国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年12月4日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年12月4日)
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平成19年12月4日(火)
9:42〜9:58
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は一般案件が2件、国会提出案件が8件、政令案が9件と人事案件です。当省の関係では、政令案の決定が1件、「一般国道の指定区間を指定する政令の一部を改正する政令」の決定がございました。内容は、一般国道の維持、修繕、災害復旧その他の管理を効率的に実施するため、津軽自動車道の浪岡五所川原道路の12月14日の供用開始に伴い、国土交通大臣がその管理を行う指定区間を追加して指定する等の改正を行うものです。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 道路特定財源なのですけれども、揮発油税の地方への配分額を増やすよう求める声が自民党の中で高まっています。一方、公明党の中では自動車重量税の暫定税率を引き下げるよう求める声が高まっています。これについて、ご所見をお願いいたします。
(答) 現在、道路特定財源の見直しについて、政府内でも、あるいは各方面で鋭意検討を進めているところでして、与党内においても様々な意見や論議が出されていることは承知しています。道路特定財源については、昨年末の閣議決定において暫定税率による上乗せ分も含め現行の税率水準を維持することを決めているので、これを削るという思想はありません。地方道路整備臨時交付金につきましては、揮発油税の4分の1を財源とし、地方が自主的、主体的に行う道路整備に対して交付するものです。今年度末までの時限措置ですので、所要の改善を図りつつ、継続するように現在検討しているところですが、揮発油税自身本税も暫定税率も維持しながら、税収の内の4分の1というのをもう少し引き上げたらどうかという意見や議論が与党の中で行われていると承知しています。いずれにしても国土交通省としては、昨年末の閣議決定に基づき、年末に向けて与党ともよく連携しながらそれを検討し、決定していきたいと考えています。以上です。
   
(問) 10月の住宅着工統計が35%マイナスと、若干前の月に比べて下げ幅が縮小しましたけれども、まだかなり大きい下げ幅だと思いますが、そのご所見と、追加で対策が必要なのか、それとも、これまでのこうした対策で十分なのか、その辺のお考えをお願いします。
(答) 先週公表しました10月の住宅着工件数は、9月と比較しまして増加に転じています。9月が63,018戸に対して、10月は76,920戸、すなわち22.1%増です。また、建築確認につきましても着実に改善しています。9月が42,414件に対して、10月は53,218件と25.5%増です。前年同月比については、確かにおっしゃるとおりですけれども、昨年の数を見てもらうと分かりますが、128万戸は近年にない高い水準でした。したがいまして、今回はこういう大問題が起こりましたので、これに対して建築基準法と建築士法の大改正を行いました。これがきちんと通常のようになるまでには、若干の時間が欲しいわけです。もちろん手をこまねいているわけではなく、あらゆることに対して手を打ちながら、また運用についてもできるだけのことをしながら、本質は二度とこういう不届きなことが行われないようにするという改正ですので、国民の皆様方にご理解を賜り、温かい目で見守って欲しい。そして、私としては、増加に転じているので、これを加速するようにあらゆる手を打っていきたいと思います。ただ、この冬場に向けて、遅れていた確認が下りたとしても、雪の季節を迎えた地方におきましては、確認の手続きが終わったとしても直ぐに着工できないという事情があります。したがいまして、そういう面につきましては、政府系金融におけるきめの細かい融資、あるいは、信用保証協会における保証といった資金手当についても十分に手当しながら、そういう方々の要望等もきめ細かに吸い上げていきたいです。そのために、私も今週はちょっと忙しく本日も今から出張しますが、なるべく早い時期に都内になるかと思いますが、現場を選んでその実情を直接お聞きしたい、このような機会を持ちたいと思っています。日時と場所が決まれば、皆様方にはその前日までにはお知らせしたいと思っていますが、現在は検討中です。
   
(問) 九州新幹線の西九州ルートについて2点お伺いします。昨日佐賀県の古川知事が着工条件のルールについて、来週にも手続きを見直す可能性が高いと県議会で答弁されていますが、これについて大臣のご所見をお伺いしたいのが1つ。もう1点は、ルールの見直しですが、ルールの見直しをすれば、反対している鹿島市の民意の切り捨てにつながりますし、もともとそうしないためのルールだったと思います。着工できないからそれを変えるということは、そもそもルールは何だったのかということにもつながりかねないし、公共事業の前提が崩れることにもつながりかねないと思いますが、その点について所見を願います。
(答) 私は一貫しており、平成16年の政府・与党申合せの中で、いわゆる並行在来線についてそれを廃止する場合には、市町村の同意を得ることを着工条件として合意しています。それについて、今言われた鹿島市と江北町が強く反対されている事実があり、平成17年度から19年度は予算を計上しながら、着工できずにそれを流してしまったという事情があります。ご案内のとおりですが、私も一昨日長崎に参りまして、知事はじめ関係者とお話しした時にもいろいろな議論が出ました。ただ、安倍内閣の時に、安倍総理が年末までに政府与党でこの問題についての協議会を開くようにしたいとおっしゃいました。これは綸言汗の如しであり、我々も守らなければならない。ただその中で、この問題を扱うという意味はなかったのですが、しかしながら自由民主党・公明党の新幹線についての委員会では、九州のいわゆる長崎ルートにつきましても検討するようなことが書かれています。それは政府が入っているものではないですよ。政党の方です。ですからそれは政党の方で、あなたがおっしゃったような問題がありますから、どういう取りまとめをされるのか、それを提案された場合に我々がそれを受けられるのかどうか、これは全然別問題です。佐賀県の知事さんがどう言われたか私知りませんが、見直しと言っているのですか。
   
(問) 来週にも手続きを見直す可能性が高いと。
(答) そうですか。私は見直すと聞いてません。困ったから変えるというようなことは、これは信頼関係を損ねますから、そこはここに書かれたように並行在来線を廃止するという場合には、その地域の同意を得ることということは些かも変わっていません。それをどう解釈してどう運用するつもりなのか、そういう点についていろいろな案があれば、提示していただきたいと思います。
   
(問) 本日、フランスのカンヌで世界的権威がある旅行の見本市があるのですが、そこに日本がはじめて参加します。世界に向けて観光をPRするいい機会だと思いますが、一方で先月から始まった旅行者に対する指紋の照合制度について批判が高まっています。これについてどういうバランスで観光政策を行っていくお考えでしょうか。
(答) 昨年の5月17日に出入国管理及び難民認定法の一部改正法が成立し、24日に公布されています。その法律に基づいて、1年半ほどの周知期間をおいて今年の11月20日からこの法律が施行されたということです。その法律によれば、訪日外国人に対して入国審査において指紋の採取、顔写真の撮影を義務付けるという新しい入国審査手続きが取り決められていて、それが施行され開始されたということです。指紋採取は押捺するのではなく電子的に読み取りをするもののようですけれども、いずれにしてもそういうことが行われることになりました。この法律改正の趣旨ですけれども、これはご案内のとおりテロの未然防止で、世界各地でテロが行われているわけでありまして、日本国内でそういうことが行われることがないようにという趣旨で定められたものです。我が国がより一層安全で安心な国であるようにするためのものであるということです。私が大臣になる前の法律でありますけれども、そういうことで賛成多数で衆参で可決された法律です。11月20日から今日まで日は短いですけれども、概ね円滑に適用されているという報告を受けています。しかし、この制度につきましては、今あなたが質問されたように、外国人から一部不満や懸念が示されているということも聞いております。私は観光立国推進担当相として外国からたくさんの方に来ていただこうと一生懸命やっていて、2010年には1千万人の方に来ていただこうということであらゆる努力を重ねているわけですが、そういう観点から新制度の運用状況を注視しなければならないと思っています。そして訪日外国人に対してこの制度が持つテロ対策という意味、あなた自身が日本でテロに遭うことがないようにするための制度なのですという趣旨を徹底するとともに、ご理解をいただくように努めなければならないと思っています。また運用上何か必要であるということがあれば、法務省に対して要請もしてまいりたいと今思っているところです。
   
(問) 例えば今回の見本市は富裕層を対象にしたものなのですけれども、富裕層の人からも指紋や顔写真を採るのかといった声もあるのですが、どうなんでしょうか。そういうところも見直す可能性はあるのでしょうか。
(答) 人は平等でございまして、属性によって差別するつもりは全くありません。やるかやらないかだけです。
   

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