国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年9月25日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年9月25日)
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平成19年9月25日(火)
9:45〜10:16
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は、国会提出案件が20件です、当省に関係するもので特にご報告するものはありませんでした。本日の閣議におきまして、安倍改造内閣は総辞職いたしました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 今日、閣議の場で何か安倍総理から一言ありましたでしょうか。
(答) 丁重な挨拶がありました。短い期間ではあったけれども、閣僚の皆さんの支援によって仕事をすることができた、自分の体調不良で総辞職することについては、国民に対して非常に申し訳ないという趣旨の話と、後継の総理を中心に日本の国家国民のためにまた頑張っていただけることを期待するという趣旨の話がありました。また、自分の体調を一日も早く回復した上、また国家のため頑張っていきたいという趣旨の話もありました。そのような挨拶でした。
   
(問) 自民党の新しい総裁に福田さんが決まりまして、それに合わせて自民党執行部も決まりましたが、それについてのご感想をお願いします。
(答) 参議院選挙での惨敗を受けまして、衆参がねじれの状況になりました。このような中で、国家のため、国民のために安定した政治を行っていかなければならないわけでして、そのための布陣として、自民党の誰が見ても実力のある人たちを党役員に配置されたということは、私はこのような時期の中で行われた党役員人事として、福田総裁の決意といいますか、決断をうかがわせるものであります。決して派閥のどうこうということではなく、政治の経験もあり、実力もあり、あるいは統率力もお持ちの方、あるいは野党との人脈、あるいは論戦でも十分渡り合える人たちを配置されたと私は評価しています。
   
(問) 福田新内閣の組閣がありますが、福田新内閣に対する要望等ありましたらお聞かせください。
(答) 厳然たる事実として、参議院では野党が過半数を占めています。したがいまして、やはり国家国民の望む政治をしていく、適時適切に必要な法律は通していく、予算も通していくということになれば、これは与党野党問わず日本国家のために、話し合いによって早急な解決を図っていくことが必要です。大変困難な作業ではあるでしょうが、これは双方が互譲の精神を持って、党利党略ではなく、国家国民のために結論を早急に得て、必要な法律は通していくということでやっていただかなければ、これは大変なことになると思います。是非、そのような大乗的な立場でやっていただきたいと思います。振り返れば、平成10年の参議院選で自民党が過半数を23議席割り込みました。その時、公明党は24議席を頂戴していたわけでして、この両党が協力すれば政治は安定するという状況がありました。それまで、昭和39年の立党以来、自民党とはいつも敵対関係にあったわけですが、しかしそうではないということから、金融機能の早期健全化法等、日本の銀行がこれ以上倒産しないようにということで、話し合いによりこれを成立させ、そして銀行に対して必要な資本注入の道を開いたという経過があります。党利党略ではなく、国家のために国民のためにという視点で、あの時はいろんな反対等ありましたけれども、そのようにしてきたことを思い起こすわけでして、現在も全く同じような状態であるように思われます。したがって、互譲の精神で、是非党利党略ではなく、必要な部分については合意を得て、政治を進めていただきたい、これが福田内閣に対する私の希望です。
   
(問) 福田新総裁が、道路特定財源の見直しに関して慎重に議論すべきと発言されていますが、それについて大臣のご所感をお願いします。
(答) 道路特定財源はもう言うまでもなく、道路を必要とする自動車を運転する人たち、そういう人たちから、本則に加えて暫定税率としてほぼ倍の税金を払っていただいているわけでして、いわばそれは目的税として、道路の整備あるいは道路に関連したものに使うという約束があると思います。しかしながら、種々の議論を経て、昨年末の道路特定財源に対する具体策の中で、そのようにして入ってきた税収を全額道路に直ちに入れるということは止めて、道路歳出を引いた残りについては一般財源に入れ、ただし税率はそのまま維持するという合意ができているわけであります。これをどう解釈してどう運用していくかということについては、暫定税率を維持するということになれば、これは負担の方でありますから、国民のご負担いただく方に十分にご理解をいただくというために、国民が受ける利益、受益の面もはっきり示さなければならないということを私は申し上げました。そして、本年中に道路の中期計画を国民の前に明らかにし、道路整備に必要な総額を明らかにするということで、国民にご納得をいただこうとしているわけです。暫定税率は時限法であり、日切れ法でありますから来年の3月で切れるわけです。したがいまして、福田内閣においては、どのように予算に反映させ、そしてまたどのように執行されていくのかということについて、国民にご納得いただくために、説明がきちんと必要だと思います。そういう観点でこの福田内閣においては、受益の面をはっきりさせようということをおっしゃっているのであろうと思います。負担の方を軽減する、即ち暫定税率を止めてしまうとかそういうことは思っておられないと思います。受益の方を明らかにするということであろうと思います。
   
(問) 昨日、安倍首相が初めて会見を開かれて、辞任に至った本当の理由をおっしゃったわけですけれども、説明が遅いのではないかという指摘も一部にあり、そのことについてのご所感をいただきたい。もう一つ、改造内閣がわずか1ヶ月余りで総辞職ということになりまして、国会も停滞を余儀なくされたと思うのですけれども、これについて改造内閣の1ヶ月を振り返ってのご感想をお願いします。
(答) 改造内閣は30日間で総辞職となりました。大変短いことでありましたが、総理の体調不良ということを考えればやむを得なかったのではないかと思います。相当に無理な、ハードな旅行をされ、その間も体調が悪いのに辛抱されておられたのだと思います。昨日の会見でもその点については、明確に総理の口から謝りの言葉がありました。そのことを前回申し上げなかったのは、自分としても反省しているという趣旨の話もありました。総理も体重がその時のお医者さんの話で5キロ程減ってそれが回復しない、最近は食欲も若干回復しつつあるものの時間をかけて回復を待たなければならないという趣旨のご発言を聞きましたけれども、人間は体調ということが基本ですから、そうであるとするならば、ハードな総理の仕事には耐えられないという判断はやむを得なかったのではないかと思います。所信表明もされ、特にテロ特別措置法の延長については、自分の全体力・精神力を傾注しても延長しなくてはならないという意気込みがあったと思うのですけれども、体力が持たなかったということではないかと思います。そしてまた自分がそのような体力のままで押し留まるよりは、新しい人にやってもらうことで、国際的な貢献はやはり続けて欲しいという意思を聞いたわけでありまして、国民の多くの方もそのように感じていただいたのではないかなと思います。以上です。
   
(問) 福田総裁個人の評価として、大臣はどのように捉えられているのでしょうか。
(答) 連立政権を組んでいまして、私は公明党の幹事長をやっていましたので、1200日を超える長い期間、森、小泉両内閣において官房長官を務めておられた福田さんは、その間よくお付き合いもさせていただきましたし、同じ昭和11年生まれで、私は6月で、福田さんは7月、そして山崎拓さんが12月ということで、3人でよく飲んだりして、その中で私が一番兄貴だぞなんていう話もしたことがあるくらい親しくさせていただきました。私が当選した頃、日韓議連というところに私が入らせていただいた時の会長がお父さんの赳夫さんでした。その頃、ご子息として秘書官であった福田さんともお付き合いをさせていただいた記憶もあります。そういう長いお付き合いです。そして、温厚なお人柄です。それから私に公文書館をもっと充実したいという熱弁を奮っておられました。私もそのとおりだということで、福田さんと一緒に公文書館を視察させていただいた記憶もあります。また皇室典範とか、靖国神社の問題で、代わるものではありませんが、そうではなく、国立の追悼施設を作るべきではないかという趣旨の議員連盟で、福田さんと共に幹事を務めさせていただいたこともあり、思い返せばたくさんの思い出がある人です。大変公平な人、はったり等がない、正直な正味の人だと私は感じています。
   
(問) そのような福田さんがこの局面において間もなく総理になられることについて、このタイミングでどういうことを進めて欲しいとか、絡めてどのようなご感想をお持ちでしょうか。
(答) 皆さんがおっしゃっているとおり、福田さんは71才ということで、お父さんもそのようでしたが、安定しているというか、本当に誠心誠意の人ですし、適任だと思います。党内でも多くの派閥が、福田さんだったらということで支持されたように、挙党体制を組むのに適任の人ではないかと、私は期待しています。
   
(問) 現在福田さんの方で組閣の準備に取りかかっているところですが、今のところ総理から何かご連絡等ありますでしょうか。
(答) 残念ながらまだ何もありません。
   
(問) 安倍内閣を振り返ると、美しい国であるとか、戦後レジームからの脱却ということを掲げて行ってきたわけですが、結果として参院選の惨敗、短命内閣で終わったわけですが、政策の方向性自体や安倍内閣の方向性自体は、振り返ってみてどう評価されていますか。
(答) 私はたくさんの仕事をされたと思います。改造内閣を含めて本日で365日ですが、例えば、戦後、憲法施行後60年を超えるこの長い間、96条の改正手続規定が作られていなかったということは、我々も内心忸怩たるものがありましたが、本当に1年の間に、それに果敢に挑戦され、いろいろな反対がある中で、憲法改正手続の規定を取りまとめ、法律を施行できたということは、これは後で振り返れば非常に大きな成果であったと評価されることであろうと思います。本当に長い間、歴代内閣が何代にもわたって挑戦してきたものとして、教育基本法の改正もあります。これも憲法と同等、あるいはそれに次ぐ法規範だといわれているものを、森内閣の時代から本当にねばり強くやってきたわけですが、議論を重ねて成果をきちんと得られました。野党の激しい反対がある中、このようなことをきちんとやり遂げたということは、本当に大きかったと思います。それから防衛庁の省昇格というのも非常に長い間の懸案事項でありました。これに対してもいろいろな考えの方がいる中で、国の基本である、26万人もいるこの役所を内閣府の外局ではなく独立した防衛省とし、防衛大臣がこの間に誕生できたということは、後に振り返って非常に大きく評価されるものだと思います。私もいつも言いますように、美しい国日本というのは、子どもや孫たちが自信と誇りを持てるような安全で安心な国づくりをするという解釈をしていますが、そのような意味で、方向性は正しかったと思います。それから、なによりもプライマリーバランスを2011年までに黒字にするという、先代の小泉内閣の政策を踏襲して、厳しく聖域なく歳出を削減していく、歳出・歳入一体改革を行われたということは、大きいと思いますし、そのような中で、大企業中心ですが日本の景気を回復させるということも、やはり安倍内閣の時代にきちんと路線が敷かれたと思います。土地も16年ぶりに値上がりに反転でき、短い期間ですが方向性は誤ってなかったと思います。
   
(問) 政治資金の関係ですが、現在自民党と公明党で協議され、1円以上の領収書の添付と公開について議論されてますが、それぞれについてどのようなお考えをお持ちか教えて下さい。
(答) 政治資金規正法の仕組みをもう一度振り返っていただきたいわけですが、全ての支出について、帳簿に金額の如何に拘わらず、1円以上の支出の相手方やその内容等とともに金額を記載しなさい、まず、そういう帳簿を作れということがあります。それから、その裏付けとなる領収書等の帳票書類ですが、現在は、5万円以上の支出について、領収書等を徴取し、保存しておかなければならないとなっています。これが政治事務所でしなければならない仕事です。そして今度は、政治資金規正法に基づく届出、各選管なり、総務省あてに届出をするということについては、一般の費用と政治活動費用とを分けて、政治活動費用の部分については、その5万円以上の支出について、領収書の写しを添付して、届け出なければならないということになっています。ですから、普通の費用については、事務所費等いろいろ問題になりましたが、それについては、総額を書けば良いわけで、5万円以上の支出であっても、領収書の添付は求められていないわけです。領収書は一切添付することを求められていません。これが現行法の仕組みです。公明党では、1円以上の支出についても、相手方から領収書等を徴取し、保管しなければならないということを求めています。ものすごい嵩になりますから、一定限度にはなりますけど。政治資金規正法による届出の際に、それを全部添付していたら膨大な資料になります。したがいまして、政治活動費用についてのみとするのか、あるいは、一般の事務所経費についても、一定限度の領収書は添付して届出をするべきなのか、こういうことが議論になるわけです。事務所費用についても、従業員の賃金とか、あるいは、家賃とか、電気ガス代とかについては、そういう定型的なものにまで全部領収書を必要とするのか、この辺りが一つの問題だろうと思います。印紙代とか切手代とかもあります。どの範囲まで届出で明確にし、領収書の写しになるのでしょうけど、それを添付させるのかということが一つの問題点です。それから、政治活動費については、今、5万円以上の支出について領収書の写しを提出することになっていますけれども、それを、いくらまでにするのかということが議論の対象になるわけです。議論の中で、例えば、一般の会社は1円以上は全て領収書を添付しているじゃないかとなっていますけれども、一般の会社は公開していないのです。一般の会社の領収書を見られるのは、税務署の職員だけでして、税務署の職員はそれを見て違法な点があれば、脱税、その他で告発をしたり、あるいは、追徴したりするけれども、一般の人がそれを見るわけではありません。もし、一般の人がその会社の領収書や帳簿まで、全部誰でも見られるということになれば、商売できなくなります。例えば、新聞社を考えていただければわかりますが、取材する時に誰と会ったとか、誰と会ってどれだけのお金を使ったとか、どこで食事をしたとか、そういうことをいちいち全部競争会社の人に見られたのでは、取材の秘密なんて守れなくなります。同じように、一般の会社もそうだと思います。商売敵もいるわけですから。そういうことが議論になりました。政治家であっても、いろいろ使った先が1円まで全部公開となると同じです。政治家の場合は、皆様方にも見られますし、違う党の人も全部見るわけですから、どこまでにしていいのかという議論、公開の範囲なり、あるいはその程度なり、そういうものについてどう考えるのかということが大変な議論になりました。今後も、これについては早急に結論を得て、立法措置を執ろうということです。公開の範囲、集めた資料を誰がどの程度まで見られるのかということについては、議論がまだ収束していません。今後詰めていきましょうということになっています。
   
(問) それについて、自民党と公明党とで見解が分かれているところだと思いますけれども、大臣のお考えをお願いします。
(答) これは私の考えももちろんありますけれども、この件はその考えを押しつけるわけにいかない性質があります。この間も詳しく申し上げた通り、自民党と公明党、あるいは共産党、民主党、全部違うのです。ですから、そこは違いをよく協議しながら、コンセンサスを得たところは立法化するということです。みんなが全部納得できるということにはなりませんけれども、コンセンサスを得て、これを立法化して、国民の期待に応えていかなければなりません。これはできるだけ透明性を確保するということに尽きるのだろうと思います。
   
(問) 1円以上の領収書を保管するということは、当然であるということですか。
(答) それはそうです。ただ、もらえないものもあります。香典とかお祝いとか。皆さんだって、何もかも領収書をもらっているわけではないと思います。ですから、もらえないものについては、もらえない理由をきちんと書き留めるなどするしかないと思います。
   

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