作業時間の算定のあり方について、その積算基準に関して、今年度中に適切な見直しを検討していきたいということです。そのようなことを裁判所で表明をするということになると思います。作業時間は、実際にトンネルを掘削している時間だけではなく、その作業につくまでの時間とか、作業が終わってからシャワーも浴びなければいけないでしょうし、着替えもあります。そのような時間等をどのように評価するか、分かりやすくするような方向で、検討しているところです。
   
(問) 昨日の次官会見でも出ましたけれども、全日空のシステムトラブルについて、全日空が、原因と今後の対策を発表しました。少しの判断の違いで、7万人という大規模なトラブルになってしまったというのが分かりましたけれども、改めまして、ご所感をお聞かせください。
(答) IT社会というのは恐ろしいわけで、我々の人知の及ばないようなところまで処理できるわけですけれども、これにも光と陰があります。そのように便利な部分と、私はそういうのは全然不案内ですけれども、ちょっとしたところで何かが詰まってしまうということになりますと、ものすごく多くのデータがそこで滞留してしまうということもあるようです。したがいまして、そのような便利なものを、特に、運輸業者が使う時には、そのようなことも含めて、事故が起こらないように、細心の注意を払い、いろいろな可能性も探りながら、乗客の安全はもちろんですけれども、乗客の利便性という意味におきましても、多くの欠航とかいうことによって迷惑がかかるわけですから、しっかりやってほしいという指導をさせていただきました。
   
(問) 同じく全日空の話なのですけれども、貨物専用機を使った貨物事業について、中部国際空港から撤退するという報道がなされていますけれども、それについてはどのようなご所感でしょうか。
(答) 私も直接は聞いていませんけれども、そのような報道があったことはもちろん知っています。いろいろな理由があるのでしょう。関空の場合、24時間きっちり使えますが、中部国際空港も海上空港ではありますけれども、一日おきに深夜3時間、メンテナンスのために空港の離着陸を止めなければなりません。8月2日からは関空は完全24時間です。離着陸ができるという便利さとか、あるいは、競争条件とか、いろいろなものがそこにあったのでしょう。中部国際空港においても、旅客機のお腹に貨物を積むという方法もあります。ロシアのサンクトペテルブルクから中部へ貨物便を入れさせてくださいという話で、それに応じるということで、ロシアの上空通過権を頂くという航空交渉をしたということは前回も言いました。そのように、中部は中部で、今後、地元が、そういうことがないように、便利な飛行場ということで、発着回数を増やすということに全力を尽くすべきだろうと思います。
(問) ただ、中部は中部でということではあるのですけれども、あれだけアジア・ゲートウェイで、特に全日空は積極的な動きをしたわけでして、それが中部の再拡張について水を差すようなことをするという、その辺についてはいかがお考えでしょうか。中部国際空港に2本目の滑走路をつくるということについて、この前、大臣も発言されましたが。
(答) そのような内容の発言はしていません。アジア・ゲートウェイ構想に基づき、24時間使えるような空港を目指して頑張る、そのためには地元の財界や自治体がそこに発着する乗客の獲得に向けて頑張ってもらわないといけないということです。関空も、今の発着回数は約11万6千5百回ですが、13万回という思いがあります。そのようなものに、関西財界挙げてトップセールに出る等いろいろやっています。そのようなことも必要ではないかということではないでしょうか。利用者としては便利な方を選びますから。
(問) 事業者の問題というよりは、空港会社の努力の問題ですか。
(答) 私もそのように思います。関空もいつもそのように言われてます。
   
(問) 東京大気汚染訴訟の関係ですが、本日、原告の方へ国から具体的な方策が示されるということですが、国土交通省として具体的にどのような対策を示すのでしょうか。
(答) 国土交通省としては、前から言っているとおり、自動車単体からNOxや微粒子等が出ないように大変努力をしています。私は、国際的に見て第一級の努力をしていると思います。そのようなこともやっており、引き続いて極限まで努力をするということが一つ。もう一つは、東京、首都圏にもいろいろな道路があり、いつも渋滞する所、いつも低速走行やアイドリングが続く所、地形上溜まったものが外へ流れにくいものがあるところについて、我々は早急に整備してまいりますということを申し上げていましたが、原告に提案する場合には、より具体的にする必要があると思います。総理大臣も解決しようじゃないかとリーダーシップを発揮されましたので、その方向へ向かって進むと思います。国土交通省としても、そのようなできるだけの、能う限りの努力をするというものについて提案をしようと思います。
   
(問) 水門談合の関係で、本日にも調査報告がまとまるというような話がありますが、官製談合についてのご所感をあらためていただきたいと思います。
(答) この問題については昨年も指摘されて、端緒や具体的に誰が何をやったという疑いが無かったにも関わらず、発注担当の現役職員167人を調査しましたが、みな否認しました。今年の1月6日、7日辺りに、特定の元職員の写真付きで、この人たちが談合に関与していたのではないかと指摘がありました。私はこれについて非常に驚きまして、8日は休みでしたので、9日の一番に大臣室に国交省の幹部の方全員に集まっていただきまして、国交省を挙げて、これは取り組まなければならない、事実関係を調査しなければならない、そしてそれの背景・動機・原因についても調べなければならないと指示しました。そのためには、国交省の職員だけではダメということで、高等裁判所の長官を経験した方とか、地検の特捜部の検事を経験した方、公正取引委員会の事務局長を務められた方を含む弁護士、学者といった専門家の方9人にお願いを致しまして、我々の方に監察官や監査官というのがいるのですけれども、一緒に調べてもらいたいということで、約600人について調べました。途中で、公正取引委員会から資料も頂戴しまして、そういうものと突合して、我々が調べたことと相違がある点、あるいは業界関係者の方にも来ていただいて、その点がどうだったのかということを調査しようと。これには職員よりも専門の人が良いということで、検察官を経験されたような弁護士など、5人にお願いしまして、調べていただきました。そして、ほぼ結論が出て、もしそれが今日にも発表されることになれば、皆様の手にも全部渡ります。その後、その調査をされた方からも皆様方にコメントをしていただこうと思いますし、私もします。その結果は、非常に残念ですけれども、我が省の職員やOBが関与したことが事実として、我々が認定できるものになりました。これに対しては、今までのところでは、金銭の授受等は全くなかったということが1つ。それから、公正取引委員会において刑事告発をするとか、あるいは検察、警察において逮捕するとかという人はこの事件では1人も出なかったということは、私は良かったなというように思っています。しかしながら、この警鐘を重く受け止めて、我々省内でコンプライアンス、いわゆる法令遵守の徹底をするというのが当然のことですし、また、我々の発注する相手方に対してもコンプライアンスを徹底してもらうよう、今まで以上に頑張っていかなくてはならないというように思っています。また、こういうことが二度と起こらないように入札方法についての改善等も進めているところです。職員に対しても、談合に関与したところには就職はしないと。他省庁、あるいは現在の法令以上に厳しい自粛措置をとっていることは、ご存じのとおりだと思います。本当にこのようなあってはならないことが起こったことは、私にとっても慚愧に堪えませんし、国民に対してお詫びを申し上げなければならないと思います。このことが発覚したときに、私を始め副大臣、政務官、次官、官房長まで、私は3ヶ月の大臣の報酬を返上するということも当時行いました。今回、事実関係が確定すれば、処分すべき者については厳正に処分をしてまいるということです。水門談合についてはそういうことです。
   
(問) 今のお話でも少しあって、今朝の報道でも一部あるのですが、現職の方の関与が認められるということを含めて、残念だということでしょうか。
(答) そうです。非常に残念です。本当に残念です。受注予定者に係る情報を伝達するだけとかでも、それはいわゆる入札談合の官製談合防止法の4つの類型の1つに入っていまして、してはいけないことになっているわけですから、それに違反したとなれば、厳しい処分をしなければならない。
   
(問) 国会の関係ですけれども、与党の中で会期の延長に言及する発言が出ているのですが、大臣はどのようにご覧になっているのか教えてください。
(答) それは皆さんの報道で関心を持って見ています。参議院で2週間ということは、1週間に法案審議される日は2日間で、会期内では4日間しかないわけです。そうすると、その日に7時間ずつ会議をしたとしても28時間ということになります。衆議院は41時間強やっているのです。大体今までは、決まりがあるわけではないですけれども、衆議院の7割弱の審議時間ということでした。したがいまして、本当にぎりぎりと言いますか、どうするのか、国対なり、あるいは各委員会で考えていただかなければならない。今年は参院選が予定されていますので、それに対する大きな影響があり、非常に難しい判断を迫られているのだろうと私は思います。けれども、私はわかりません。
   
(問) なかなか難しいかもしれませんが、もし仮に会期延長で参議院選挙の日程にも影響が出るとなった場合には、プラスの面、マイナスの面いろいろあるかと思うのですけれども、その辺のご認識はいかがでしょうか。
(答) 国会の会期をどうするかということは、大臣が考えることと違います。考えないというのは嘘ですけれども、発言するものじゃない。これは、与党の国会対策、議運、あるいは議長といったところが考えられるだろうと思います。
   

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