和田長官会見要旨

最終更新日:2021年12月21日

日 時:2021年12月15日(水)16:15~16:43
場所:国土交通省会見室

会見事項

(2021年11月の訪日外国人旅行者数等)
  • 2021年11月の訪日外国人旅行者数は、対2019年同月比マイナス99.2%の2万700人となりました。
  • 2021年11月の出国日本人数は、対2019年同月比マイナス96.8%の5万1,800人となりました。
  • 観光庁といたしましては、引き続き、国内外の状況を注視してまいります。

(地域観光事業支援について)
  • 地域観光事業支援の最新の状況についてもご用意いたしました。今月から隣県拡大が始まっていますので、ご確認いただければと思います。
  • 私からは以上です。

質疑応答

(問)HISの子会社2社でGoToトラベル事業の給付金を不正に受給していた疑い事案についてお伺いいたします。まず長官の受け止めと観光庁の調査でこれまでに判明した事実関係があれば教えてください。またGoToトラベルの再開にあたりまして、不正受給を未然に防止するような制度設計の見直しなどはご検討されていらっしゃいますでしょうか。
(答)
  • GoToトラベル事業予算でありますけれども、国民の皆様からいただいた税金を活用したものでありますから、不正な申請は決して許されるものではないというふうに考えております。
  • HISの子会社2社が不正に給付金を受給していたことが事実であれば、それはまことに遺憾なことであるというふうに思っております。
  • GoToトラベル事務局では、従来より、不正が疑われる事案の確認・調査を実施しておりますけれども、観光庁といたしましても、12月9日にHISが調査委員会を設置した旨の公表をしたことを受けまして、GoToトラベル事務局に対しまして、改めて本件以外の事案も含めて、不正や不適切な事案の調査を徹底するように指示をしたところでございます。
  • 現時点において、GoToトラベル事務局の調査でどのような事実関係が判明しているかは、まだ調査の途上でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、一番大事なことは、宿泊実態があるかどうかなど、このようなことを正確に調査をするということだと思っております。
  • 観光庁といたしましては、GoToトラベル事務局の調査、それからHISの方で設置した調査委員会の調査、この両方の調査において、判明した事実関係をもとに、適切に対応してまいりたいと考えております。
 
(問)オミクロン株の感染拡大が現在懸念されておりますが、GoToトラベル事業再開にあたって、条件や時期の変更など影響があれば教えていただきたいということと、地域観光事業支援で、現在隣県にまで範囲を拡大されていらっしゃいますけれども、感染が今後拡大した場合には事業を一時停止するような判断はどのように行う予定なのか教えていただきいたいです。
(答)
  • まず、新たなGoToトラベル事業についてでありますけれども、その実施にあたっては、安全・安心をしっかりと確保する必要があります。
  • したがいまして、感染状況がスタートする時点で落ち着いているということが大前提となります。
  • オミクロン株は現時点でまだ不明な点が多く、今後の状況を注視していく必要がありますけれども、現時点では、先月公表させていただきましたGoToトラベルの再開にあたっての考え方に変更はございません。
  • オミクロン株の影響も含め、開始や停止のあり方などについて、専門家の意見を踏まえるとともに、年末年始の感染状況等をしっかりと確認してまいります。
  • それから、地域観光事業支援の隣県拡大でありますけれども、既に本日正午時点で14県において実施されています。
  • お尋ねの一時停止の具体的な要件でございますけれども、11月19日に公表させていただいた資料にございますけれども、安全・安心を確保する観点から、旅行先、または出発地の都道府県がレベル3になった場合には停止するということにしております。
  • その他、地域の感染状況等に応じて、県民割を実施する都道府県知事の判断によって停止できるようにしているところでございます。

(問)先ほどのHIS関係の質問の中で、再開において、制度設計の見直し等を考えていらっしゃるかという質問があったと思いますけれども、今回の問題を受けて、その必要性というのは、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)
  • まずは正確な事実関係を踏まえた上で、どういうふうな対応が必要になるのかを考えていく必要があると思いますので、GoToトラベル事務局とHIS側の調査結果を踏まえて考えていきたいというふうに思います。
 
(問)昨日の大臣会見で2社とともにJHATというような個別企業のお名前も指摘されていたと思うのですけれども、この3社から届け出があった給付金申請は既に支給されているものなのでしょうか。
(答)
  • これも調査の途中なので、この場でお答えするのは差し控えさせていただきますけれども、全額支給しているわけではありません。
 
(問)今回の件で刑事告訴というのは考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)
  • 今正確な事実関係を把握している途中でありますので、個別のお答えを差し控えさせていただきますが、一般論で申し上げれば、不適切な事案が判明した際には、警察捜査当局とは、適切な連携をしております。
 
(問)過去にもこのような不適切な事例というのはあったと思うのですけれども、それについては告訴した事例というのはあるのでしょうか。
(答)
  • 告訴はしておりません。
 
(問)HISの関係なのですけれども、これまでもGoToトラベル事務局では不正がないかという調査を行っていたということですけれども、今回改めて徹底するということで、これまでやってきた内容と具体的な調査の方法等がどう変わってくるのか、これまでやってきたことと違う形でどのような形で今後徹底してやるのかというところを、例えば調査の基準が変わったなど、そこを具体的に伺いたいです。
(答)
  • 今やっていることは、正確な事実関係を把握するということでありまして、今後どのようにチェックをするのか等、そのような点については、まずはその正確な事実関係を把握した上で、今後どうしていくのかを考える、まずその第1段階目の調査を徹底してほしいというお願いでございます。
 
(問)それと並行して、他の事業者への調査というのは、もう既に不適切と見られるものがないかという調査も並行してやっているという認識でしょうか。
(答)
  • 常日頃から、不正又は不適切な事案が疑われるようなものについては、事務局の方で調査をしておりますので、それもしっかりやってくださいと、こういうお願いをしたということでございます。
 
(問)過去にも宿泊の実態等の調査まで、GoToトラベル事務局としてやるということがあったのかどうか、というのはどうでしょうか。
(答)
  • 事案によってだと思います。ここで話してしまうとよろしくないと思いますので、事案に応じて適切な調査をやっているということでございます。
 
(問)今されているGoToトラベル事務局での調査の結果が、GoToの再開の時期に影響する可能性はどうでしょうか。
(答)
  • 冒頭申し上げましたけれども、GoToトラベル事業予算というのは国民の皆様からいただいた税金を元にやっておりまして、そのような意味で、新しいGoToトラベル事業を開始するまでには、しっかり調査結果を踏まえて、もし対応が必要になることがあるのであれば、それはしっかりと対応した上で、開始をしたいというふうに思います。
 
(問)つまり、今回、もし不正受給があったとしてですが、例えば温床になるものが、システム的なものであれば、それを解消してから再開するということですか。
(答)
  • 今回の事案が、どのような事案なのかというのが、まだ我々把握できておりませんから、それを踏まえて、適切な対応をとるということだと思います。
 
(問)ということは、逆にシステムに問題がある場合は、それを正してから再開ということになるのでしょうか。
(答)
  • システム上の問題かどうかというのはまだわからないので、この場でお答えするのは差し控えさせていただきます。
 
(問)大臣が先日、HISの子会社2社のみならずJHAT、ホテル運営会社の名前も言及されていましたけれども、これはどういった理由で仰ることになったのでしょうか。
(答)
  • このような事案の場合には、基本的には正確な事実関係が明らかになってからお話をするということだと思いますけれども、12月9日にHISの方から、宿泊の実態がない取引、すなわちGoToトラベル事業の受給対象とならない取引が存在し、というふうに仰っているので、それに関連して、少し一歩踏み込んで、旅行会社だけではなくて、当然どこに泊まったのかという話もあると思いますから、そのようなことも含めて大臣は仰ったのだと思います。
 
(問)そのJHATというのもGoToトラベル事務局の方で対象として調査もされているということですね。
(答)
  • はい、そのとおりです。
 
(問)これは事実関係が明らかになって、もし不正受給がはっきりしましたら、返還の請求をされるということでしょうか。
(答)
  • 本件に関してというのは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、GoToトラベル事業に参加する事業者向けの一般ルールが、取扱要領という形で定められています。
  • そこには参加事業者が不正な申請を行った場合は、事務局は参加事業者としての指定を取り消すとともに、事業者名を公表し、給付金の給付決定の全部又は一部を取り消すことができるというふうに書いてあります。
  • したがって、正確な事実関係を基にこのルールに則った形での対応をするということになると思います。
 
(問)ということは、振り込まれたお金というのは、返還請求をするということになっていくのでしょうか。
(答)
  • 繰り返しになりますが、個別の事案については控えさせていただきます。
 
(問)一般論として。
(答)
  • 一般論で、不正があればそういうことになっているということです。
 
(問)先ほど来仰っているHISの関連でお伺いしたいのですれども、事務局としての調査の結果については、観光庁として公表されるお考えはありますでしょうか。
(答)
  • ご報告があれば、皆さまに公表をさせていただくことにしましょう。
 
(問)これは一般論としてなのですけども、仮にこういう不正があった場合に、その事業者を、年明け以降に再開する新しいGoToトラベルの対象から外すというようなことも選択としてあり得るのか、それは何か既に根拠として使えるような要綱というものが存在するのでしょうか。
(答)
  • それは今お答えしたとおりでありまして、取扱要領の中に、不正な申請を行った場合には、指定を取り消すということができることになっていますし、事業者名の公表とか、給付金の給付決定の全部又は一部を取り消すというところまで含めて、できることになっていますので、そのルールに則って適切な対応をしていくということだと思います。
 
(問)つまりそれは、前回の昨年のものと、年明け以降再開されるものが一連の事業として、適用できるというということですか。
(答)
  • 一連の事業と仰いますと。
 
(問)つまり、昨年のGoToトラベルであった不正をもって、来年以降再開される新しいGoToトラベルの方の事業者から外すという、跨いで判断できるものだという理解でよろしいのでしょうか。
(答)
  • はい、それはそうなるでしょうね。
 
(問)それから、疑わしい場合には、HISの関連以外でも、申請があった場合にそれが疑わしくて、支給をしなかったというようなケースがあったかどうかという把握はされていますでしょうか。
(答)
  • 当然不正が疑われる場合には、支給を一旦止めるというか、しっかり審査をした上で支払うということになると思います。
 
(問)実際、そういうケースは今まであったという理解でよろしいですか。
(答)
  • はい、あります。
 
(問)今までにもそういう疑わしい案件、不正が疑われるような案件というのは、事務局の方で調査されていたということですけれども、その規模感というか、だいたいどのくらいの件数があったのかは把握されていますか。
(答)
  • 数は差し控えさせていただきたいと思いますが、それなりにあるということです。
 
(問)年末年始を間もなく迎えると思うのですけれども、年末年始の旅行需要・需給が、例えばリベンジ消費みたいなことも、国内の感染状況というのは総じて落ち着いてる状況にあると思うのですが、現状把握されている旅行需要の状況等ありましたら教えてください。
(答)
  • まだ我々の統計では当然出ていないところなので、観光事業者の皆様や交通事業者の皆様にヒアリングをした状況というところでありますけれども、宿泊については地域差があるものの、一定の回復傾向にあり、2019年コロナ前と比較すると、概ね6割から7割程度にまだとどまっているということです。
  • それから旅行についても、2019年と比較すると、6割程度にとどまっているというふうに伺っております。
  • これももう少し直近まで状況を見ていく必要があると思いますけれども、緊急事態宣言の解除があって、一定程度の回復が見られますけれども、地域差があったりとか、コロナ前に比べるとまだまだ需要の回復はしていないということではないかと思います。
 
(問)今長官が仰った地域差というのは、例えばどういう地域は回復してきているけれども、どういう地域には見られないとか、そのあたりのご所見はありますか。
(答)
  • そういう意味で、大都市の近郊は、比較的お客さんが戻ってきているという声をよく聞きますけれども、一方で、遠方、例えば北海道とか、そういうところは、まだまだ旅行需要が戻っていないというふうに伺っています。
 
(問)通訳案内士のことについて伺いたいのですけれども、先般通訳案内士で作る団体が全国組織を立ち上げられました。訪日観光が、こういうオミクロン株の状況もあってなかなか見通せない状況で、お仕事がかなり、通訳案内士に限らないと思うのですけれど、ガイドの方の仕事が激減していて、かなり厳しい状況にあって、なり手不足というのも深刻だということです。観光庁として現状どのように認識されてるのかということと、これまでの支援策、また、今後なかなか訪日観光再開が見通せない中での支援策のようなものが、何か考えられていることがありましたらお聞かせいただきたいです。
(答)
  • 通訳案内士でありますけれども、ご指摘のとおり、訪日外国人旅行者数の大幅な減少ということに伴って、業務継続に大きな影響が生じているとともに、志望される方の人数も大幅に減少するなど、大変厳しい環境に置かれているというふうに認識をしております。
  • 支援策でありますけれども、業種横断的な支援策でありますが、持続化給付金とかセーフティネット貸付等がございます。
  • 観光庁としての支援策ですけれども、通訳案内士を、観光地にインバウンド対応面の講師として派遣する、地域研修事業というものを実施していますし、高付加価値なインバウンド旅行者への対応のためのガイド能力向上を図る研修事業、こういったものを今実施しているところであります。
  • 新しいものといたしましては、これは令和4年度の予算要求が認められるということが前提になりますけれども、旅行事業者が通訳案内士に業務を委託しやすい環境の整備というようなことでありますとか、通訳案内士のなり手を確保するために、SNSを通じた通訳案内業務の魅力のPRとか、このようなことをやっていきたいというふうに思っております。
  • 今後インバウンドが回復をすれば、当然、非常に重要な役割を担ってもらう人材インフラみたいなものですから、引き続き観光庁としても、関係者の皆様の声を伺いながら、通訳案内士の確保ですとか、その能力の維持・向上に向けて必要な取組みを進めていきたいと考えております。
 
(問)HISの子会社の関連でお尋ねしますけれども、肝心な宿泊実態があるかどうかということですけれども、これを調査する方法はどんなことがあるかです。実際には宿泊したと思われる方にその手紙を出して確認していると思うのですけども、仮にですけれど、それが正確に回答するかどうかはわかりません。それ以外に、何か確認する方法というのは、どういうことをしているのか教えてください。
(答)
  • 今まさに調査しているところなので、それをこの場で申し上げてしまうと、調査に差し障りがあるかもしれませんので、大変申し訳ありませんが差し控えさせていただきます。
 
(問)いろいろ複数の方法で、いろいろなアプローチを変えて確認しているという理解でよろしいですか。
(答)
  • そういうことです。
 
(問)GoToトラベルの再開にあたっての基本認識を少しお尋ねしたいのですけれども、私の認識が誤っていたら申し訳ないのですが、以前政府としては、GoToトラベルというのは新型コロナウイルスの感染を拡大した根拠はないというような、そういう趣旨の答弁のままの認識なのかなという思いがあるのですけれども、今回の再開にあたってこれだけ感染状況、オミクロン株が来ていますけれども、慎重になっている状況から見ますと、やはりGoToトラベルが感染拡大に繋がっているというか、そういう認識を持っているのではないかというふうに思ってしまうのですが、そのあたり再開にあたっての認識をお聞かせください、従来と変わっていないかどうか。
(答)
  • 認識は変わっておりません。
  • 昨年11月の分科会の提言でも、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないというふうにされているところであります。
  • 一方で、コロナが収束しない中で、観光需要の喚起を図っていくにあたっては、国民の皆様が安心して旅行に行くことができる環境を整備する必要があるというふうに考えております。
  • これは旅行者自身もそうですし、受け入れ側の方々もだと思いますけれども、安心して旅行ができるという環境をしっかり整える必要があるというふうに思っていますので、そういう意味で、ワクチン・検査パッケージの活用によって感染リスクの低減でありますとか、旅行者の安心感の醸成、こういうものを図っていきたいというふうに思っています。
 
(問)オミクロン株に関しては、ワクチンが2回では効果がないのではないかというふうな報道がなされております。その再開にあたりまして、ワクチンの3回目の進行状況などに影響はございますでしょうか。
(答)
  • ワクチン3回目をいつ打たなければいけないとか、効果がどうなのかというところは、私ども専門家ではありませんので、お答えが難しいのですが、いずれにしても、新たなGoToトラベル事業の開始にあたっては、政府全体で相談をしながら決めていくということにしていますので、そういう中で結論を出していくということだと思います。
 
(問)県民割引、地域観光事業支援の中で隣県追加状況がございますけれども、11月19日にご説明ありました、いわゆる運輸支局があるところが基本になって、というふうなお話があったのですけれども、実は徳島県、海を跨いだ和歌山県に拡大できるというふうな発表があったのですけれども、こういった形で、当初やはり四国ブロックなのかなというふうに想定していたのですけれども、海をまたいだ形での拡大というのは、許可されたということになるのでしょうか。
(答)
  • 隣県の定義というところだと思いますけれども、これは地域共通クーポンのときにそのクーポンが使える場所についての定義をしています。
  • それは同じような隣県にというところなのですが、単に物理的に接しているというだけではなくて、例えば徳島と和歌山であれば、その航路、船が繋がっているので、そういうものも隣県の定義の中に入れているものですから、そういう意味で今回も隣県扱いになっていることです。
 
(問)そうすると、航路として繋がっているところであれば、隣県として考えてもいいということでしょうか。
(答)
  • 日帰りできるところであれば。ですので、(例えば)東京と静岡が隣県扱いになるということです。
 

以上
 

組織情報

このページに関するお問い合わせ

観光庁総務課広報担当 代表 03-5253-8111 (内線27-120、27‐124、27-129) 直通 03-5253-8321