高橋長官会見要旨

最終更新日:2023年12月22日

日時:2023年12月20日(水)16:15~16:29
場所:国土交通省会見室

冒頭発言

(2023年11月の訪日外国人旅行者数について)
  • 本年11月の訪日外国人旅行者数等について報告があります。
  • 本年11月の訪日外国人旅行者数は、244万800人となりました。6ヶ月連続で、単月200万人を超えました。
  • コロナ前の2019年11月と比べた回復率は、単月で約100%となり、前月に引き続き単月ではコロナ前の水準を回復しました。
  • 本年11月の出国日本人数は、102万7,100人となりました。
  • コロナ前の2019年11月と比べると約63%の回復となっています。

質疑応答

(問)10月にコロナ後初めて単月でコロナ禍前の水準を超えまして、11月に6ヶ月連続で200万超え、かつ、1月からの累計で4年ぶりに2,000万人を超えました。これを踏まえての受け止めと、来年の見通しやコロナ前水準への回復に向けた長官としての意気込みをお伺いします
(答)
  • 本年11月の訪日外国人旅行者数は244万800人となり、6ヶ月連続で単月200万人を超え、本年1月から11月までの累計の訪日外国人旅行者数は、2,233万2,000人と、2,000万人を超える数字となりました。
  • 国・地域別に見ますと、23市場のうち、韓国やアメリカなど13市場からの訪日旅行者数が11月として過去最高を記録しています。
  • また、コロナ前の2019年11月と比べた回復率は、単月で約100%となり、前月に引き続き、単月ではコロナ前の水準を回復しています。
  • 本年の回復状況につきましては、足元ではコロナ前の水準を回復しているなど、堅調な回復が続いたものと認識していますが、韓国市場の回復率については、留意が必要だと考えています。
  • 2019年の後半は、日韓関係の悪化により、韓国からの訪日が控えられる状況にありました。
  • 一方で、現在はそのような状況ではありませんので、本年後半の数値については2019年と比べて回復率が高くなる傾向にあります。
  • 特に韓国からの訪日者数は、本年の1月から11月までの累計では、全市場の27.7%を占めており、その増減が全体の訪日者数に大きく影響することに留意する必要があると考えています。
  • また、インバウンドについては、毎回ご報告している訪日者数だけでなく、いくつかの視点でも評価する必要があると考えています。
  • まず、外国人の延べ宿泊者数につきましては本年7月にコロナ前の水準を超えて以降、4ヶ月連続で2019年同月を上回っており、10月は単月としては過去最高値となっています。
  • 長く多く滞在していただくことは、日本で地域を深く知っていただくこと、消費を高めていくことに繋がり、大変重要な要素であると考えています。
  • 訪日外国人旅行消費額については、2023年7月から9月期、これらが最新の報告した値ですが、1人当たりの消費単価は、2019年同月比では、全市場合計で約3割上昇しています。
  • 統計データのある19市場全てでプラスとなっているなど、順調に推移をしているところです。
  • ご指摘いただきました、来年の訪日者数の見通しについては、為替や国際情勢など、インバウンド市場に様々な要素が関わっており注視が必要であることから、現時点で見通しを具体に申し上げることは困難ですが、引き続きオーバーツーリズムの未然防止抑制を含め、受入環境整備をしっかり進めてくとともに、観光立国推進基本計画に掲げている2019年水準超えという目標達成に向けて、訪日プロモーションの強化、限りないポテンシャルを有する地方への誘客を進めてまいりたいと考えています。
 
(問)2,000万人を超えたことについては、率直にどのように感じてらっしゃいますか。
(答)
  • 毎年、訪日外国人旅客数というのは積み上げであります。
  • 前年に積み上げた数字は、一度ゼロに戻って1月から積み上げていくということ、そしてコロナという大変な苦境にあった状況からの回復です。
  • 2,000万人という一つの節目を超えたということは、大変意義あることですし、関係者の皆様のご努力に感謝しています。
  • 引き続き、しっかりとプロモーションを進めていきたいと思います。
 
(問)インバウンドの消費額について質問です。政府目標の年間5兆円超の消費額目標について、早ければ年内に達成できるのか、正式には来年にお伺いできるかと思いますが、見通しについて教えていただけますでしょうか。
(答)
  • 今、正式にデータとしてお示しができているのは、過日申し上げた7月から9月期の数字までということですが、本年1月から9月期の訪日外国人1人当たりの旅行消費額は約21万円となっており、現時点では、本年3月に決定した観光推進基本計画において定めた政府目標である20万円を超えた数値となっています。
  • また1月から9月期累計の訪日外国人旅行消費額は、3兆6,326億円となっています。
  • 10月から12月期の訪日外国人旅行消費額については、まだ12月も終わっていませんしデータはありませんが、訪日外国人旅行者数が10月、11月と2ヶ月連続でコロナ前の水準を回復していると評価できていることも踏まえますと、先ほど申し上げた単価、あるいは訪日外国人旅行者数の傾向が維持されれば、本年、年5兆円の政府目標の達成も期待できるのではないか、視野に入ってくるのではないか、と考えています。
 
(問)2019年のコロナ渦前を超える水準とのことでしたが、現状、中国からの訪日はコロナ渦前まで回復していないと思います。足元の状況であったり、来年の見通しがあれば教えてください。
(答)
  • 11月の中国からの訪日者数は約26万人となりました。
  • その回復率、コロナ前2019年の同月比としては約34%と、前月の約35%とほぼ同程度となっています。
  • この数値は、一般的に年間で中国からの訪日者数のピークとなる夏休みシーズンと比較してみますと、今年7月の回復率で約30%を上回り、8月の約36%とほぼ同程度ということを認識しています。
  • 他方、今年初めから続いてきた回復傾向は、中国について大きく低下していないものの、その伸びが十分ではない、必ずしも十分ではないと認識しています。
  • 様々な要因が考えられると思いますが、いくつか申し上げますと、日中間の航空便数の回復について引き続き遅れが見られるということ、また中国における景気動向の影響などによって、いわゆる内需・消費が低下しています。
  • また、昨今中国全体として、国内旅行の回復に比べて、日本に限らず海外旅行全体の回復が遅れていることなども、要素として考えられると思っています。
  • 観光庁がJNTO(日本政府観光局)を通して実施した現地の旅行会社への聞き取りから、いくつかコメントといいますか、認識をご紹介したいと思います。
  • 回復を実感していると回答したケース、また、新たに訪日旅行商品を企画造成中または販売中と回答するケースが相当程度ある一方で、航空便数や座席数の不足により、旅行商品の造成に影響が出ていると回答するケースや、中国国内の経済不振が海外旅行全体に影響を与えると回答するケースも出てきたところです。
  • 他方、訪日旅行者1人当たりの旅行消費単価を見ますと、本年7月から9月期における2019年同月比では、全市場では、約3割増となっているところ、中国はこれを上回り4割増となっています。
  • 国別の旅行消費額の合計では、中国は全市場の約2割を占め、最大となっています。
  • このようなことを踏まえ、中国市場に対する取り組みとしては、現在JNTOが日中の航空会社6社と共同広告を実施中であり、中国からの訪日や、日中間の航空便の復便の促進を図っているところです。
  • また、今後の取り組みとして一例申し上げますと、来年1月に中国の旅行会社を日本に招請し、日本のランドオペレーター、あるいは観光施設、宿泊施設との商談会の開催を予定しています。
  • 私どもとしては、引き続き中国からの旅行客の動向や実績を注視するとともに、訪日プロモーションはじめ、必要な取り組みをしっかりと進めてまいりたいと考えています。
以 上

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