国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年7月3日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年7月3日)
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平成19年7月3日(火)
9:42〜10:00
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が1件、国会提出案件が13件、法律の公布の決定が7件、政令の決定が6件と人事案件です。
 当省の関係では、政令の決定が2件ありました。「海洋構築物に係る安全水域の設定等に関する法律の施行期日を定める政令」の決定と、「国土交通省組織令の一部を改正する政令」の決定がありました。
 私から1点ご報告があります。本日、海洋基本法を7月20日に施行することが閣議決定されました。その際、総理から、海洋基本法に基づき、政府が一体となって海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため、本日、私、冬柴鐵三を海洋政策担当大臣とするとともに、総理を本部長とする総合海洋政策本部を、7月20日をもって内閣に設置するとのお話がありました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 今、お話がありました、海洋政策担当大臣初代ということになると思いますが、ご所感を改めてお願いします。あと、海洋政策については、中国・韓国に比べて日本は遅れていると言われていますが、当面の重要な課題というのは何があるか、お答え願います。
(答) 総理から、官房長官侍立の下に、海洋政策担当大臣を命ずるという辞令の交付を頂戴しまして、身の引き締まる思いでした。四面環海の我が国です。海洋から多くの恩恵を受けてきました。また、今後の我が国の発展のためにも、海洋に関する施策に強力に取り組んでいく必要があると考えています。一方、海洋政策は広範にわたるものです。我が国でも多くの省庁が関係しています。今後は、海洋基本法に基づきまして、海洋資源の開発及び利用の推進、海洋環境の保全、海上輸送の確保、海洋の安全の確保等について、政府一体となって戦略的に取り組んでいくことが重要であると認識しています。海洋政策担当大臣として、海洋政策を集中的かつ総合的に推進すべく努めていきたいという覚悟です。重要政策は沢山あるわけですが、一つは、我が国は海洋国家でして、全て海運に頼っています。99.7%が外航海運によって我が国に運び込まれ、また我が国から外へ運んでいるわけです。そのような外航海運ですが、現在日本籍船というのは95隻でして、ほとんどが、外国の船籍の船が使われているわけでして、食料も原材料もエネルギーも、そういう船によって運ばれているということは事実です。また、日本人船員は2,600名いますが、相当高齢化しており、これは大変なことだと思います。昭和49年には57,000名いた外航船の日本人船員ですが、2,600名に激減しています。私は、このようなものをもう一度取り戻したいと思っており、そのためには外形トン数標準税制等の採用を、是非お願いして、そのようなことが図られるように努めなければならない、非常に大きな一つの政策だと思います。もう一つは、日本は狭い小さな島国であると言われてますが、日本には6,847という大小の島嶼離島があります。大変不便かつ気象的にも厳しい中で、先祖代々そのような島を守ってきて下さった人々がそこにいるわけです。その人たちに対して、本土並みとは言わないまでも、本当にその土地その土地の素晴らしい自然があるにしても、この人たちの幸せのために頑張らなければならない。このような人たちがいたからこそ、447万平方キロメートルという、世界第6位の広大な排他的経済水域を保有することができました。我々は太古より、その広い海域から豊富な海洋資源を、そして漁業というものを得ているわけです。私はそのような海というものについて、子々孫々守っていけるように頑張っていかなければならないと思います。いろいろな施策がありますが、今申し上げるならば、このような視点で進めていきたいと思っています。
   
(問) 東京大気汚染訴訟ですが、昨日原告団とメーカーが和解案に同意するという回答がありました。これで全面和解する見通しとなりましたが、改めて所感をお願いいたします。
(答) 安倍内閣総理大臣の強烈なリーダーシップによって、また石原東京都知事のリーダーシップによって、そのような政治的決断がなされ、11年に及ぶ訴訟がここで終局的に終了するということは、非常に喜ばしいことです。和解というのはかねてから申し上げてますように、当事者双方が互譲の精神で歩み寄ることによって成立するものでありますが、原告団も譲り、また、自動車メーカーも譲歩したのだろうと思いますが、ここで東京高裁の和解の勧告を双方が受け入れて、そして和解が成立して、終局的解決をみることができることは、私にとって非常に喜ばしいことです。国土交通省としましては、自動車単体の低公害車の開発・実用化、普及促進に頑張っているところですが、併せて、排気ガスが滞留するような道路構造を持つ場所については、相当な財政支出を伴いますけれど、早急にそういうものについて直し、再びこのような大気汚染の被害が起こることがないように努めてまいりたいと、これが決意です。
   
(問) 今の件に関連してですけれども、相当な財政支出を伴うというお話しでしたけれど、それはどの程度というような概算のようなものはあるのでしょうか。
(答) 見ていただければ分かると思うのですけれども、年間数千億オーダーのもので、東京高裁の判事にも、本当に誠意のある対応だと高く評価をしていただきました。また、原告団からも、私の部屋にお見えになりまして、「国土交通省の取組みは評価できる」と仰っていただきました。これは省を挙げて、国民の安全・安心という意味からも、どうしてもやらなくてはならないことなので、重点的、効率的に必要な社会資本整備を進めていくという決意です。
   
(問) 久間防衛大臣の第二次大戦末期の日本への原爆投下はしょうがなかったという発言に対する批判が出ています。また、野党からは罷免要求が出ています。この久間大臣の発言に対するご所感、そして野党からの罷免要求に対するご所感を伺いたいのですが。
(答) 久間大臣の発言の真意が何にあったかは知るところではありません。発言の要旨は新聞報道から、その前後の文脈も読ませてもらいました。しかしながら、私は、二度までも原爆の被害を受けた唯一の民族として、どんなことがあっても、それを容認をする発言をすることは許されないと思っています。政治は結果責任ですから、それをどう評価するか、これは任命権者である総理の判断によるものでありますし、また、政治家として発言した本人がその出処を考えるのは当然のことだと思いますけれども、野党からの罷免要求というものについては、総理が判断されることであると、私はそう思っています。久間大臣としてもこれを撤回し謝罪をされたということも一つの大きなメルクマールとして判断されるべきものであろうというように思います。
   
(問) 一部報道によると、都市再生機構が20万とか15万とか賃貸住宅の削減を検討しているようですけれども、八王子のマンションで住民とのトラブルが長い間続いていて解決できていないようなところだけに、国が徹底して監督すべきと考えるのですけれども、事実関係を含めて大臣のご所感をお聞かせください。
(答) 記事を読ませていただきましたけれども、都市再生機構からは、現在の居住者を一方的に追い出すなど居住の安定を脅かすようなことは考えていないということは、再々聞かされておりますし、またそれは当たり前の話だと思っています。都市再生機構の77万戸の賃貸住宅の削減目標については、昨年12月の規制改革・民間開放推進会議の答申があります。また本年6月の規制改革推進3か年計画もあります。これらを踏まえまして、現在、都市再生機構で検討を行っているのは事実であろうと思います。ただ本年末までには、再生・活用のための考え方や団地ごとの特性に応じた整備方針を策定する予定であるとも聞いています。したがいまして、記事等の内容については、そういう検討の過程において試行的に作成されたものではないかと推測をしています。いずれにしても賃貸住宅に現に住んでいらっしゃる方がいるわけですから、削減目標や個別の団地整備方針の検討に当たっては、都市再生機構の賃貸住宅の居住者が年々高齢化しておられて、現在平均54.3歳になっておられると聞いており、また、世帯の収入も第一分位、0から20%以下の方の階層である世帯が半数であるという現状を踏まえて、考える必要があると思ってます。独立行政法人都市再生機構法案が成立する時に附帯決議が付けられております。居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定め、居住者との信頼関係を尊重し、十分な意思の疎通と連携のもとに、住宅や利便施設等の適切な維持管理を行い、快適な生活環境の確保に努めること、というように附帯決議が付されておりまして、当然のことながら、大臣としてはこれを誠実に守っていきますという約束をしています。したがいまして、居住者の居住の安定や居住環境の向上については十分に配慮しなければならない、私の立場からもそのように思っています。
   
(問) 先月27日の新千歳空港における重大インシデントの件について伺いたいのですが、航空局の監査でですね、改めて、管制官のマニュアル違反というのが明らかになったのですが、それについてのご所感と今後の対策、それともう一つ、これは新千歳だけの問題だけではないと思うのですが、こういったケースというのは全国どこの空港でも起こり得ると思うのですけれども、改めて、他空港に対して何か指示や注意等というお考えはないでしょうか。
(答) これは、航空自衛隊に管制を委任しているものですが、150名乗せていたスカイマークが飛び立とうとする、これは航空管制が離陸よろしいと言ったわけですね。ところが、250名が乗っていた全日空機にも入ってよろしいと言ったものですから、飛び立とうとしている飛行機の前に入ってきたという、大変なインシデントが起こってしまったわけです。飛行場の管制と、飛行場の中でどういうように動くかという場面の管制、別々の人がやっているわけですが、その2つの連携をもっと密にしてもらわなければならないのではないかというのは、当然考えている話ではありますけれども、その点はもう少し事情をよく聞き、そしてまた、事故調査委員会も3名派遣して、その問題について原因や事実関係の詳細な調査をやっていますので、そういうものの結論を得た上で、我々として、この新千歳空港の管制業務に関する問題について、防衛省に対してどのように指導するかということをきちんと決めてやらなければならない。それから、全国にもあるのではないかということについては、我々の航空管制について、現在のところ、飛行場管制と場面管制についての連携は密に行われているというように思っていますけれども、もちろん注意喚起はしなければならないと思っています。
   

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