4月長官会見要旨

最終更新日:2026年4月23日

                                    日時:2026年4月15日(水)16:15~16:50
                                       場所:国土交通省会見室

冒頭発言

(訪日外国人旅行者数等(2026年3月)について)
本年3月の訪日外国人旅行者数等についてご報告いたします。
本年3月の訪日外国人旅行者数は、約362万人となり、3月として過去最高となりました。前年同月と比べた伸び率は約4%増加となりました。
本年3月の出国日本人数は、約152万人となり、前年同月と比べた伸び率は約7%増加となりました。

(インバウンド消費動向調査2026年1-3月期(1次速報)について)
インバウンドの消費動向調査の1月から3月期の1次速報の結果についてご報告いたします。
本年の1月から3月期の訪日外国人旅行消費額については、第1四半期として最高となる約2.3兆円と推計され、前年同期比で約2.5%の増加となりました。
訪日外国人の1人当たりの旅行支出は、約22.1万円となり、前年同期とほぼ同額でございます。
なお、過去を振り返りますと、訪日観光支出がもたらす波及効果は訪日外国人消費額のおおむね2倍程度ということですので、これに倣えば1月から3月期の波及効果は5兆円程度と推測ができると考えております。

(日米観光交流促進キャンペーン2026について)
日米観光交流促進キャンペーン2026のご報告です。
先月17日に、金子大臣の方から日米観光交流促進キャンペーン2026についての発表があったところですが、日米両国で連携してこのキャンペーンに具体的に取り組んでいくことにあたり、私とアメリカ商務省のキミット次官が出演するビデオメッセージを共同で作成し、公開することにいたしました。
映像のビデオメッセージをご覧いただければと思います。
※ビデオメッセージ:2分42秒
この映像については、今後、観光庁のウェブサイトおよびYouTubeで公開して参りたいと思っております。
また、明日4月16日に、在日米国大使館のブライデンスタイン商務担当公使と観光庁において面会することにしており、観光交流の更なる促進に向けて本キャンペーンに緊密に連携して取り組んでいくということを確認する予定にしております。
引き続き、日米の官民で相互交流促進の機運を盛り上げるとともに、特別な旅行商品の造成や日本の魅力発信イベント等にも取り組んで参ります。

(「マーケティング戦略本部」開催について)
マーケティング戦略本部開催についてご報告です。
来週4月22日(水)に「マーケティング戦略本部」を開催いたします。
「マーケティング戦略本部」につきましては、本年3月に閣議決定されました、「第5次観光立国推進基本計画」を踏まえ、観光の持続的な発展・消費額拡大・地方誘客促進の実現に向けて、インバウンド市場の多様化の流れをさらに後押しすべく、きめ細やかにプロモーションを展開するための「訪日マーケティング戦略」につきまして、関係者で検討を行うということを目的としたものであります。
詳細は事務方にお問い合わせいただければと思います。

(航空機内でのモバイルバッテリーの取扱いについて)
モバイルバッテリーの航空機内での取り扱いです。
昨日の金子大臣の記者会見でも発表がございましたが、私の方からも申し上げたいと思います。
航空機内でのモバイルバッテリーにつきましては、これまで、国際基準等に基づき、預入手荷物には入れない、ワット時定格量は160Whまで、ショートしないように個々に保護すること、収納棚に収納しない、というルールが定められているところです。
これにつきまして、最近のモバイルバッテリーからの発火事案等を踏まえまして、国際民間航空機関において基準の見直しが行われたところです。これを受けて、日本においても、モバイルバッテリーは2個まで、機内で充電しないということ、そして機内でモバイルバッテリーを使用しないということ、この3点につきまして、来週金曜日の4月24日から国内線及び日本を発着する航空便から、追加で求めることとされたところです。
観光庁におきましても、旅行業協会や日本政府観光局(JNTO)等を通じまして、国内外の旅行者の方々に対しましても周知等の対応を図っているところでございます。
航空機を利用されて旅行される皆様におかれましては、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
本件の詳細につきましては、国土交通省の航空局まで問い合わせをお願いしたいと思います。

質疑応答

(問)3月の訪日外国人旅行者数と1月から3月のインバウンド消費動向調査の結果について長官の受け止めを教えてください。また、足元では中国における訪日自粛の動きやイラン情勢の悪化が指摘されていますが、こうした国際情勢が訪日客数や消費動向調査結果に影響しているとお考えでしょうか。
(答)
本年3月の訪日外国人旅行者数につきましては、約362万人となり、前年同月比で約4%増加して、3月として過去最高となっております。
23の国・地域のうち、中国と香港と中東以外の20の国・地域におきましては3月としての過去最高の数字を記録しております。その中でもインドネシア、ベトナム、米国、カナダ、イギリス、ドイツ、北欧からの訪日者数につきましては、単月として過去最高の人数を記録しており、インバウンド全体の傾向としては、好調な状況が続いているものと受け止めております。
なお、中東地域からの3月の訪日者数につきましては約1.7万人ということで、前年同月よりも約31%の減少となりました。中東発着便の欠航や減便が3月を通して発生したこと等によるものだと考えております。
消費額ですが、この1月から3月期の消費額につきましては約2.3兆円で、前年を上回ったところでございます。こちらも欧米や豪州をはじめとした訪日客数の増加、そして平均泊数の増加による要因が大きいものと考えております。
中国の訪日外国人旅行消費額につきましては、訪日者の人数が減少しているということに伴いまして、前年同期比で50%減となっておりますが、様々な国や地域から我が国を訪れる方が増加していることから、全国籍と地域におきまして、全体としては2.5%の増ということで、インバウンド全体の傾向として、好調な状況が続いていると受け止めております。
なお欧州につきましては、訪日者数、1人当たりの旅行支出も昨年を上回っているということに伴いまして、この欧州からの訪日消費額についても前年を上回っておりまして、イラン情勢の悪化による影響ということに関しましては、この1月から3月期の消費額においては、全般的には顕著な影響は出ていないものと考えております。
なおこのインバウンドの調査結果につきましては、3ヶ月間のものでありますので、3月の単月での推計データではないということから、イラン情勢の悪化についてこの消費額の評価をするということには、若干注意が必要でありまして、引き続き動向の注視が必要と考えております。
観光庁といたしましては、インバウンドはこういった様々な要素の影響を受け、国際情勢というのは、その内の一つだと認識をしておりますけれども、動向については引き続き状況を注視しながら、今後も様々な国や地域からの訪日の促進に取り組んでまいりたいと考えております。

(問)先月末に第5次観光立国推進基本計画が閣議決定されましたが、基本計画のポイントと、2030年の訪日外国人旅行者数6,000万人、消費額15兆円等の目標達成に向けた長官の意気込みを教えてください。
(答)
先月3月27日に、2026年度から30年度までの5年間を計画期間といたします、第5次観光立国推進基本計画が閣議決定されたところです。
本計画の策定にあたり、昨年の4月以降、交通政策審議会観光分科会を7回にわたり開催し、様々にご議論をいただいて、内容を充実させてまいりました。
我が国の魅力や活力を次世代にも持続的に継承、そして発展させていく観光の実現に向けて、取り組むべき政策がふんだんに盛り込まれた、充実した内容に仕上がったのではないかと感じているところでございます。
今回政策の柱というものは3つあり、1つ目がインバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立、2つ目が国内交流・アウトバウンド拡大、そして3つ目が観光地・観光産業の強靱化という3つの柱でありますが、私の方から、計画のポイントを5つ指摘させていただきたいと思います。
1つ目は、観光が、地域経済や日本経済の発展をリードする「戦略産業」であるということを明記したということです。それから2つ目は、数値目標ということでありますが、インバウンド数だけを追い求めるのではなく、例えばその3分の2をリピーターとするということ、また地方部の宿泊数の大幅な増加や消費額の拡大、こういった内容やいわゆる質的なところを重視したということです。それから3つ目は、先ほど少し申し上げましたが、「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」というものを、基本計画の柱の1つとして、地方誘客などのオーバーツーリズム対策を強化するということを初めて位置づけたということです。それから、4つ目は国内旅行消費額30兆円という目標など、日本人の国内そして海外旅行の促進に関する記載を充実させたということ、そして5つ目は、「住んでよし、訪れてよし」といった従来の観光庁の方向性に加えて、「働いてよし」という観光産業の実現に向けた目標・施策を盛り込んだことです。
この計画の着実な推進に向け、CIQをはじめとする快適な旅行環境の整備や、歴史、文化、自然、食といった観光資源の磨き上げなど、観光庁だけではなく、政府全体、関係府省庁で連携した取組が重要と考えております。
このことにつきましては、3月27日の閣議の場におきましても、金子大臣から全ての閣僚の皆様にご協力をお願いしたというところです。
私どもといたしましては、引き続き2030年のインバウンド6,000万人、そして消費額15兆円、こういった目標達成に向け、政府一丸、また官民一体となって、様々な取組を力強く進めてまいりたいと考えております。

(問)原油価格の高騰によって、温浴施設の運営コストが増加しているなか、宿泊事業者などから聞き取りを行っていればお聞かせください。また地方誘客を推進する観光行政として、支援策を検討しているのか教えていただければと思います。
(答)
宿泊業界団体などとは、日頃から意見交換を行っており、中東情勢の影響なども含めて、様々な状況については伺っているところでございます。
今回の中東情勢の影響については、原油価格の高騰によるコストの増加や、また欧州や中東方面からの宿泊客のキャンセルが一部でみられるといった声も伺っておりますが、業界全体として、例えば、燃料等の調達に支障を来しているといったような声や、あるいは経営危機が頻発しているといったような、顕著な傾向は、現時点では確認されていないと聞いているところでございます。
政府全体として、この中東情勢に対する影響への取組といたしましては、「中東情勢に関する関係閣僚会議」あるいはその下のタスクフォースというものを設置しており、例えば、これは宿泊業も含む全体の話になりますが、中小企業に対する日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付の要件の緩和、こういった支援策が講じられているところですので、観光庁としても、引き続き、この宿泊業などへの影響については注視してまいりたいと考えております。

(問)イラン情勢の影響を受けて、世界的にジェット燃料価格が高騰していますが、JALやANAでも、燃油サーチャージの値上げを検討しているということがあります。そこで航空運賃というものは訪日需要にも関わってくるところではあると思いますが、それについて長官としての見解や対応策があれば伺いたいです。
(答)
燃油サーチャージの値上げの報道については承知をしております。一方で、現時点でこういった値上げが、実際に訪日需要にどの程度の影響が生じてくるかということを見通すということは困難でありますので、引き続き状況を注視していく必要があると考えております。
観光庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、2030年の6,000万人といった目標に向け、今後航空運賃といった外部環境の様々な変化は起こるということもあり得るという前提で、より多くの国や地域から我が国を訪れていただくべく、戦略的な訪日プロモーションの実施などに取り組んでいくということではないかと思っております。
具体的に、燃油サーチャージが値上げされたとしても、なお日本に来ていただける、そういった魅力の発信や、あるいは訪日機運の醸成が重要と考えておりますので、このような取組を、これからも続けてまいりたいと考えております。

(問)日米観光交流キャンペーンの話ですが、明日大使館に行かれるということで、前回の会見で数値目標は設けないという話がありましたが、明日の意見交換でどのような確認をされるとか、観光庁側からどういうことを米国に発信していくのか、コメントをお聞かせください。
(答)
明日は、米国大使館の商務担当公使が、観光庁に来ていただくということでございます。そこでの具体的な内容についてはまた明日ということですが、まずは今年4月のキャンペーンの開始にあたって、お互い顔を合わせて頑張ろうと、こういった意思確認をすることが一番大事なことではないかなと考えております。

(問)配布資料5ページの消費額の費目別のグラフのところで確認させてください。消費額の費目別割合で宿泊費の割合が増えている形ですが、この要因分析、単純に単価が上がったということかと思いますが、お伺いさせてください。33.5%から36.7%になっていて、一千億円くらい増えている要因を教えてください。
(答)
様々な要因が関わってきますが、全国籍・地域では平均泊数が増加したということが、こういった1つの要因になっていると可能性としては考えております。もちろん今ご指摘のあったような物価に伴う上昇分も入っているかと思いますが、その2つだと考えております。

(問)買物代は割合も金額も減少しているが、その理由を伺いたい。物価が上昇して単価が上がるため、金額も増加することが当たり前だと思うが、数量が大きく減ったのか、あるいは買物消費が多かった中国人が大きく減った影響かとも思ったのだが、減少の理由を教えてください。
(答)
ご指摘のとおりかなと思っており、買物代は減少していますし、1人当たりの支出で見ても、昨年よりも減少しています。
これにつきましては中国からの訪日客が減少していますが、中国の方は統計上1人当たりの買物代支出が比較的高いので、こういった中国からの訪日客の減少が買物代の減少に繋がっている部分はあるかなと考えております。

(問)1人当たり費目別旅行支出の買物代が最も高いのが中東です。元々、中東からの訪日客数は少ないということですが、この3月は減少しています。今後1人当たり消費額が大きい中東からの訪日客が減ることの影響をどのように考えるのか、また懸念点について一言いただければと思います。
(答)
ご指摘のように中東の単価は非常に大きいですが、消費額は単価×人数で合計額ができております。中東につきましては人数がまだ全体としては少なめですので全体に与える影響はそれほど大きくはないということであります。
中東情勢ですので私の方で今見通すことはできません。落ち着けばまた中東からも多くの方に来ていただけるものと確信をしております。

(問)今回、前年同月比でマイナスになっているのが中国と中東地域ですが、この2地域が減少している受け止めをお伺いします。また、先ほどサーチャージ代などで値上げがあったとしてもやはり日本に来てもらえるようにしないといけないというようなご発言もあったかと思います。こうした航空燃料のようないわゆる外部要因に観光産業は左右されるかと思いますが、観光庁としての今後の対応の意気込みなどを教えていただけますでしょうか。
(答)
中東地域からの3月の訪日客数につきましては31%減少となっておりますが、これは先ほど申し上げましたような状況、そして中東発着便の欠航や減便が3月を通して発生していたことが主な減少の要因と考えております。
他方で、ヨーロッパ、あるいは北欧地域からの、訪日者数につきましては約25万人で、これは前年同月比23%の増加となっております。
この中には中東の空港を経由して来られるお客様も一定数はいると思いますが、大半の方は直行便やその他の国の経由便など様々なルートで訪日をされていると承知をしております。
今般の情勢を受けた航空便の運行状況や燃油高騰による需要も含めたインバウンドへの影響について、観光庁としては、日本政府観光局(JNTO)の各事務所等を通じて情報収集を行っております。現時点ではどの程度の影響が生じてくるかを見通すことは困難な状況です。引き続き状況を注視していく必要があると考えております。
ただ先ほど申し上げましたように、航空運賃等の外部要因は一つの大きな要素ではありますが、コストが多少上がっても、行ってみたいといった気持ちになっていただけるよう、我が国の魅力の発信や造成を引き続き頑張ってやっていきたいと思っております。

(問)中東情勢の悪化で原油価格が変動しているが、観光庁で観光業界に対して影響の聞き取りなどを行っていたら、例えば「影響がある」「予定どおりに商売に必要なものが入ってこない」といった声や、数値的なものも含めてお伺いできればと思います。
(答)
宿泊業への影響かと思いますが、業界団体とは様々な意見交換を行っております。ヨーロッパからの中東経由のフライトが今キャンセルされていることに伴って、一部宿泊施設においては予約のキャンセルも発生しているようですが、全体として大きな影響が出ているという状況ではまだないと聞いております。
それから先ほど温浴施設の燃料について少し申し上げましたが、調達に支障が出ているというような状況ではまだないと認識をしております。

(問)出国日本人数は2ヶ月ぶりに増えたようですが、足元の日本人の旅行動向について教えてください。ゴールデンウィークも目前ですが、例えば「中東情勢の悪化で、燃油サーチャージが上がりそうだから、夏休みの旅行をもう少し安そうなゴールデンウィークに前倒ししよう」とか「海外はちょっと怖いから、国内旅行にしよう」とかそんな動きがあるんじゃないかと言われています。観光庁として中東情勢の悪化を受けた旅行の動きの変化について、そういう動きが聞こえてきているのか、実際トレンドとしてあるのかというところを伺えればと思います。
(答)
アウトバウンドに対する中東情勢の影響については、我々も旅行業協会等のヒアリングをしておりますけども、一部の事業者におかれましては海外旅行のための旅行サービスの手配価格で値上がりせざるを得ないといった声があると聞いております。
そういった状況でありますが、今ご質問にありましたようなゴールデンウィークに前倒しする動きがあるということまでは把握はしておりません。
状況は注視していかなければならないと思っております。

以上

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