和田長官会見要旨

最終更新日:2023年3月20日

日 時:2023年3月15日(水)16:15~16:33
場所:国土交通省会見室

会見事項

(2023年2月の訪日外国人旅行者数について)
  • 本年2月の訪日外国人旅行者数等について報告があります。
  • 本年2月の訪日外国人旅行者数は、147万5,300人となりました。
  • 昨年2月と比べ、約88倍、コロナ前の2019年2月と比べると57%、中国を除き、77%まで回復しました。
  • 本年2月の出国日本人数は、53万7,700人となりました。なお、1月が44万3,104人でしたので、1月と比べると約1.21倍、コロナ前の2019年と比べると3割強の回復となりました。
  • 観光庁としては、引き続き、国内外の状況を注視してまいります。

(アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージについて)
  • 2点目は、「アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」についてです。
  • アウトバウンドの促進は、国際相互理解の増進につながることに加え、航空ネットワークの拡大、ひいてはインバウンドの更なる拡大にも資するものであり、観光庁としてはイン・アウトを両輪とした双方向の交流促進が重要であると認識しております。
  • しかしながら、本年2月の訪日外国人旅行者数が、2019年比の6割程度まで回復しているのに対して、出国日本人数は、円安や燃料費の高騰、感染への不安などにより、海外旅行への機運が醸成できていないことから、3割強に留まっています。
  • そのため、観光庁では業界団体や各国政府観光局と連携し、一層積極的な取組を進めるべく、今般、「アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」を策定いたしました。
  • 本政策パッケージでは、諸外国との連携体制の強化、戦略的かつ効果的な取組の推進、安全・安心な旅行環境の整備・青少年交流の促進の3つの観点から、様々な取組を実施してまいります。詳細につきましてはお手元の資料をご確認ください。
  • 多くの国民の皆様に海外旅行を楽しんでいただき、そこでしか出来ない経験やその土地でしか味わえない本場の料理など、海外旅行の醍醐味を存分に感じていただけるよう、これらの取組を着実に実行してまいります。
  • 私からは以上です。

質疑応答

(問)全国旅行支援について3点お伺いします。全国旅行支援は、これまでに、既に確保した予算を活用して、新年度以降も事業を継続されると表明されていらっしゃいますが、改めて、その意義などについてご見解を伺います。また、新年度以降、例えば、年末年始の繁忙期は一時休止したように、GW期間は対象期間外となるのかや割引率などの支援内容、また、発売前に予約を済ませた場合の適用など、支援内容の詳細について改めてご説明をお願いします。最後に、予算についてですが、今後、追加の補正や予備費などで新たに予算を確保して事業を実施する可能性があるのかどうか。以上3点についてお伺いします。
(答)
  • まず、一点目、意義ということでございますが、全国旅行支援について、これまでコロナによりまして、観光産業は長期にわたって深刻な影響を受けています。
  • 例えば、宿泊産業であれば、債務が約4割程度増加をするといったことで、大変苦しい状況に置かれているということでございます。
  • そうした観点から、引き続き、確保した予算を活用して4月以降も全国旅行支援を継続することとし、各都道府県に通知をしたところでございます。
  • 二点目、制度の内容についてのお尋ねですけれども、全国旅行支援につきましては、繁忙期にあたるGW期間は除外をすることとしております。
  • それから、割引率やクーポンの付与額など制度の内容については、現在実施中の全国旅行支援から変更はなく、そして既存予約についても引き続き対象外となります。
  • 三点目、予算措置については、全国旅行支援の予算につきましては、令和2年度三次補正予算、それから令和3年度補正予算で措置をされた合計約8,300億円を活用して事業を実施しているところです。
  • 予算面では、4月以降もこの8,300億円の残額の活用が可能であり、各都道府県の状況にもよりますけれども、個人旅行については初夏頃まで、そして団体旅行につきましては更に長期に実施ができると考えております。
  • この予算を活用して継続をしていきたいと思っております。
 
(問)全国旅行支援はGoToトラベル予算を当初活用していたかと思いますが、2023年度以降、現在休止中の扱いとなっているGoToトラベル事業はどうなるのでしょうか。都道府県に配分されている予算が順次なくなれば終了という形ですが、GoToトラベル事業自体も終了することになるのでしょうか。
(答)
  • 全国的な旅行需要喚起策については、コロナの感染状況や旅行需要の動向などを踏まえて、現在、全国旅行支援という形で需要喚起を実施しているところでありまして、現段階でGoToトラベル事業を再開する予定はございません。
  • 需要喚起のあり方として、コロナ感染状況や需要動向を踏まえて、その時点時点の適切な需要喚起策を実施してきているところであり、現段階におきましては、全国旅行支援という形で需要喚起策を行うのが適切と考えております。
 
(問)全国旅行支援について、都道府県によって実施期間など違いが出てきていますけれども、観光庁としては各都道府県に対して、「何月まで延長していいです」や、「何月までは実施しなければいけない」というような期間の設定について方針があるのでしょうか。また、そもそもいくつの都道府県で延長するという状況なのか、現状を教えてください。
(答)
  • 全国旅行支援の実施期間につきましては、各都道府県の執行状況に応じて議会等の手続きを経た上で設定されることとなりますけれども、観光庁としては個人旅行については多くの都道府県で初夏頃までの実施が可能ではないかと考えています。
  • 本日の正午時点で観光庁が把握している情報としては、11県において6月30日まで延長する旨の発表があったと承知をしております。
  • その他の都道府県においても、今後、実施期間の延長について順次発表されていくものと考えております。
 
(問)「6月30日までは実施しなければいけない」という方針があるという認識でしょうか。
(答)
  • 先ほど申し上げました通り、各都道府県の執行状況に応じてということになりますので、各県の状況によって6月30日としているところが多いですが、7月としているところもあり、そこのところは各県の状況次第ということになると思います。
 
(問)逆に延長せずにもう終わってしまったところがあるのでしょうか。
(答)
  • 今のところ聞いておりません。
 
(問)先ほど全国旅行支援の意義についてご質問がありましたけれども、この度マスクの着用ルールが緩和されたり、また、新型コロナの類型が5類に移行するなど、旅行需要を後押しするような状況がもう既に旅行支援がなくても広がっているということで公金を投入する意義が薄らいでいるという指摘も聞かれますけれども、どのようにお考えでしょうか。
(答)
  • 全国旅行支援をこれまで続けてまいりまして、日本人の国内宿泊者数はコロナ前と比較して、同程度の水準になってきていると思いますし、ご指摘の通り、マスクの着用ルールの緩和や、5類への移行も予定されているということでありますから、旅行しやすい環境や雰囲気の醸成には繋がっていくのだろうと思います。
  • 一方で、観光は、今後も成長戦略の柱として、地域活性化の切り札と申し上げていて、その担い手として期待をされている観光産業というのは、先ほど申し上げました通り、長期にわたってコロナによって深刻な影響を受けています。
  • 宿泊業は債務が4割増える、というそのような状況でもあります。
  • そのため、ソフトランディングの観点から、昨年よりも支援レベルを少し落として、そして繁忙期であるGWを除いて、措置をされている予算を活用して全国旅行支援を継続することに致しました。
  • それから、団体旅行の回復が必ずしも芳しくないということであり、こちらについては、国から各都道府県にお配りした予算のうちの2割に設定している団体旅行枠を引き続き活用するなど、団体旅行の支援を重点的に行っていくこととしています。
  • 観光庁としては、こうした旅行需要の喚起策にだけ頼るのではなくて、観光地や観光産業の再生・高付加価値化など、観光産業が抱える構造的な課題に対する対応を後押ししながら総合的に進めていきたいと考えています。
 
(問)全国旅行支援について、長官からお話のあった団体旅行枠について2割というお話でしたけれども、初夏を超えてまでまだ残る可能性もあるというお話でしたが、この団体旅行というところは、例えば旅行会社の造成というか、さらに働きかけるというか、そのあたりの団体旅行が今後消費されることへの期待感があれば、お伺いできればと思います。
(答)
  • 団体旅行は、どうしてもまとまった人数を募集するということで、企画からツアーの実施まで時間がかかるなど、なかなか需要の回復が思わしくないところがあります。
  • 従って、一定の割合、2割を団体旅行枠として確保して、これをとにかく使っていただくことが大事だと思いますので、関係業界も含めて、どうやったら使っていただけるかよく相談をしながら考えていきたいと思います。
 
(問)今日発表にあった外国人旅行者数の関係で一点お伺いします。韓国人の旅行者が、1月2月とかなり増えてきています。この背景や、分析をどのようにされているのかということと、今後の展望をお聞かせいただければと思います。
(答)
  • 韓国からの訪日者数は昨年1年間で100万人を超え、そして国・地域別のシェアは26%になりました。
  • 数、シェアともに昨年の中ではナンバーワンになりました。
  • これについては、まずコロナ前に最大の訪日者数を占めていた中国からの旅行者がまだ十分に回復していない、そして、隣国であるという地理的な関係や、双方の国の水際措置の緩和が実現している、航空路線が順調に回復している等の要素がいろいろ相まって韓国の方がお越しいただいているものだと思います。
  • それから、アウトバウンドも、コロナ前は韓国を訪れる日本人327万人いらっしゃって、訪問先としてはナンバー2でした。
  • 日本人にとっても大変人気のある観光の旅行先、目的地でありました。
  • 観光産業の発展だけではなくて、国際相互理解の促進の観点からも、相互の往来は非常に重要ですので、観光庁としても今後、観光業界と連携をして、日本と韓国の双方向の観光交流がより活発化するように取り組んでいきたいと考えています。
 
(問)9月11日から14日まで北海道内で開催されるアドベンチャートラベルワールドサミットまであと半年となりました。こちらのイベントに寄せる長官の期待などをお聞かせください。
(答)
  • アドベンチャーツーリズムは、日本が誇る自然、それから文化資源を活用した観光コンテンツであることに加えて、持続可能な観光という、コロナ後の旅行者の意識変化にも対応するもので、大変重要な意義があると考えています。
  • 9月の「アドベンチャートラベルワールドサミット2023」は、アドベンチャートラベルに関する世界最大規模の商談会・イベントでありまして、アジア・オセアニア地区では初の開催となります。
  • 世界約60カ国から優良なアドベンチャートラベルの顧客を抱えるバイヤーやメディアなどが多数参加される場でありますので、我が国におけるこのアドベンチャートラベルの発展に向けて、非常に重要な機会と考えています。
  • それから、もう一つエクスカーションツアーというものがあります。
  • これは、高付加価値で消費機会の拡大に繋がるツアー内容を、各国からの参加者に実感していただく絶好の機会だと思います。
  • このワールドサミットの開催に向けて、北海道庁を中心とした実行委員会に北海道運輸局も参画をして、レセプションやエクスカーションツアーなど、分野ごとに具体の調整を進めているところです。
  • 観光庁としても引き続き関係者と連携をしながら、サミットの成功に向けて取り組んでいきたいと思っています。
 
(問)先ほどご質問した全国旅行支援の関係での確認ですが、GW期間中というのは具体的に何月何日から何月何日まででしょうか。
(答)
  • 4月29日から5月7日までです。
以 上

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