国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年8月31日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年8月31日)
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平成19年8月31日(金)
10:38〜10:56
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が5件、国会提出案件が6件、政令の決定が3件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。私から1点ご報告があります。只今、総理にも直接お会いして、ご報告申し上げ、大変喜んでいただきましたが、羽田=虹橋チャーター便の運航開始日等につきましては、中国側と調整を続けてきたところですが、昨日、中国側から本年9月29日に開始可能である旨の連絡を受けました。従来、日本側は9月29日に運航開始することを中国側に提案していましたが、中国側の事情もあり、結果として、6月に私が訪中した際には10月8日頃に開始することで合意し、署名もしました。しかしその後、中国側においてできるだけ早い時期に開始できるようご努力をいただいた結果、今般、日本側の当初提案の通り決まりまして、昭和47年に日中国交正常化に関する日中共同声明が署名されてから、ちょうど35周年にあたる9月29日に運航開始できる運びとなりました。日中双方の国内空港同士を、初めて結ぶ羽田=虹橋チャーター便が日中国交正常化35周年の記念日に開設されることは、まさに日中友好のシンボルにふさわしい事業であり、非常に喜ばしいと考えています。総理にも大変喜んでいただきました。これは中国側のご努力によるものであり、改めて敬意を表するとともに、お礼を申し上げたいと思います。今後は、残された時間も僅となりましたので、9月29日に円滑、かつ、成功裏に運航開始できるように、準備に万全を期していきたいと考えています。私もいろいろ日程は入っていたのですが、そちらをキャンセルして、その日には是非一番機に乗って、虹橋に行きたいと思っています。このほか、羽田=虹橋チャーター便の開始に際しての運航ダイヤにつきましても、中国側と調整が終了致しましたので、詳細はお手元にお配りをしました資料のとおりですのでご参照下さい。


質疑応答

 
(問) 羽田と虹橋の件なのですけれども、前倒しが可能になった理由とは中国側から何か具体的な説明はあったのでしょうか。
(答) この前、私は20日から23日に中国へ行きまして、最後に上海の夕べというものに参加させていただきましたが、その際に虹橋空港を視察させていただきました。その際に中国政府からも、「なるべく早くやって欲しい」ということで、今も昼夜突貫工事でやっています。白い幕を張ったり、その中も示してここをこのようなゲートにするとか、いろいろ説明をしていただきました。そういったことで、中国側が当初はその準備が整うのだろうかと危惧していたと思うのですけれども、ここへきまして具体的に事務が進みました。この路線はなんと言っても需要が多いと思います。そういうこともありまして、中国側が頑張ってくれたのだろうと敬意を表しているところです。具体的にはその準備ができるという自信を持たれたのであろうと思います。
   
(問) 今日お話しされた際に、総理の方からどのような言葉があったのでしょうか。
(答) 「それは素晴らしいですね」ということでした。日中国交正常化35周年で総理が就任後最初に訪中された時に、温家宝さんに提案をされて、温家宝さんも「それは良いですね、検討しましょう」という話から始まったわけです。その後に私も参りましたけれども、今縷々述べたような国内専用空港でありCIQ等も取り払って、しかも国内線もここへの乗り入れを希望する会社も非常に多いということから、とてもではないけれども、日本に開くのは難しいというのが当初の話でした。日本に開くと次いで韓国も是非ということが火を見るより明らかであり、そうなってきますとなかなか難しいというのが当初のことでした。けれども、その後唐家璇さんや王毅さんなどに非常にご努力頂いたと思うのです。それから楊元元さんも「努力します」と言われまして、そういうことが実ったのだろうと思います。そして、今年、温家宝首相がこられた時も、総理からまたそのことをおっしゃいまして、「やはりやりましょう」というお二人の合意ができました。あとは、具体的に、何時から始めるかということが、ペンディングとなっていたのですが、私が参りまして、29日がだめならば、休日明けの10月8日と言いました。それでも、向こうは「それをメドに努力する」ということにしてくれとか、いろいろ言ってましたけれども、そのときも、まだ自信がなかったのだろうと思いますが、ここにきて「できる」ということで、当初の我々の言い分を尊重してくれたのだと思います。
   
(問) 今日、8月末ということで、概算要求が出そろいまして、これから年末にかけて動き出すのですが、与党の中で地方にもっと配慮するべきだという声も上がっています。政府の歳出抑制路線が修正を迫られるのではないかという見方も出ているのですが、大臣としては、来年度予算で公共事業予算を3%削減するという従来の路線について、維持するべきだというお考えでしょうか。それとも訂正が必要だというお考えでしょうか。
(答) 前から言っていますように、苦渋の選択ですけれども、安倍政権として、歳出・歳入一体改革を通じて、2011年にはプライマリーバランスを黒字にしようという、何よりも大きな命題があります。我々も、これは尊重しなければならないし、協力しなければならない。これが私の基本的な態度です。ただ、いつも言いますように、平成10年の補正後の公共事業は14兆9千億円だったのが、今年は当初予算ではありますけれども、6兆9千億円という半分以下でして、過去、バブルの前に比べても低い水準まで落としている訳でして、これ以上削るのは無理だというところまできていると、私は思っています。しかし、その大原則があります。学者とかそういった人から言われて「削ります」と約束をさせられるような、私は、そんな心理状態にはありませんけれども、しかし、大方針には聖域無く協力しなければならないだろうと思っています。しかし、今回の選挙を通じてわかった地方の公共事業が不十分になっているということから考えても、真に必要なものという判断の中に、やはり地方を優先して重点化、あるいは効率化してやっていかなくてはならないのではないか、工夫をしなくてはならないのではないかと思っているところです。大変悩んでいるところです。
   
(問) 確認なのですが、大臣はインタビュー等でも地域格差の是正に対しては、公共事業が有効だというお考えでしたけれども、これはあくまで大前提に則った上でのお話だということでよろしいでしょうか。
(答) そういうことです。
   
(問) 概算要求の関連なのですが、公共事業費についてですが、とりわけダム事業について大臣がかねてより作るべきダムは作ると仰っているように、ダム事業費が見込まれております。ただダム事業については、かねてより民主党が批判をして、特に九州の川辺川ダムや利根川水系の八ッ場ダムについては、ストップすることを2005年の総選挙で公約にするなど批判を強めています。参院選でも与党が敗北して、野党が多数を占める中で国土交通省の公共事業を進める上で、より丁寧な説明というものが求められてくると思うのですが、今後の説明に当たってお考え、ご所感がありましたら伺いたいのですが。
(答) 仰るとおりでありまして、例えば川辺川ダムにつきましては、川内川の大氾濫がありました。10カ所以上の観測点で、史上最大の雨が降ったというところがあって、そこで大氾濫を起こしましたけれども、山ひとつ越えますと 、人吉の盆地に入ります。それから今年はその盆地の北側で相当な集中豪雨がありました。これもひと山南であったら、人吉で大氾濫を起こしたのではないかと思います。そういうことを考えますと、あそこの地形を見てもらえば分かりますけれども、袋のようになっていますが、そこに降った雨が全部球磨川の方に来た時にどういうことが起こるか。過去にも大氾濫したという歴史があります。したがってそういうことを冷静に、また私は素人ですけれども、素人が考えてもあの地形から見て本当に危険じゃないのかということを思います。反対意見については、それなりの理屈があって仰ってるわけですから、それに対して我々の考え方を十分ご説明申し上げて、そして進めていかないといけません。もし大洪水等により国民の生命・身体・財産に大きな被害が及んだときには、やはり国が責任を負わざるを得ないわけであり、そのようなことも考えながら進めていかなければならないと思います。特にダムというものは、上流と下流は利害が相反します。そこをどのように調整していくかということは、そこに住む人々のご意見を十分伺いながら、しかし学問的な立場に立った学者の意見等を聴しながら、最後の決断はきちっとしていかなければならないと思っています。仰るとおり、説明をよくしなければならないと思います。
   
(問) エアーニッポンのボーイング737型機において、ワッシャーが付いていないことが判明しました。それが製造段階から付いていなかったのではないかという可能性が浮上していますが、これについてのご所感を伺えますでしょうか。
(答) ボーイング737−800という機種の中華航空機が爆発、炎上したという衝撃的な事件がありました。それを航空・鉄道事故調査委員会で調査したところ、所定の位置に装填しなければならないワッシャーがありませんでした。これは整備のミスではないかと思われるわけですが、整備をしたときに、ワッシャーを挟まずにボルトをはめたのではないかというという疑いが非常に強いという状況を確認したわけです。それを受けて、アメリカ政府としても、製造した会社の所在国ですから、点検を要請しました。全世界でこの737型機というのは400、500と、600、700、800、900という型がありますが、400、500というのはどちらかと言えば旧型機種で、今回の800型機とは当該部分の構造が違います。従いまして、600ないし900を所有する国及び会社は、全部分について点検をしてもらいたいという要請がありました。それを受けて、日本は600及び900は所有しておらず、700及び800は合わせて23機所有していますので、この23機全機について昨日までに検査しました。そうしますと、そのうちの1機について、左翼の一番端のところで、ワッシャーがはめられていなかったと、装着されていなかったことが判明したわけです。ご案内のとおりですけれども、この航空機は新品同様でして、6000時間飛んだらこのあたりを色々検査をするということが義務付けられていますけれども、まだ1000時間程度しか飛んでいないもので当然そこはさわってないわけです。ですからそこに付いていなかったこと、そしたまたその周辺を見てもそのワッシャーが落ちていなかったということを総合すると、製造段階ではめられるべきワッシャーがはめられていなかったのではなかろうか、という強い疑問を持って、アメリカの方にその事実関係を調べるように要請をしているというのが現在です。断定はいたしておりませんが、そういう状況がはっきりしたということです。
   
(問) 大臣としてのご所感があれば、また今後、そのような局としての原因究明、取り組み及び事故調査について、特に中華航空機では整備ミスの疑いが浮上し、他方エアニッポン機では製造段階に問題があり、様々な要因ですけれども、そのようなかなり重要な部品が欠落している状況が起きているということについても、何かご所感としてあれば、うかがえればと思います。
(答) 我々としては、公共交通機関というものは安全が命ですから、確かめ、本当にあらゆる点で、慎重にやらなくてはなりません。けれども、航空機の部品といったら何万点とあるわけでして、その中の一つが、そのように装着すべき場所に使用されていなかったということを、何もない、端緒なしに、全体を調べるということはなかなか難しいのではないかと、素人判断なのですが、思います。しかしながら、こういう他国であろうとどこであろうと、そういうことが起こったということになれば、それを契機に、関係するところは全部調査をする、そういう態度であるべきだろうと思います。製造物責任まで言い出すと、これは本当になかなか難しいように私は思います。
   

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