和田長官会見要旨

最終更新日:2022年7月25日

日 時:2022年7月20日(水)16:15~16:35
 場所:国土交通省会見室

会見事項

(2022年6月の訪日外国人旅行者数等)
  • 2022年6月の訪日外国人旅行者数は、対2019年比マイナス95.8%の120,400人となりました。
  • 2022年6月10日から開始した外国人観光客の受入れについて、6月の観光目的での入国者数は、252人となりました。
  • 2022年7月以降の新規入国希望者数は、約14,580人であり、入国希望者の主な国籍は、韓国、タイ、米国、インドネシア、フランスとなっています。
  • 今後の新規入国希望者数については、観光庁ホームページにて毎週公表いたします。
  • 2022年6月の出国日本人数は、対2019年比マイナス88.7%の171,500人となりました。
  • 観光庁としては、引き続き、国内外の状況を注視してまいります。
 
(地域観光事業支援について)
  • また、お手元に地域観光事業支援の最新の状況についてもご用意しましたので、お目通しをいただければと思います。
  • 私からは以上です。

質問事項

(問)新型コロナがまた急速に拡大しており、もともと7月前半に実施を予定していた「全国旅行支援」が実施延期となりました。支援を開始する見通し等についてお聞かせいただけますでしょうか。
 
(答)
  • 「全国旅行支援」につきましては、先週の14日に発表させていただきましたとおり、引き続き感染状況を見極めた上で、感染状況の改善が確認できれば、速やかに実施することとしております。
  • 現時点ではまだ、感染状況の改善が確認できませんので、もうしばらく様子を見たいと思います。
 
(問)先ほどもご説明がありましたけれども、訪日外国人観光客の受け入れが始まって1ヵ月程が経ったのですが、現状感染が広まっている等の報告があるのか、また、混乱がないのか教えていただきたいのと、また、旅行業界は水際対策の緩和を要望しているわけですが、そのあたりの見通しについても教えていただけますでしょうか。
 
(答)
  • 現時点におきまして、観光庁に観光目的の入国者について、陽性者が発生したとか、受け入れ地域等との間でトラブルが発生したといった情報は届いておりません。
  • また、入国者数上限の話でありますけれども、昨日も旅行業界の幹部がお越しになりまして、今後観光目的での入国を本格的に回復させていかなければならないし、していくだろうと。その上で、入国者数上限とか入国72時間前の陰性証明、またビザの免除措置等についてなどの更なる水際措置の緩和について強いご要望をいただきました。
  • 政府としては、感染拡大防止と社会経済活動のバランスを取りながら、水際対策の段階的な緩和を進めていく方針でございます。
  • 今後の外国人観光客の更なる受入れにつきましては、本日の官房長官会見でも松野長官がお答えになっておりますけれども、水際対策全体の中で、内外のニーズや、検査態勢等を勘案し、新型コロナの国内外の感染状況や主要国の水際対策の状況等を踏まえ、政府全体で適切に判断されるものと承知しております。
  • 観光庁といたしましては、旅行業界等からの強いご要望を受け止めて、水際関係省庁にもお伝えしつつ、政府の一員として今後の水際対策のあり方について引き続き検討してまいります。
 
(問)この先外国人観光客の受入れが増えていくとなると、日本の観光業界は富裕層のニーズにあった旅行のプランが苦手だと長年言われています。最近は旅行会社や観光会社が協力して、業界横断的に受入れ体制を作っていこうというような動きも出ています。観光庁として、富裕層の受入れに対して政策的に取り組むお考えがあるのか、そのあたりについてお教えいただけますでしょうか。
 
(答)
  • インバウンドにつきましては、官民の努力によりまして、コロナ前の2019年には、旅行者数が3,000万人を超えて、飛躍的に増加をしてきました。
  • 一方で、観光庁としては、インバウンドの恩恵を全国津々浦々の地域で実感できるようにするためには、より一層の消費額の拡大や地方への誘客が課題だと認識しております。
  • そうした観点から、新しいインバウンド戦略の中で、しっかりと取り組んでいく必要があると考えています。
  • 今ご指摘いただきましたように、現在、民間企業同士の連携によりまして、富裕層向けの体験旅行の造成や、これを提案するデザイナーの育成などを含んだ旅行コンシェルジュサービス実証事業が始まったと承知をしております。
  • 私どもとしては、これまで必ずしも十分に取り込めてこなかった世界の高付加価値旅行者層、我々の認識では1回100万円以上を使う方ということでありますが、そうした層の訪日旅行を増やすとともに、従来は、大都市圏での買物需要が中心であったのですが、大都市圏での買物消費だけではなくて、地方滞在の満足度を向上させるような取組を進めているところであります。
  • 具体的には、高付加価値層の取り込みの上で重要な課題は5つあって、1つはウリということなのですが、高付加価値旅行者のニーズを満たす滞在価値であります。それから2つ目がヤド、地方に高付加価値層が止まる宿泊施設が少ないと。それからヒトの問題、これは日本への送客とかガイドとかホスピタリティとかそう言う意味です。それから4点目にコネ、これは高付加価値層を呼ぶためにコネクションが不足している。それにプラスでアシですね、ビジネスヨットやスーパーヨット、受入れ環境の問題、これら5点の解決に取り組んでいるところであります。
  • 今後は、今年度中にモデル観光地を10ヵ所程度選定して、5月末に取りまとめられました「アクションプラン」に基づいて、これら課題の具体的な解決を図ることとしています。
  • 観光庁としては、民間企業の取組ともしっかりと連携しながら、高付加価値層の一層の取り込みに向けて、しっかりと取り組んでいきたと思います。
 
(問)先ほどの訪日旅行再開の関連ですけれども、現状目立った観光地でのトラブルやクラスターの発生の報告は受けていないという事ですけれども、長官の受け止めとしては、滑り出しとしては国内の感染者数は増えておりますけれども、インバウンドのスタートについては順調な滑り出しというように受け止めていらっしゃるのでしょうか。加えて、実際にトラブルやクラスターが起きていない、うまくいっている要因はどのようにみておられるか、旅行業界への周知だとか、うまく回った背景みたいなものがもしあればお伺いできますでしょうか。
 
(答)
  • インバウンド観光客の受け入れ、6月10日から始まって、まだ日が浅いと言いますか、1ヵ月ちょっとであります。そういう意味で、添乗員付きパッケージツアーという形でのスタートですが、インバウンド再開の第1歩だと思っております。そして6月は先ほども申し上げたとおり252人と言うことでありますが、7月以降増えていくだろうというふうに思っております。
  • それからトラブルの関係は、実証事業を実施した上でガイドラインを作りました。ここでは様々な事をガイドラインに盛り込んで、旅行者にも観光事業者にも遵守していただくことを整理させていただいて、今のところ、これに基づいて大きなトラブルがないのだろうと思いますが、引き続き関係者にはガイドラインに規定している事項を遵守していただきたいと思っております。
 
(問)訪日観光ならびに水際対策の点についてお伺いします。現在、1日の入国者数が2万人という上限が定められている中でこの上限がこれからのインバウンド回復の足かせになってしまわないかという点でお伺いしたいのですが、2万人の枠の中には日本から出国した海外旅行の観光客の帰国者の分も含まれているので、今後ますます枠を圧迫するのではないかと思います。このあたりの現状認識と見通しについてお願いします。
 
(答)
  • 現在1日2万人を上限ということで設定されているわけですが、今年の6月で日本への入国者数が34万5千人、これは法務省の出入国管理統計ですが、1日当たり平均でならすと約1万1500人程度となります。
  • これを踏まえると、現時点で直ちに2万人の上限に達するという状況ではないと考えていますが、ご指摘の通りこれからインバウンドアウトバウンドの本格的な回復を図っていくことになると思うのですが、そうなってくると、昨日も旅行会社の幹部の皆様からもご指摘をいただいておりますが、入国者数上限のほか先ほど申し上げた72時間前の陰性証明、ビザの免除、そういったところが課題になってくるので、さらなる緩和を目指したいという強い要望をいただいています。
  • 先ほど申し上げた通り、水際対策については政府全体で議論しながら決めなくてはならないことになりますが、私どもとしては、旅行業界等からの強いご要望をうけとめて水際関係省庁にしっかりと伝えて対応し、政府の一員として水際対策のありかたについて引き続き検討したいと考えています。
 
(問)旅行業界から強く要望が来ていることと思いますが、全国旅行支援の延期に関して、旅行業界の見方として旅行そのものが感染拡大につながっているという印象を与えかねないのではないかという強い懸念が示されています。こういった指摘に対して長官はどのようにお考えでしょうか。
 
(答)
  • 3月にまん延防止等重点措置が終了して以降、国として移動や旅行の自粛等を求めているわけではありません。今回の全国旅行支援の関係では、7月14日の厚労省の専門家会議の評価を踏まえまして、今般は全国一律の需要喚起策は見送りましたけれども、いわゆる県民割支援はお盆期間を含めて延長するなど地域の感染状況に応じた支援を実施していくこととしております。旅行自体が感染拡大に直結しているという認識ではございません。
 
(問)県民割のほうは続いていくということですので先日の斎藤大臣の会見の中でも県民割のほうで持ちこたえていただきたいといった話がありました。その中で「工夫して支援していく」というお話もありましたが、どういった支援が行政のほうからできるのでしょうか。お願いします。
 
(答)
  • いろいろな工夫を考えていきたいと思っておりますが、我々が講じた工夫といたしましては、一つ目として県民割支援の延長にあたってお盆の期間を含む最繁忙期についても、一律に対象期間から除外することはせずに各都道府県の判断で事業を実施できることにいたしました。
  • これは、お盆を含む期間でも各都道府県において地域の感染状況や需要動向を踏まえつつ事業実施の可否を判断できるように工夫したものです。
  • もう一つは需要喚起策以外でも本年4月に原油価格・物価高騰等総合緊急対策としてお認めいただいた予算を活用して三密回避のために貸切バスを増台する団体旅行の支援について公募を行い、140を超える申し込みをいただきました。
  • 夏の旅行シーズンに間に合うように交付決定の手続きを速やかに進めて旅行会社や交通事業者の方々に対して迅速な支援をおこなっていきたいということも考えています。
  • 今後も観光に関係する皆様の声を丁寧に伺いながら必要な支援を継続的に実施できるよう適切に対応していきたいと考えています。

(問)入国者の関係ですが、5月の14万7000人から12万人と減少していますが、これの要因や理由等についてもしおわかりでしたらお願いします。またこれから観光客が増えていくだろうとのことですが、今回の新型コロナウイルスの感染者が増大している中でその影響はないのか、ご見解をお願いします。
 
(答)
  • 法務省の統計から、この12万の数字の中に含まれている留学や技能実習の方々の入国が5月までは増えています。ところが6月になって留学も技能実習も大きく減っております。二つあわせて約3万人くらい減っているのが影響しているのではないかと思います。
  • また、今後のインバウンドの関係ですが、これは世界的に感染者数が、陽性者数が増えています。これが今後どのようになるかはなかなか見通しにくいところではありますがERFSの登録者数は確実に翌月のほうが増えているので、そのままいけば増えていくのかなと思いますが、これは感染状況にもよると思いますので、我々も注視しているところです。
 
(問)今、お話しいただいた5月6月の留学生と技能実習生が3万人程度減少しているということですが、この要因については何かあるのでしょうか。
 
(答)
  • 所管外なので推測の域を出ないのですが、おそらく4月5月くらいで一通りピークを越えたのですかね。すいません、そこは私どものほうではわからないのですが、事実としては3万人くらい減ったと。そういうことです。
 
以上

組織情報