6月長官会見要旨

最終更新日:2026年6月23日

                                    日時:2026年6月17日(水)16:15~16:45
                                         場所:国土交通省会見室

冒頭発言

(訪日外国人旅行者数等(2026 年 5 月)について)
本年5月の訪日外国人旅行者数について報告いたします。
本年5月の訪日外国人旅行者数は、約356万人となり、前年同月と比べ3.6%の減少となりました。
本年5月の出国日本人数は、約113万人となり、前年同月と比べ4.7%増加になりました。

(海外旅行2,000万人に向けた共同記者会見について)
2点目は、海外旅行2,000万人に向けた共同記者会見についてです。
海外旅行者数はコロナ後に回復してきております。先ほど申し上げましたように5月も前年同月比で約5%の増加になっておりますが、昨年につきましては、約1,473万人でコロナ前の2019年の水準には至っておりません。
このような状況の中、本年3月に決定された第5次観光立国推進基本計画においては、海外旅行者数の過去最高値、いわゆる2,008万人を超えることを2030年の目標として設定しました。また基本計画の3つの施策の柱の1つとして「国内交流・アウトバウンド拡大」を位置づけ、より一層の海外旅行の促進を図っていくこととしております。
昨日は、官民で一体となった海外旅行2,000万人の実現に向けて、観光庁・外務省・日本旅行業協会及び駐日外国政府観光局協議会の4者で共同記者会見を行い、観光立国推進基本計画におけるアウトバウンド促進の取組を説明したところです。
基本計画に盛り込まれた取組を実施しながら、関係省庁や関係団体とも連携をし、目標達成に向けて取り組んでまいります。

(フィッシングサイトへ誘導する不審メッセージに関する注意喚起について)
3点目は、フィッシングサイトへ誘導する不審メッセージに関する注意喚起についてです。
現在、旅行予約サイトでホテルを予約された方に対し、ホテルや予約サイトを装う者から不審なメッセージが送信される事象が生じており、旅行予約サイトや複数の宿泊施設から、旅行者の皆様に対して注意喚起を行っていると承知をしております。
これらのメッセージは、旅行の予約確認を装って、旅行者のクレジットカード情報の入力を求めるなど、悪質なフィッシングサイトへ誘導するおそれがあるものです。
観光庁としても、本日、観光庁ホームページにおいて、改めて旅行者の皆様への注意喚起を行っております。
旅行者の皆様におかれましては、旅行予約サイトの利用に関して、疑わしいメッセージ等を受信された場合には、リンクをクリックせず、予約サイト公式のカスタマーサポート等へお問い合わせいただくなど、予約内容を十分にご確認いただきますよう、お願いします。

質疑応答

(問)5月の訪日客数について伺います。単月でみますと多くのところで過去最多ですが、全体では前年比マイナスで、こちらの受け止めをお願いいたします。また、訪日需要拡大に向けた対応についても教えてください。
(答)
冒頭申し上げた通り、本年5月の訪日外国人旅行者数は356万人となり、前年同月比で3.6%減少となりました。
一方で、23の国・地域のうち、19の国・地域においては、5月として過去最高の訪日者数を記録しております。その中でも、インド及び中東地域からの訪日者数につきましては、単月として過去最高の訪日者数を記録しております。
訪日外国人旅行者数につきましては、短期的には、様々な要因を受けることもあり、より長い期間における傾向を注視していくことが重要と考えております。
例えば今年1月から5月までの合計を、昨年1月から5月で比べますと、1.1%減でほぼ同水準と思っております。
観光庁としては、引き続き、様々な国・地域からの訪日を促進すべく、戦略的な訪日プロモーションの実施などに取り組んでまいります。

(問)中東情勢の関連でお伺いします。訪日拡大が多くのエリアでは続いていますが、燃油サーチャージの引上げや航空燃料高騰によって、一部のLCCでは運休が見られています。訪日需要への影響をどう見ているか教えてください。 また、原油高の影響で国内のバス事業者も価格転嫁の動きが進む中で、国内旅行への影響をどのように受け止めているか教えてください。
(答)
国際線の燃油サーチャージの引上げが生じていますが、これにより今後の訪日需要にどの程度の影響が生じてくるかを見通すことは現時点では難しい状況であると考えており、引き続き状況を注視してまいりたいと考えております。
また、国内旅行への影響ですが、主要な旅行会社に状況をお伺いしたところ、現時点では燃料費の高騰による国内旅行需要への影響は生じていないと聞いております。
観光庁といたしましては、引き続き、航空運賃等の外部環境の変化の中でもより多くの国や地域から日本を訪れていただくべく、魅力の発信や訪日機運の醸成といった戦略的な訪日プロモーションの実施などに取り組んでまいります。

(問)観光施設の利用料金に関する有識者会議の第2回、第3回が開かれ、各施設管理者やサービス提供者へのヒアリングが行われましたが、聞き取りの内容について教えてください。
(答)
本年4月に、「観光施設・サービス等の料金設定等に関する調査・研究会」を立ち上げ、先月27日と今月8日、2回に分けて7団体の施設管理者・サービス提供者の皆様からのヒアリングを行いました。
例えば、山梨県富士吉田市からは、令和7年4月から市営の新倉山浅間公園駐車場を有料化した背景について、京都市交通局からは、令和6年6月から運航している観光特急バスの料金設定について、兵庫県姫路市からは、本年3月の姫路城の縦覧料改定の考え方についてお伺いしたものと承知しております。
ヒアリングした内容は、現在整理を進めているところであり、どのように取りまとめるか等については、有識者の意見も踏まえながら、引き続き検討を進めて参ります。

(問)7月からパスポートの申請手数料の引下げ、そして国際観光旅客税の引上げが始まります。今後、海外旅行需要に与える影響について、長官の所感をお聞かせください。また、旅客税引上げ前の駆け込み需要などございましたら教えてください。
(答)
今般の旅券手数料の引下げにつきましては、日本人の旅券取得がより容易となることを通じて、アウトバウンドの促進を後押しすることに繋がるものと受け止めております。
また、国際観光旅客税の引上げですが、このような財源も活用しつつ、各空港における出入国関係の新たな機械の導入など、より円滑な出入国の手続きに向けた取組を進めることができると考えております。
7月1日からの国際観光旅客税の引上げに関しまして、観光庁から主要な旅行会社にヒアリングなどを行っておりますが、現時点では国際観光旅客税の引上げによる駆け込み旅行需要は特段みられないと聞いております。
冒頭に申し上げましたとおり、関係省庁や関係団体と連携しつつ、アウトバウンドの促進を進めてまいりたいと思います。

(問)長官に就任されてからまもなく1年を迎えますが、この1年間を振り返っての所感をお伺いしたいです。
(答)
まずインバウンドの状況について申し上げますと、香港での噂や、中国からの渡航自粛、最近では中東情勢など、様々な国際情勢の変化がありました中で、2025年のインバウンド数やインバウンド消費額が過去最高となり、2026年も去年とほぼ同水準で推移をしているなど、好調が維持されているものと認識をしております。
就任時の会見でも申し上げましたが、観光地域振興部長、そして次長を務めさせていただいた数年前におきましては、新型コロナウイルスの影響が拡大し、観光が極めて厳しく、先行きが不透明な状況にありましたので、その頃のことを考えますと、様々な国際情勢等の影響を受けながらも、このようにインバウンドについて過去最高水準を達成できているということは、大変ありがたいことであり、これは官民一体となった長年の取組の成果のあらわれでもあると思っております。
また、この1年は、多くの政策を前進させることができたと考えており、トピックを2点だけあげますと、この3月に第5次観光立国推進基本計画が閣議決定され、2030年に向けての様々な目標を設定することができました。また、必要な施策の財源を確保するための国際観光旅客税の税率の引上げも決まり、観光政策上も、非常に重要な1年であったと考えております。
今後の課題ですが、基本計画で掲げた3本柱に基づき、また、国際観光旅客税の財源も活用し、必要な施策にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

(問)7月1日から国際観光旅客税が3千円に引き上げられますが、改めてその意義についてお聞かせください。あわせて、これにより生まれる新たな財源を活用した施策の拡充や、オーバーツーリズム対策を今後どのように進めていくかお考えをお願いします。
(答)
国際観光旅客税の引上げに伴い、令和8年度の国際観光旅客税を財源とする予算につきましては、昨年度の490億円から1,300億円と、大幅な増額となりました。これにより、オーバーツーリズム対策等、6,000万人・15兆円というインバウンドの目標達成に向けたボトルネックや課題解消に資する取組を実施するために、必要な財源を確保することができたと考えております。
令和8年度予算におきましては、オーバーツーリズム対策をはじめとした必要な施策を充実・強化してまいりたいと考えており、具体的には、過度の混雑やマナー違反等地域が抱える課題に寄り添って、中長期的な視点に立ったオーバーツーリズム対策の実施、またオーバーツーリズムを根本的に解消するため、特定の都市・地域への集中是正・地方への需要の分散を促進するための交通ネットワークの機能強化や地域特性を活かした観光コンテンツの造成、そして様々な国・地域からの誘客を一層促進するためのプロモーションの強化などの施策を進めているところです。

(問)今回公表された中東からの訪日客について伺います。4月は中東情勢による航空便の減便や欠航により前年同月比で減少という分析だったかと思いますが、今回は67.8%増という大幅増となりましたが、この要因について教えてください。
(答)
中東地域の増加要因ですが、中東市場につきまして、5月にかけて航空便が復便してきたこと、昨年の同月と比べ日本とトルコ間、そして日本とイスラエル間の航空便が大きく増加したことに加え、トルコには、イスラム教の2大お祭りの1つであるイード・アル=アドハー休暇に関する大型連休があり、特にトルコからの訪日者数が増加したということが大きな要因であると考えております。

(問)昨日民泊を巡るトラブルを受けて、観光庁が実質的に営業を禁止できるエリアを作る条例改正を可能とすることを、全国の自治体に通達する方針を固めたとの報道があるが、事実関係を教えてください。また全国的にトラブルはどの程度あるのでしょうか。加えてこれまで民泊の振興を進めてきましたが方向転換した理由を教えてください。
(答)
民泊の適切な運営確保につきましては、今年の1月の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に基づきまして、逐次対策を講じているところですが、先週、自民党の「外国人政策本部第2次提言」が改めて出されたことも踏まえ、今般、民泊に関する立地規制、いわゆる「ゼロ日規制」などにつきまして、今月中にも全国の地方自治体に向けて技術的助言として通知を発出する方向で検討を進めております。
技術的助言におきまして、例えば、今後、民泊の拡大が見込まれ、多数の宿泊者数が往来すれば、閑静な住宅地や教育施設等の周辺などの静穏な生活・教育環境が損なわれるおそれがある場合に、各自治体におきまして条例で民泊の実施を制限することが可能であることなどについて盛り込むことを検討しています。
また、民泊の事業者が自ら状況を把握して、迷惑行為への積極的な対応を行うことが可能となるように、地域の実情に応じ、事業者に対して、例えば騒音計やカメラの設置などを条例で義務付けることが可能であることも盛り込むことを検討しています。
全国的なトラブルの程度ですが、民泊をめぐりましては様々な報道もされておりますが、騒音やごみの問題、宿泊事業者への連絡不通などといったトラブルが多く生じていると承知をしており、多くの自治体からも対策を求める要望をいただいているという状況です。トラブルの件数につきまして、網羅的には把握しておりませんが、例えば、全国で最も施設数が多い新宿区におきましては、令和7年度には、900件を超える苦情が寄せられていると承知をしております。
方向転換の理由ですが、この民泊法の制定時におきましては、「ゼロ日規制」については望ましいものではないと考えてきたところですが、一方で2018年の法施行から7年が経過し、実際に閑静な住宅地などにも民泊が多数立地することにより、先ほど述べたような様々な問題が顕在化してきている状況です。こうした状況に適切に対応していくために、今般の技術的助言の検討を進めているところです。

(問)今月の結果を見ても国籍の多様化が進んでいると思います。宿泊旅行統計調査でもインドネシア、マレーシア、フィリピン、インドというように東南アジアや西アジアの健闘が目立っています。国籍の多様化が進んでいる状況に対する長官の見解をお願いします。
(答)
国籍の多様化ということですが、今お話があった3月の宿泊旅行統計調査におきましては、中国からの延べ宿泊者数が前年同月比で大きく減少した一方で、前年と比較可能な20の国・地域のうち、ご指摘の東南アジアの国々をはじめ、17の国・地域では、延べ宿泊者数が前年と比べて増加している状況です。観光地や観光産業の強靭性を高めるためにも、インバウンド市場が多様化していくことは極めて重要と考えております。
この3月に閣議決定しました第5次観光立国推進基本計画におきましても、国際情勢の変化等の様々なリスクに対し、高付加価値な旅行商品の造成やインバウンド市場・観光コンテンツの多様化等、観光の持続可能性を高める取組を講じていくということにしております。
私どもとしては、引き続き様々な国・地域からの誘客を一層促進するためのプロモーションの強化、また歴史・文化・自然・食といった様々な地域特性を生かした観光コンテンツの造成など、インバウンド市場の多様化をさらに加速させる取組を進めてまいりたいと考えております。

(問)消費単価の向上について、2030年までに25万円といった目標値が掲げられていますが、現状マイナス3万円の22万円ぐらいだと思います。目標達成に向けたアクションについて現時点で考えられていることがあれば、可能な範囲でお聞きできればと思います。
(答)
今の観光立国推進基本計画におきまして、2030年の目標は一人当たりの消費額単価25万円です。
今ご質問いただきました直近の22万円という数字は、今年の1-3月期の一人当たり消費額単価ですが、これは前年同期比で見ますとほぼ同水準であり、昨年1年間の消費額単価は約23万円です。したがいまして、目標達成に向けて、約2万円引き上げることが必要であると認識しております。
消費額単価の引上げに向けましては、やはり消費額単価が高く訪日未経験者の多い欧米豪等の市場へのプロモーション、消費拡大に効果の高い観光コンテンツの充実、そして地域における体験の質や回遊性の向上に資する施設整備に対する支援等を通じて、地方への誘客や長期滞在、付加価値の高い観光を促進することで、持続的に更なる消費額拡大を図ってまいりたいと考えております。

(問)5月の訪日客数の受け止めについて、19の国・地域では過去最高も更新して多国籍化も進んでいるということですが、マイナスの要因は中国が大きいと思っています。JNTOの発表資料を拝見すると、タイやベトナムでは訪中旅行の人気が続いているという記載もあります。今回のマイナスの要因を長官はどのように受け止めているか改めてお伺いします。
(答)
減少の要因は今ご指摘の通りだと思います。中国の減少幅が大きいことが全体の数字に影響していることは事実かと思います。逆にそういった大きな中国の減少があるなかで、3.6%の減少であることは、その他の国・地域が大変に好調であることの裏返しだと受け止めております。

(問)先ほどフィッシングサイトに対する注意喚起の話が長官からありましたが、ちょうど長官就任直後ぐらいにオンライン旅行サイトの宿泊トラブルの話があったと記憶しています。今回フィッシングサイトは一義的にはOTAの責任ではないと思いますが、オンライン旅行サイトのトラブルの実情をどう見ていて、それに対して観光庁としてどう対応されているのか教えてください。
(答)
昨年あった話と今般の話は、主体が全然違うと思いますので私は別なものと受け止めております。
今回のフィッシング事案につきましては、主にブッキング・ドットコム社の事案が多いということで、ブッキング・ドットコム社に対して、原因の究明や旅行者への注意喚起の徹底、宿泊施設や旅行者に速やかな対応等を図ることをお願いしております。あわせて関係者に対し、詳細について事実確認を行っている状況です。
サイトの方でも、原因が直ちに解明されているということでもなく、彼らも現在、一生懸命調査をしていると承知をしております。
旅行のサイト以外にも、様々なところからのフィッシングメールが毎日のように届きますので、その中にこういったものもあるということを、消費者の皆様にご認識いただくことが一番重要だと思っております。
あわせて先ほど申し上げたように、ブッキング・ドットコム社に対しましては、そのような対応を求めているところですので、引き続き、速やかな原因の把握や対応策の実施等を進めていただきたいと考えております。

以上

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