国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年9月4日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年9月4日)
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平成19年9月4日(火)
9:54〜10:18
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が3件、政令の決定が11件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 独立行政法人を所管する政府の省庁が、行革本部に提出した整理合理化計画案で、新たに廃止する法人を一つも示していない、こういうことが明らかになりました。これについて、大臣のご所感をお聞かせください。
(答) 独立行政法人整理合理化計画の策定に関する基本方針が8月10日に閣議決定されていますが、それに基づいて国交省所管20法人の整理合理化案を8月末に提出しました。この合理化案については基本方針に沿って、事務事業及び組織の見直し、運営の徹底した効率化、自主性・自律性の確保等の視点から、各法人について検討を重ねたわけですが、その結果、組織自体の廃止、民営化等に該当するものはないという結論になりました。しかしながら、事務事業の重点化・効率化あるいは組織体制の見直し、業務運営の効率化、人件費等の経費削減、自己収入の拡大等、所要の処置を講じるということで具体的に報告をしています。その中で、特に都市再生機構等のニュータウン事業等につきましては、我々の方で廃止すると定め、それまでの間、廃止に向けた努力をしていくということです。もちろん、廃止されれば人員も削減されます。具体的には14年度末で5000人、20年度末で4000人、25年度末にはこれの2割を削減するということです。それは、ニュータウン事業から手を引いていくにしても、現在所々に残っている部分があり、それを売却処分する等の事業を行わなければなりませんので、そういうことを具体的にそれぞれについて定めているわけです。したがって今後、行政減量・効率化有識者会議とその他の関連会議等で検討されるので、その検討に真摯に対応していきたいということです。
   
(問) 農林水産大臣が早速、内閣改造間もなく辞めることになりましたけれども、安倍内閣で閣僚の辞任が相次いでいますが、これについて大臣のご所感をお聞かせください。
(答) 新聞で、自らが代表を務めている法人について違法な行為が指摘され、それが約3年間に亘り改善されていなかったということが報じられました。その点について、政治家は自らの出処進退というものは自ら決めるわけですから、政治家遠藤武彦さんが自ら、たった一週間しかありませんでしたけれど、農林水産大臣の職を辞すべきであるという判断をされたんだろうと思います。それについては私は真摯に受け止め尊重しなければならないと思います。
   
(問) 俗に言います身体検査というものを最近、良く言われるようになりましたけれども、何故に相次ぐのかといいますか、何故そうなっていくのかと大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答) 長い一生の中で、いつの時点で、誰がどんなことをやっているのかということについては、なんだかの端緒があればその端緒に基づいて調査をすることはできますけれども、なかなか難しいものです。消極的事実の立証は悪魔の立証だと言われるように、あるということについては見出しやすいのですが、ないということについては難しいと思います。例えば、政治資金については1つ端緒があります。政治資金規制法に基づく届け出が義務付けられていますから、それを端緒に調査をして、その中から矛盾を指摘することは可能だと思います。けれども、この遠藤さんの問題につきましては、政治資金の問題とは違って自らが代表を長く務めていた法人の所為が批判されているわけでして、そういうものまで逐一調査をすることが可能かどうかにつきましては、いろいろな考え方があるだろうと思います。国の機関がその誤りを指摘したということであれば、その国の機関が内閣にそういう報告をするべきではないか、そういう論調も報道されてなるほどと思うのですが、また、相当な時間をかけたようだと思いますけれども、多くの人の行為というものを全面的に掌握するということは困難だろうというように思います。
   
(問) 今の件に関してなのですけれども、大臣が交代されるのが安倍内閣においては5人目ということなのですけれども、総理の任命責任を問う声も出てきているわけですが、大臣はいかがお考えでしょうか。
(答) 今申し上げたとおり、閣僚に任命する対象の人の行為をどこまで調べればわかるのか、いわゆる期待可能性です。本来であれば容易にわかることを見落としたということになれば、そこに義務違反というか、任命の責任ということが考えられますけれども、今言ったようになかなか見出しにくい。普通の注意を払って調べたのでは非常に分かりにくいというものについて、任命責任というのは、なかなか難しいのではないかと思います。政治的な問題は別として、総理自身がそれは残念だと思われるかは別として、相当の注意を払っても見出すことが出来ないような問題についての責任は難しいと私はそう思います。
   
(問) 大臣、それにしてもですね、農林水産大臣においては、過去に2人も辞職に追い込まれています。まあ、一人は自殺されていますけれども、そんな中で3人目もこういう状況というのは、一般的な常識からは考えられないと思うのですが、それでも任命責任はないというお考えでしょうか。もしくは自民党議員で大臣になれるような身体検査に通るような方がいなければ公明党から出すとかですね、そういうお考えはないのでしょうか。
(答) 確かに3人続いたというのは異常だと思います。けれども私は相当慎重に選ばれたと思っています。これまで政治資金の二重計上とかの話がありましたが、同じようなパターンであれば、今仰るように3人目までも同じパターンでまたこのようなことがあったという話になると思いますが、今回の遠藤さんの問題につきましては、伝えられていることですけれども、政治資金の問題ではなく自らが代表を務めていた法人の経理処理という問題でありまして、少し角度が違うのかなと思います。
   
(問) 内閣改造によって支持率が上がったのにもかかわらず、再び今回のことによってそれをおとしめるようなことになったわけですけれども、同じ内閣を構成する閣僚としてそのことに対する憤りみたいなものはないのでしょうか。
(答) 誠に残念です。ですからやはり信頼を回復すべく人身一新ということで今回内閣改造に踏み切ったわけで、それによって確かに一部で国民の信頼を回復したという数字が出たわけですけれども、今回の問題でどのようになるか。まあ、上がることはないわけで、信頼をまた失うということになれば本当に残念なことですし、遺憾なことだと思います。
   
(問) 広く言えば政治とカネということで、秋以降、政治資金規正法改正の話が出てくると思いますが、改めて領収書の義務付けを1円以上にするという修正案について、どのようにお考えでしょうか。
(答) これについてはこの前もお話ししたとおりで、政治活動というものは、政党によってもの凄く違いがあります。したがって、与党の中でどのようにあるべきかということを議論しています。私の所属する党の立場から言えば、政治家の行為について、1円と言わず何銭までも、政治家の行為全てについて、透明性を明らかにするということが大事であると思います。そのような考えで政党間協議を行っていると思います。しかしながら与党の中では、我々の政党勢力は自民党に比べ1割の規模ですが、そのような中で、良いか悪いかは別にして、自民党は自民党としての政治資金の使い方があります。ですから、その間でよく調整をして合意が得られたところで実施しなければ、我々の言い分はこうなので、このようにやって下さいと言ったところで法律は成立しません。以前にも話しましたが、あっせん利得処罰法を作ったとき、もの凄い議論をしました。当時の政調会長だった方が、私に以下のようなことを言われました。あなたの政党と私の政党では文化が違う。私の政党は、例えばポスターを印刷して持参しても、お金を払わないと誰も貼ってくれません。あなたのところはどうですか、翌日になったらポスターを全部貼ってあるでしょう。そして、中には雨に濡れたらかわいそうだということで、あなたのポスターの上にビニールまでかけて貼ってくれる者もいるでしょう。私のところはそのような者は1人もいません。自分が所属する政党の文化だけに基づいて、そのようなことを勝手に声高に主張してもらっては困る、というようなことを言われまして、相当侃々諤々の議論をしました。秘書にしましても、私が知らない時に秘書の印刷した名刺を持ってまわる者がいる、というような話もありました。今はもうそんなことはないと思いますけども。しかし、共産党は共産党の、自民党は自民党の、公明党は公明党の文化があるように、政党の文化には違いがあります。そのようなことは最終的には国民がどう判断されるかなので、価値観を一方的に押しつける、そのような考え方はやめて下さいと言われたこともあり、一部真理はあると思いました。そういうことがありまして、政治資金規正法にしましても、これは内閣が提出する閣法でやるべき問題ではないと思います。やはり、政党間の話し合いによって、自公として、議員立法としてやるべき法律だと思います。そのコンセンサスを得るために、私は私どもの考え方を強く主張します。交渉によってどういう結論を得られるか、その交渉も、国民のご批判とか意志というものが、強い圧力になるのです。前回、政治資金規正法を改正しましたけれど、今日のように与党が大敗北をした選挙を受けて、国民のご意志に沿うように改正をしなければならない、そういう立場で協議していますので、そこでまとまったものについて、これを尊重し、真摯に履行するというのが、現時点における政治家の期待される行動であろうと思います。
   
(問) 農水大臣の問題で国民に「またか」という失望感が広がっていると思いますが、その中でこの内閣として国民の信頼を回復していくには、どういう姿勢と言いますか、取組をやっていくことが、今後大切だとお考えでしょうか。
(答) 私は、愚直に自らに課せられた使命を実行していくということ以外には、ないと思います。安倍内閣において例にとれば、歳出・歳入一体改革を通じた、当面、2011年にプライマリーバランスをプラスにするという目標に向かった取り組みです。やはり、一度立ち止まってもう一度考え直すべきだという、いろいろな意見もありますが、安倍総理の施政方針演説も聞かなければなりませんけれども、私はこの旗は降ろすべきではないし、長い目で見れば、これが子供や孫たちに債務を残さないという大きな命題だろうと思います。また、国土交通省におきましては、地方と都市部の格差とか言われていますけれども、大変窮屈になっている公共事業予算ではありますが、その中で重点的に、また効率化を進めて、そして、できれば地方の遅れている部分について実行していくということを通じて信頼というものは回復されるのだろうと思います。
   
(問) 一朝一夕にはいかないけれど、政策をしっかりやっていこうと。
(答) しっかりやっていこうと。農水大臣であれば、WTOも大変困難な局面にあると思うんですけれども、そういうものを通じて、新しい農水大臣の考え方、すなわちそれが内閣の考え方として着実に国際社会の中でも、あるいは国内の農家に対する政策でも、納得のいくような進め方が行われれば、私は徐々に信頼は回復していくだろうと思います。
   
(問) 今日午後成田に行かれるそうなんですけれども、成田の社長なり、堂本知事とお話しなさるようなんですが、どういったお話しを。
(答) 成田空港というのは、国を代表する国際拠点空港であります。しかしながら、現在、4000mと、それからもうひとつは少なくとも3500mとかあればいいんですけれども、当面2500mに伸ばそうという工事を、これは平成2010年3月には供用開始というかたちで、今、一生懸命やっているわけです。私は、この首都圏の拠点空港が、特に国際空港は、成田ということになっているわけですけれども、この進捗は国際公約みたいなものです、私にとってですね。ですから、その進捗状況を十分見せていただき、そしてそれを督励もしたいです。それから新しい社長が就任されているわけで、現場でこの方たちのご意見も伺いたい。それからせっかく行くわけですから、その成田の地元である千葉県の考えというものも十分聞かせていただきます。千葉県には航空関係、首都圏の航空関係ではずいぶんお世話になっています。そういう意味で感謝も込めて参ります。羽田の4本目のD滑走路、これの土砂も山土も千葉県からいただいているわけです。千葉県の中をダンプで運んでいるわけです。大変なご迷惑だと思います。そういうことについての感謝の気持ちも披瀝もしたいです。そういうことで、なるべく早く一度見たいなと。海外に行くときはあそこから飛んでいますけれども、本当にすっと通るだけです。ですから、じっくりと見せていただきたいと思っています。
   
(問) 平行滑走路を3000mにさらに伸ばすとか、そういったお話しは。
(答) そこは空港会社の努力にお任せして。そうあれば一番いいんですけれども、なかなか長い長い沿革がありますから、これは私が今そこでどうこうというアクションをとるという段階ではないだろうと。やはり空港会社が誠心誠意話し合いをすることによって、解決をしていただければと思っています。
   

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