国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年9月7日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年9月7日)
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平成19年9月7日(金)
10:04〜10:21
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が3件、条約の公布が3件、政令の決定が1件と人事案件です。当省に関係するものはありません。私から1点ご報告があります。去る6月20日に「建築確認・検査の厳格化」を大きな柱とする、改正建築基準法が施行されましたが、設計や審査に当たる実務者において、改正内容やその運用に関する情報が不足していること等から、確認申請手続きが遅延する傾向が見受けられるところであります。国土交通省におきましては、確認申請手続きの円滑化が図られるように、実務者等に対するきめ細かな情報提供に努めているところでありますが、さらに、その一層の徹底を図るため、3つのことを実施します。一つは、全国の特定行政庁及び指定確認検査機関で構成する日本建築行政会議の事務局をしている、財団法人建築行政情報センター内に、設計・施工・審査の実務者から、電話等による質問や相談を受け付ける「改正建築基準法電話相談窓口」を開設することにしています。二つ目は、関係団体等に対する改正内容や運用についての周知の徹底。これは中央の団体に対する説明会とともに、各地域ブロックに、本省担当課長等を派遣し、地域の団体に対する説明会についてもきめ細かく実施していきたいと考えています。三つ目は、関係団体に対して、Q&A(質疑応答集)を含め、これまでの関係情報を電子媒体として提供し、各団体のホームページへの掲載を依頼するなど、その周知徹底を図ります。後ほど事務方からも説明させます。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 今の関連なのですが、耐震強度偽装の防止ということで手続きを厳格した結果、こういうことが起きているのだと思うのですが、大臣ご自身は手続きの変更に伴う混乱について、どんな印象を持っていて、どんな問題意識をお持ちか、改めてお考えをお聞かせください。
(答) 設計等につきましても、構造設計・設備設計等、一定の基準に達している人達に対して、特別にその人しか関与できないようにする規定を置きましたし、審査をダブルチェックしようと思い、ピアチェック制度を導入しました。そのようなことから、申請をさせ審査の結果若干誤り等があった場合、申請人である建築設計者に対し、以前は補正をかけるというようなことがありましたが、今回はそうではなく、軽微な誤記等は別にして、その点について注意をして、もう一度出し直してもらうという手続きを取っています。したがって非常に慎重になっているということが1つあります。それからチェックする方についても、ピアチェックですから自分が特定行政庁において審査したものをもう1度審査されるので、相当慎重になっているということもあります。そのようなことが相まって、申請件数が減少しました。景気が悪くなって着工件数が減るということではなく、そのような手続き上の問題で対前年申請数が23%、着工件数が減るというような事態が生じました。ただ、我々の方はこれまでもQ&Aをホームページで、今までに222件についての問い合わせに対して、きめ細かく答えております。近くこれが1冊の本になります。それから研修会等も開催し、申請から審査についての期間を伸長する等できるだけのことはやっています。何しろ大きな改正でしたので、これに慣れるまでの期間、ご迷惑をかけていると思います。したがって、1日も早く各人が習熟して、事故のない建築確認が行われるようにしていかなければならないと思っています。また、住宅局では懸命の努力で考えつくあらゆる事を、今行っているということを申し上げたいと思います。
   
(問) 先日、成田空港にいらっしゃったと思いますが、改めて空港を視察して、どのような印象をもたれたのかと、空港会社のトップの方と話し合いをもたれたと思いますが、どのようなお話をされたのでしょうか。
(答) 私も、外国に行くときに再々使っている空港ですけれども、それは、乗り降りする限られた場所だけでした。今回は多少時間をとって、全部とは言えませんけれども、主要な箇所はきっちり見せていただきました。印象としては、素晴らしい空港ということを感じました。内陸空港ですから騒音問題もありますけれども、現状では、千葉県及び成田市は、空港と共生しようとしています。私から空港に「成田市と共にという気持ちを持っていただきたい」と申し上げました。そのような雰囲気が会社においても、地元におきましても、双方に醸成されつつあるということを強く感じました。この視察をさせていただく一つの目的は、2,180mしかない滑走路を2,500m北の方へ延伸するという工事の進捗状況等を視察させていただくことです。2010年3月供用開始ということは、ほぼ諸外国にも国際的公約となっていますので、これについて見せていただきました。また、そのような素晴らしい空港ができ上がる過程におきまして、5名の警察官の殉職があったことは、周知のとおりですが、そういう方々に対する追悼供養と言いますか、ご冥福を祈るということも私にとっては大事な一つの目的でした。それから、空港の中で、narita nakamise(ナリタナカミセ)とかナリタ5番街という、免税ブランドモールと言って良いと思いますが、それが、非常に綺麗に整備されていまして、著名な会社の店が、非常に広くとられていまして、買い物客も快適にたくさんの方が楽しんでいる様子が伺えました。それから、堂本知事と懇談をさせていただきました。堂本知事も東京から私が行くということで予定を繰り上げていただきました。成田だけでなく、羽田についても飛行機が増便されることについて、千葉県の県民、市民には大変ご迷惑をかけています。それは騒音の問題です。どうしても両空港に着陸あるいは離陸するためには、成田市を中心とする相当範囲の広い千葉県の上空を飛行しなければなりません。そういったことから、こういうものに対してご理解をいただいているということについて、また、漁業者の方が二十数団体があるわけですが、そういう方々のご理解を得られていることについても、知事の格別のご協力があったということを私から申し上げました。羽田の第4滑走路の埋立の土砂は全て千葉県内から頂いているわけでして、1日6000台にも及ぶダンプカーによる運搬が行われています。我々としましては、少しでも県民の方々にご迷惑をかけないためにということで、できるものについては高速道路を使って欲しいと考え、それをきちんと履行できるような措置も執っているということも申しまして、その点については堂本知事からも評価していただきました。
   
(問) 築30年以上の老朽マンションなどの住宅について、検査を進めて建て替え促進という政策を政府として執っていくという報道がでていますが、その点につきましてお伺いしたいのですけれども。
(答) 築30年ということになりますと、昭和56年に建築基準法の耐震基準が強化された以前の建物です。そういうところに地震があれば多くの被害が出るわけです。マンションですから、たくさんの利害関係者、所有者がおられるわけで、建替えについては民法では全会一致が原則として決められているのですが、区分所有法により現在は5分の4以上の賛成で建て替えることができるのですけれども、それについて、5分の4というのもなかなか採りにくいんですね。そういうことから、現在、法務省、これは法律の仕組みですので、法務省ともその問題について、建て替え易くする法制についての検討をしていこうとしているわけです。そういうことが報道されたのだろうと思います。私も阪神・淡路大震災の過程で大変たくさんの方から建替えについての相談を受け、現実に私が助言したようなものもあるのですが、非常に困難です。特に建物自身が不適格の建築物というものもありまして、そういうものを建て替えるときには、建築基準法令に従って建て替えますと、容積が減ってしまって、戸数が確保できないというような問題もあり、これをめぐる法律問題は非常に大変です。したがって、地震等で倒壊した場合の法律的な整備も大変難しい問題があります。そういう点で法務省と検討していこうということです。
   
(問) 台風9号の被害、各所に爪跡を残しているようですけれども、これまで、例えば、河川で橋が落ちるとか、取り残された人がいるのですけれども、これまでの被害で思うようなところをお願いします。
(答) 台風9号は神奈川県に上陸し、現在東北地方を北上中でして、一旦海に出ますけれども、また北海道に上陸するという情報です。スピードも速まっているようです。現在までの人的・物的損害は報道されているとおりですが、心配していました大量降雨による破堤、堤防が破れるというようなことには至っていませんし、大きな河川について、現在までの話ですが、徐々に水量も減りつつあるということで、ほっとしているところです。ただ、1名が亡くなり、1名が行方不明ということについては哀悼の意を表したいと思います。
   

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