(問) |
福知山線の脱線事故の関係なのですけれども、昨日もご所感を伺ったのですけれども、改めてということと、今、大臣も仰られましたけれども、検討を要するもの、いろいろ時間が掛かりそうなものもあると思うのですけれど、今速やかにと仰られましたが、どのくらいの期間を考えられているか、難しい問題が含まれると思いますがお願いします。 |
(答) |
この事故につきまして、お亡くなりになられた方に対し、改めて心より哀悼の意を表しますとともに、お怪我なされた方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。昨日、事故調査委員会からこの事故に係る調査報告書が提出されました。委員会におかれては、事故発生直後から昨日に至るまで、事故原因の究明につきまして、精力的な調査、解析等の作業が行われました。約1千人の方からいろいろな意見や事実関係についての供述を頂戴しました。また、事故を再現するために模型作り等いろいろなことをやっていただきました。慎重かつ広範な審議がなされたことと認識しています。その苦労に敬意を表しますとともに、成果物である報告書の内容については厳粛に受け止めなければならないと認識しています。昨日提出していただいた報告書の中の建議、所見につきましては、その内容を十分に精査をして、速やかに対応できるものについては、本日にでも通達で指導いたします。それ以外のものについても、可能な限り早期に検討を開始する等真摯に対処してまいりたいと考えています。具体的に、インシデント等の把握及び活用方法の改善ついて建議がありましたが、これについても調査をして、交通政策審議会鉄道部会技術・安全小委員会に報告して、どう対処するべきかという問題について、結論をいただき次第対処しなければならないと思います。運行記録装置等をインシデント等の把握のために活用すること及び事故等の必要な分析の徹底について、通達で事業者を指導することとしています。列車無線による交信の制限という建議がありますが、これについても、早急に検討を行い可能なものについては速やかに事業者を指導したり、あるいはその他のものについても必要な検討を進める必要があります。例えば、指令と運転士の交信の規定、あるいは走行中運転士がメモを取ることを禁止する、列車の運行状況をリアルタイムに輸送指令員が把握できる装置の活用等による運転士の負担の軽減や、車掌の活用等による指令と運転士が行う交信の減少、それぞれについて、検討すべきものについては早速検討し、そして早急にできるものについては通達を発するというようなことがあると思います。それからメーカー担当者等への関係法令等の周知徹底ですが、速やかに機器の製造会社や受託者に対して関係法令等の周知徹底を行うと、これも通達で行えると思っていますが、なお検討すべきものについては検討するということです。西日本に対する所見については正確に伝え、これに誠実に応えるように指導する必要があると思っています。国交省に対する所見の中で事故発生時における車両の安全性向上方策を研究せよということについては、早速研究に着手しなければならない。例えば鉄道総研などで研究してもらおうと思っています。それから、車両の強化や座席の形状、パイプが背の所にぶつかると怪我をするので、それを板面のような型にして、衝撃を受けたときに怪我をするのを少なくするということですけれども、これは鉄道総研等で研究していただきまして、早急にできるもについてはそのように製造会社等に指導していくことになろうと思います。昨日受け取ったばかりなので、これから検討して、出来るものについて早急に、そしてまた誠心誠意実現をさせたいと思ってます。 |
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(問) |
観光立国推進基本計画に関連して、一部報道で、国交省で観光庁の創設を検討して、来年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めたという報道があるのですが、これについての検討状況、事実関係と大臣のお考えをお聞かせください。 |
(答) |
そのような検討をしていることは事実です。様々な検討をしていますが、現時点では、観光庁というものについて決定をしたという事実はありません。検討は進めています。その結果、そうなれば予算要求も当然やっていかなければならないと思います。 |
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(問) |
庁の創設に向けて、まだ課題があるとすればどんな点が課題だと大臣はお考えですか。 |
(答) |
我が方では、審議官を中心に6つの課で80人くらいの人が、観光立国の政策について取り組んでいるわけですから、一つの塊としては、非常にまとまっているように思われるのですが、いろいろな局と関係しているので、そういうものをどのように整理していくのかということが大きな課題だと思います。街づくりとか、またこの間成立した「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」といったものといろいろなところで絡むのです。そういう意味で、検討させていただくということであります。 |
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(問) |
福知山線の関係なのですけれども、ご遺族とか専門家の方達からは、国に対する責任の追及が甘いのではないかというようなご指摘がありますけれど、その辺りのご所感と、あともう1件、大臣のお立場だと難しいかもしれませんが、そういう流れの中で事故調のあり方がもっと独立したものでないと、身内に甘くなるのではという指摘も受けると思うので、事故調のそのあり方ということについても、お聞かせいただける範囲でお話いただけますでしょうか。 |
(答) |
事故調査委員会は責任を追求したりするのが役割ではありません。事故調査委員会の法令を見ていただいたら分かりますけれども、客観的、中立公正に事故の原因というものを出来るだけ見極めて、その上に立った安全対策というものはどうあるべきか建議をしていただくといったことが仕事なのです。それから独立性については、ご存じのように国家行政組織法8条に規定されており、この委員については、両院の同意が必要でありまして、勝手に私が任命したりするものではありませんし、そして今回の調査でも私は指示する根拠がありませんから、一切指示等しておりません。したがいまして事故調査委員会はその独立した立場で、中立公正にやっていただいているというように思います。責任を追及するというのは、裁判所とか別の機関であろうと思います。 |
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(問) |
昨日、報告のあった脱線事故の関係なのですけれども、調査報告書が分厚くて、私たち記者も何度も読んでようやくこういうことかと理解できるのですが、分かる人が読めばすぐ分かるのかもしれませんが、昔の事故調の報告書に比べれば、随分分かりやすくなったとは言われるのですけれども、もっと分かりやすくしていただくように大臣の方から言っていただけないだろうかと思うのですが、どうでしょうか。 |
(答) |
先程も申し上げたとおり、大臣の方から指示することが出来ないのです。ただ今のようなお話があったということは、皆の心に留めるであろうと思います。 |
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