5月長官会見要旨

最終更新日:2026年6月1日

                                   日時:2026年5月20日(水)16:15~16:45
                                      場所:国土交通省会見室

冒頭発言

(訪日外国人旅行者数等(2026年4月)について)
本年4月の訪日外国人旅行者数等についてご報告いたします。
本年4月の訪日外国人旅行者数は、369万人となり、前年同月と比べ5.5%の減少となりました。今年の単月としては、最高の訪日数を記録しました。
本年4月の出国日本人数は、104万人となり、前年同月と比べ8.4%の増加となりました。

(旅行・観光消費動向調査2026年1-3月期(1次速報)について)
2点目は、旅行・観光消費動向調査についてです。本年1月から3月期の速報について報告します。この調査は日本人の国内旅行を対象としたものであります。
本年の1月から3月期の日本人国内延べ旅行者数は、約1.2億人となり、前年同期とほぼ同程度の数字となっております。
また日本人国内旅行の一人1回当たりの旅行支出につきましては、約5万円となり、こちらは前年同期比で4.4%の増加となっております。
これらを掛け合わせました日本人の国内旅行消費額は、5.9兆円となり、前年同期比では4.8%の増加となっております。
この旅行消費がもたらす波及効果は、旅行消費額のおおむね2倍程度ということで推計をしておりまして、これを踏まえると、1月から3月期の日本人の国内旅行消費による経済波及効果は約12兆円程度と推測をしているところです。

(国際会議協会(ICCA)統計について)
昨年の国際会議の開催件数について報告をいたします。
本日JNTOから、国際会議協会ICCAの統計に基づき昨年2025年の国・地域別及び都市別の国際会議件数が公表されました。
これによりますと、日本では491件が開催され、世界第6位となりました。この順位につきましては、昨年の第7位から順位を上げ、国際会議の開催件数に係る目標の指標として、この国際会議協会の統計基準を採用した2017年以降で過去最高の順位となっております。
また都市別で見ますと、東京が119件で世界10位となっております。またアジア太平洋地域におきましては、東京は3位、京都が10位、大阪が19位という状況です。
この3月に策定された第5次観光立国推進基本計画におきましては、この国際会議の開催件数の目標として、2030年にアジア最上位、世界5位以内を掲げております。
引き続き、関係者と連携しつつ、国際会議の日本の誘致を推進してまいりたいと考えております。

(クマ出没に対する観光客等への注意喚起について)
クマの出没に関する観光客等の皆様への注意喚起の呼びかけです。
現在、各地でクマの出没が相次いでおります。観光庁においてはクマの出没に関して、インバウンドを含む観光客への注意喚起としまして、ウェブサイトやSNSを通じた多言語による情報発信のほか、観光地における多言語看板の設置など、地域が行う情報発信への支援に努めているところです。
観光客や観光関係者の皆様におかれましては、地方自治体が発信するクマの出没情報などに十分注意を払っていただいた上で、観光を楽しんでいただくようお願いします。
具体的な注意事項は、環境省のホームページ等をご参照いただければと思います。

質疑応答

(問)4月の外国人旅行者数の結果の受け止めをお願いします。また中東情勢の緊迫化が続いておりますが、訪日需要に与える影響や、各社では燃油のサーチャージの引き上げなども検討されています。こうした上昇が今後、訪日需要に与える影響についてどうみているか、あわせて教えてください。
(答)
4月のインバウンドの数の受け止めということですが、先ほど申し上げました通り、本年4月の訪日外国人旅行者数については、369万人となり、前年同月比で5.5%の減少となりましたが、本年の単月としては最高の訪日数を記録しております。
内訳ですが、23の国・地域のうち、9の国と地域が4月として過去最高の人数となり、その中でもフランスからの訪日者数は、単月としても過去最高の人数となっております。
一方で12の国・地域では前年同月から減少となっております。中国と中東地域につきましては、航空便の減便や欠航が生じたこと、またその他の国や地域におきましては、イースターに関連する大型連休の日程が昨年からずれたことが主な減少要因と受け止めております。
この訪日外国人旅行者数につきましては、短期的には、様々な要因を受けることもありますので、もう少し長い期間における傾向を注視していくことが重要であると考えております。
燃油サーチャージのご質問もございました。こちらにつきましても、現時点ではこの国際線の燃油サーチャージの引き上げが、今後の訪日需要にどの程度の影響を生じさせてくるかということを見通すことは、なかなか難しいと考えておりまして、引き続き状況を注視していく必要があると考えております。
観光庁といたしましては、政府の目標であります2030年訪日客数6,000万人の目標に向けては、こういった航空運賃等の外部環境の変化の中にあっても、より多くの国や地域から日本を訪れていただくべく、魅力の発信、また訪日機運の醸成といったような戦略的な訪日プロモーションの実施などに取り組んでいきたいと考えております。

(問))4月27日に初会合が開かれました観光施設の利用料金に関する有識者会議について伺います。この会議の位置づけと、今後の進め方についてどのような方針をお持ちでいらっしゃるか教えてください。また議論の成果をどのように活用をして欲しいかについても教えてください。
(答)
先月27日に「観光施設・サービス等の料金設定等に関する調査・研究会」の第1回目を開催いたしまして、私も出席したところであります。
近年、旺盛な観光需要の中で観光コンテンツの維持・磨き上げ、またオーバーツーリズム対策などを目的といたしまして、観光施設やサービスの料金を見直すという動きが各地域で生じております。
このような料金設定につきましては、各施設の管理者などが主体的に設定をすべきものでありますが、様々な料金設定の目的や検討の経緯、効果などにつきましては、他の観光施設等による検討の参考となり得るというものであると考えております。
この研究会におきましては、各地域における料金設定の検討に役立てていただけるように、まずは様々な料金設定の事例について、よく分析をして参りたいと考えております。
今後、具体的な事例につきましてヒアリングを行うべく、有識者の皆様からいただいたご意見を踏まえまして、次回開催に向けて調整を進めているという状況であります。

(問)旅行会社の観光事業者間でのBtoB決済、こちらのキャッシュレス化が遅れているようです。業者間の精算業務のために添乗員が現金を携行しなければならないリスクなどの課題を抱えている現状がございます。第5次観光立国推進基本計画は、キャッシュレス環境の改善が明記されておりますが、BtoB決済のキャッシュレス化に対する長官の認識と、業界全体の業務効率化・生産性向上に向けた今後の対応について教えてください。
(答)
観光庁では、この3月に閣議決定されました観光立国推進基本計画に基づき、訪日外国人旅行者の地方誘客や消費拡大を図っていくためにも、キャッシュレス決済手段の導入の推進に取り組むとしております。
一方で、観光業界では、旅行会社と観光事業者間の支払いにおきまして、現金精算が求められるような、キャッシュレス化が遅れているという声があると認識をしております。
このような状況を踏まえまして、昨年10月には、観光産業のBtoB決済のキャッシュレス化を進めるべく、旅行会社をはじめとする観光事業者等によりまして、「観光産業キャッシュレス推進協議会」が設立され、関連する諸課題に対し検討が進められていると承知しております。
また、この協議会におきましては、「添乗員費問題対策分科会」というものも設立し、観光業界のオペレーションの効率化等に取り組み、観光業界の生産性向上や添乗員の業務負担軽減に向けて議論していくと聞いております。
観光庁といたしましては、このような取組というものが、BtoB決済のキャッシュレス化に伴う観光事業者等への迅速な支払いにつながりまして、これが観光産業全体における業務の効率化や生産性の向上に資するものということで期待をしております。
引き続き、このような関係者の皆様とも連携しながら必要な取組の検討を進めてまいりたいと考えております。

(問)中国が前年同月比マイナス56.8%と大幅減が続いています。この状況をどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)
中国からの4月の訪日客数は約33万人ということで、今ご指摘がありましたように、前年同月からの比較では約57%の減少ということになっております。
先ほどお答えしましたが、そういった中でも本年の単月としては最高の訪日数を記録しているということもありますし、9の国・地域におきましては4月としての過去最高というような状況もございます。
観光庁といたしましては、中国からの訪日の動向については引き続き注視をするとともに、このように様々な国や地域からの訪日の促進、そして消費単価の高い旅行者の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。

(問)日本人の国内旅行という観点で伺います。中東情勢の影響を受けた海外渡航費の増加や、円安という状況を受けて、旅行業者の中では、日本人が海外ではなくて国内旅行にシフトすることを期待する動きもありますが、現状の国内旅行需要の動きをどう捉えていますか。
(答)
私どものデータで申し上げますと、今年の1月から3月期のアウトバウンドの数は、368万人と、前年同期比で5%の増加となっております。そしてこの同時期の日本人の国内延べ旅行者数につきましては、先ほど申し上げましたように、約1.2億人と、前年同期とほぼ同程度という状況になっております。
またゴールデンウィーク期間中の国内旅行も大変好調だったと承知をしておりますが、日本人の海外旅行につきましても概ね昨年を上回っていたと認識をしており、そういう意味で、現時点では国内旅行へのシフトが生じているというような状況であるとは認識をしておりません。いずれにしても国内旅行の今後の動向につきましては、引き続き注視をしてまいりたいと思います。

(問)今海外旅行についても言及いただきましたが、燃油サーチャージについてもう一点お願いいたします。5月から日系の航空会社で引き上げられる中、旅行者のコスト負担増による海外旅行の回復の鈍化が懸念されているところですが、7月から予定されておりますパスポート申請手数料の引き下げ以外に、更なる需要喚起や市場活性化に向けた具体的な取組がありましたら教えていただけますでしょうか。
(答)
JALやANAといった日系の航空会社におきましては、本年5月から適用する国際線の燃油サーチャージが引き上げられたことについては承知をしております。
このアウトバウンドの関係ですが、今申し上げましたように本年4月のアウトバウンドの日本人数は104万人で、前年同月比で約8%の増加になっております。そして1月から4月までの累計の日本人数につきましても473万人で、前年同期比では約6%の増加ということで、全体としては増加基調で推移をしていると考えております。
そして主要な旅行会社に対し、この8月までの海外旅行の予約状況についてお伺いをしたところでは、現時点では前年同期比で上回っているという状況だとご回答いただいているところであります。
私どもとしては、引き続きこのようなアウトバウンドの動向は注視してまいりますが、例えば地方空港間で連携した国際線の誘致や、海外教育旅行のプログラム開発の促進、それから日米観光交流促進キャンペーン2026に基づく米国へのアウトバウンド促進、こういった取組を進めまして、今ご指摘のありましたパスポート手数料の引き下げの機運、こういったことも活用しながら、アウトバウンドの促進を図ってまいりたいと考えております。

(問)先月、日本旅行業協会から出た要望についてお聞きします。この中で地方誘客に向けて、「広域エリア」を選定するような「訪日版デスティネーションキャンペーン」の提案がありますが、こちらの受け止めをお願いいたします。
(答)
4月13日に日本旅行業協会の訪日推進委員会より「訪日旅行の持続的発展に向けた要望」を頂戴したところです。
この要望の中には「地方誘客の一層の推進に向けた官民一体となった総合的なプロモーションの実施」、「観光の質的向上担う観光人材の育成強化」、「国際交流機会の創出による若者の国際教育強化」などの幅広い事柄についてご提案いただいております。いずれの意見についても、貴重なものとして受け止めさせていただくと共に、今後の観光政策に関しても、この提言を踏まえて、適切な検討を進めてまいりたいと思います。
また広域エリアの選定による取組につきましては、今年度から開始するDMO総合支援事業を通じ、広域連携DMOが策定する広域連携観光戦略に基づく、滞在コンテンツの企画開発やプロモーションといった取組に対する支援や、JNTOによる広域で連携したプロモーションの実施を通じて、地域の意向や特色を生かした海外プロモーションを推進してまいる所存です。
引き続き日本旅行業協会をはじめとした関係団体の皆様と綿密に連携しながら、訪日旅行の更なる発展に向けて、必要な取組を進めてまいります。

(問)2026年に宿泊税導入あるいは新たな税率に改正する自治体が非常に多く、4月は北海道や広島で導入されました。この動きに対する長官の見解と、新たな財源を訪日需要の受け入れ体制強化に着実に結びつけていくために何が重要と考えますか。
(答)
各地域における自主的な財源を確保する方法の一つとして、宿泊税を導入する、あるいは新たな税率に改正する地方公共団体が増えてきているものと承知しております。
宿泊税につきましては、いわゆる法定外目的税という性質ですので、地域の魅力を高めて観光振興を図ること等を目的として、各地方公共団体におきまして、その導入の是非や税額が判断されているところです。私どもとしては、地方公共団体や宿泊事業者をはじめとする地域の関係者の間で、丁寧な議論を行っていただくことが重要と考えております。
観光庁としましては、宿泊税の導入について検討する地方公共団体に対して、その検討を支援するという立場を取っていきたいと考えております。
具体的には、DMOにおける財源確保の重要性を踏まえて、宿泊税等を財源とした安定的な運営資金確保に向けた取組の支援も行っております。また、定期的に宿泊税の導入状況や活用状況を整理するなど、地方公共団体の参考としていただけるような情報提供も行っていきたいと考えています。

(問)国土交通省より2026年夏期スケジュール国際定期便の概要が発表されています。中国路線の便数は大幅に減少するものの、その他のアジア路線や米国本土・欧州路線では便数が増加する予定です。また地方誘客を国として求めているなかで地方空港の便数が増える予定なっています。この計画について長官の所感お聞かせください。
(答)
4月28日に国土交通省航空局から、本年の夏期スケジュール期間の国際線定期便の概要が公表されたところです。
ご指摘の通り、中国本土路線につきましては減少していますので、全体としては前年同時期より、3%減となっておりますが、韓国、台湾、香港、マレーシア、インドといったアジア路線や、米国本土、欧州路線で便数が大幅に増加しました。また、地方空港に限って言いますと、前年の同時期よりも便数が増加したと承知しております。
観光庁といたしましては、アジア路線や欧米豪路線の便数の増加を追い風とし、私どもが今進めておりますインバウンド市場の多様化を更に加速することが重要であると考えております。日本を訪れたことがない方々が多い国や地域からの誘客を進めるために、例えば欧米豪を中心として、日本を訪れたことがない方々の興味や関心を高める大規模な広告展開や、東南アジア市場向けの地方誘客に特化した商談会の実施などの訪日プロモーションを強力に進めてまいりたいと考えております。
また地方空港便の増加につきましても、地方誘客の促進に資すると考えておりまして、地方空港便の利用促進に向けた航空会社との共同広告といったプロモーションや、地域資源を活用した観光コンテンツの造成や磨き上げ等の取組を通じて、更なる地方誘客を進めてまいりたいと考えております。

以上

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