谷垣大臣会見要旨
2008年9月5日(金) 10:42 〜 11:02
国土交通省会見室
谷垣禎一 大臣
閣議・閣僚懇
本日の閣議は、当省に関係するものでは政令の決定が1件、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」の決定がございました。また本日の閣僚懇談会では、当省案件に関連して、関係大臣から「安心実現のための緊急総合対策」についてご発言がありました。私からも、前回の閣議でも発言をいたしましたが、関係施策について全力で取り組む旨を申し上げました。その上で、高速道路料金の引下げ、離島航路や地方バス等の生活路線の維持、例えば、単品スライド条項の対象品目の近日中の拡大等、厳しい経営環境が続いている地域の建設業、不動産業、運輸業等の関係業界についての支援、地震や集中豪雨等による被害の早期復旧、防災対策、低炭素社会の実現のための施策等に取り組んでいく旨発言をいたしました。私からは以上です。
質疑応答
(問)総裁選について、麻生幹事長に加えて与謝野さん、小池さん、石原さんの出馬が有力視されていますが、大臣ご自身のスタンス、出馬されるかされないかがもし決まっていたらお伺いします。
(答)これは今日同志とよく相談して、出来れば今日中に結論を出したいと思います。
(問)大臣は閣議後の会見で総理が辞任してからも会見をして頂いていますが、総理ご自身の本来なら一日2回ある「ぶら下がり」に応じないとの異例の事態となっていますが、そうした行動について大臣はどうご覧になりますか。
(答)異例かどうか分かりませんが、小泉さんはこういうことが非常にお得意で上手に活用されたと思います。福田さんは小泉さんと比べると非常にある意味謹厳なところがあるので、「ぶら下がり」のようなスタイルというのはあまりお好きではないのかもしれません。
(問)説明責任についてはどう思いますか。
(答)「ぶら下がり」が必ずしも説明責任を果たすということとすぐ結びつくとは思いません。「ぶら下がり」が説明責任に資することもあると思いますが、それぞれ色々な形で総理の職にあられる以上は説明責任を果たしていこうとされていると思います。
(問)国交省は特に災害時等の有事の際に国を守るという立場で動かなければならない組織だと思いますが、今の総理のお立場は辞めると決めたものの、まだ総理は総理の席にありますが有事の際は大丈夫なのでしょうか。災害対策本部等々設置されると総理がトップだと思いますが、そのトップが一日2回の「ぶら下がり」に応じず何を考えているか分からない状態で果たして有事の際は大丈夫なのでしょうか。
(答)今の「ぶら下がり」の対応と有事の際の対応とを一緒にして論じることは出来ないだろうと思います。「ぶら下がり」は「ぶら下がり」、有事の対応は有事の対応ということではないですか。
(問)自衛隊の高級幹部の会合に欠席したり、代理人を立てないような状態は、かなり責任を放棄しているというように見られても仕方がないように思えますが。
(答)それは総理がどうお考えになってやったのか、私は直接伺った訳ではありませんから適切なコメントが出来るとは思えないです。実は総理が辞任されるということは要するに内閣総辞職ですから、その時の今までの既定の、あるいは日常的業務はきちんと果たしていかなければならない訳ですけれども、これからやるぞと言う時に比べると、ある意味では積極的なことは私自身も言いにくくなっていることは事実です。こうやるぞと言っても後は次の方に引き継がなければならない訳ですから。そういう意味では発言に慎重になるということはあると思います。
(問)閣議の内容になるかと思いますが、各省庁を預かる大臣が国政、行政を維持する指示やお話し等は出ましたか。
(答)本日先程申し上げたこの前の緊急総合対策ですが、これについて各閣僚から発言があったのを、まとめて以降のフォロー状態といいますか、そういうのをそれぞれ発言したというのは、やはりこういう決まったことはきちんとやっていかなければならないということです。そういう現れの1つだと思います。
(問)熊本の川辺川ダムですが、来週県知事が意見を表明します。しかし、そもそもダムを建設するかどうかを決めるのは国土交通省です。大臣としては知事の判断をどれくらいご尊重なさるおつもりでしょうか。
(答)こういう治水、あるいはダムというものを進めて行くには地域の理解、協力というものが無しに進めていくのはなかなか難しいことです。やはり知事が、それぞれ県の中で色んな方の意見をお聞きになって、そして知事としての判断を下されるということは重く受け止めなければならないと思います。ですからそういうものを重く受け止める訳ですが、勿論今仰ったように最終的な判断は国土交通省がしなければならない訳ですから、全部知事の判断に、言うなればおんぶして責任を回避するということになってはいけないのは勿論ですが、やはり地元の自治体の責任者である地元の知事のご判断は重く受け止めながら、責任者としての判断もしていかなければならないということではないでしょうか。それ以上はやはりちょっとなかなか今の段階では言いにくいです。
(問)総裁選のことですが、出来れば今日中に同志と相談された上で、出来れば今日中に決めたいということですが、火曜日の会見で大臣は「万物は流転するから現時点では分からないけれども今のところは考えてはいない」と仰ってましたが、その頃から比べるとどちらにギアが入っているのでしょうか。
(答)あの時は、要するに晴天の霹靂のようなことであったので、私自信も自分の頭の中が十分整理されていないということでしたし、色んな私の周囲の方々がどういう風にこの事態を受けて止めて打開しようとしているのかということについても、十分意見を伺う時間があまり無かったことも事実です。その後、色々お話を伺ってそういうことも考えながら判断していかなければいけないということです。
(問)ご自身としては立候補したいという意向を同志と共有したいということですか。
(答)その結論は今日出すということです。今はなかなかどう答えて良いのか、ちょっと申し上げかねます。
(問)総裁選挙ですが、同志の方の大臣ご自身に出てくれという声はけっこう強いのかどうかと、大臣ご自身が出る出ないを判断する基準というか、何がクリアされれば出ると決断されるのか、あるいはクリアされなければ決断されないのか、それはどうなのでしょう。
(答)総裁選挙というのは党のあり方というか、党の中での議論の状況、政策判断、政治的スタンス、こういうものをはっきり示して各候補が戦って、その結果、党のスタンスに対する国民の理解、それから国民と党の関係、あるいは政治との関係というものがより緊密になっていくという姿が望ましいと思います。そういう意味におきましては、その時々の政治状況もありますから、シャンシャンと決まってすんなりというのが良い時もあるのかもしれませんが、今のような事態ですと、自民党という党は一枚岩ではない訳です。党の中に色々な考え方がある党です。経済財政政策についてもそうでしょうし、外交政策についてもそうですから、ある意味でそういうものが浮かび上がってきて、議論を戦わせていく。そして、最後に集約されていくという姿が望ましいのだと思います。そういう形が出来るか出来ないかということもあります。それから私個人の行動に関しては、そういう中で自分が何か果たせるものが有るのか無いのか、果たすべきものが有るのか無いのかというようなことも関係してくるだろうと思います。
(問)先程、色々な考え方があるので議論の中で浮かび上がっていくと、行動に自分がどうやって果たす役割があるのかどうかということなのですが、最有力視されている麻生さんとの政治スタンスを考えてみると、外交施策は麻生さんは比較的タカ派と言われていまして、大臣は2年前の総裁選挙でも近隣外交、近隣諸国との外交の融和を図るのだと仰っていましたし、財政施策を見ても、プライマリーバランスの黒字化の問題を見ても、全然スタンスは違うと思いますけれども、その意味で違いを際立たせるために出馬する意味が有るのではないかと私は勝手に思っていますが、大臣ご自身は如何でしょうか。
(答)そういう面も無きにしもあらずと思います。だけど、政治というのは言ってみれば大体似たような考え方でも全く同じという人は殆どいません。つまり、自民党の中には党員の数だけ、永田町を見ましても国会議員の数だけ政策があると、極端に言えばそういうことですけれども、その中で、そういうものを集約していく努力をしなければならない訳です。自分の意見をはっきり言うということと、もう一つは自分の意見をはっきり言うのが結局集約化に、あるいは自分の考え方と同じような、若干は違ってもかなり似ているという勢力があるとすれば、それをどのように強化していくかということもあると思います。そこは色々な判断があるだろうと思います。
(問)今お話があった、若干似てる人たちを支える側面も勿論あるのでしょうけど、僕、若い頃京都にいて、若い頃からずっと大臣は将来の総裁候補だというところを含めて取材させて頂いてたのですが、何か今回出馬しない理由があるのか、逆に障害みたいなのがあるのかなと。
(答)まだ決めたわけではないのですが、その辺は自分の主張というもの、あるいは自分の主張と似た流れを強化していくとか、色々なことを考えなければいけないのではないかと思っている訳です。
(問)今回はバックアップに回るのか、ご自身がというところは、まだちょっと定まっていないのですか。
(答)我々の活動というのは自分一人で出来る訳ではありません。出来るだけ仲間の数を集めていく、そして自分たちの主張が出来るだけ通るようにしていくというのが大事なことですから、その辺り、今日よく相談して決めたいということです。
(問)前向きと受け取らして頂いて宜しいですね。
(答)まあ、今日一日待ってください。
(問)政治スタンスの点で少ししつこいようなのですが、昨日出馬表明された与謝野さんとのスタンスを比べてみると、大臣はかなり財政施策では骨太の方針2006の検討過程を見ても経済財政政策担当大臣と財務大臣として連携された経緯もあるので、かなり政治スタンスはその辺が似通っているかなという気もするのですが、与謝野さんが出馬された事についての大臣の感想が、もし政治家としてあればということですが、それから、集約する過程だと仰ってましたが、もし出馬された場合、与謝野さんとの違いがなかなか示せないのかなと思うのですがその辺を大臣はどうお考えでしょうか。
(答)今仰ったように、経済財政政策のスタンスとしては、大筋はかなり共通している。言うならば似たようなスタンスで一つの流れを共有してきた、という面はあると私自身も思います。ただ、それはそうなのですけれども、外交政策などで全て同じかどうかは、与謝野先生とあまり外交政策等を議論した事はあまり有る訳ではありませんので、そこら辺はよく分かりません。
(問)昨日会われたみたいですが、差し支えのない範囲でどういった中身だったのかお伺いしたいのですが。
(答)与謝野さんは、自分も総裁選挙に立候補する事を決断したので、その挨拶に来たけれども、あなたとは、つまり私のことですが、今までも同じような流れを作るということで一緒にやってきた経緯もあるので、出来るものなら応援して欲しいという趣旨だったと思います。私自身は私自身の態度がまだ未決定なので、今は全部お答えする訳にもいかないのですが、与謝野さんのような方が手を挙げられた事は私は大変評価を致したいというような事を申し上げた訳でございます。