私たちが訴え続けてきた「イクメン」は、育児に関わる父親の95%(マクロミル調べ)に認知され、流行語大賞に選ばれるまでになりました。
ただ、現時点の育児休業・休暇の取得率は2.63%(*1)に留まっており、「イクメン」の認知向上によって約2倍増となったものの、2020年に13%にするという目標(*2)には遠く及びません。また、今年の新入社員の33.9%(*3)が育児休業・休暇を取得したいと考えていることからすると、13%という目標自体も低いと言えるかもしれません。
「イクメン」の認知が高まった今も育児休業・休暇の取得率が伸びないのは、男性の育児における「壁」があるからだと考えています。
「男性は料理や家事は出来ないのがあたり前」「妻が準備をしてくれないと子育てに関与できない」などの意識が「壁」となって、男性の積極的な育児への参加に繋がっていないのだと思います。
また、職場における「上司の意識」や「社内の雰囲気」、家庭における「身内の理解」にも阻害要因があることも事実です。
私は、その「壁」を取り払うための有効な手段の一つが、外出や旅行だと考えています。家族あるいは父子での外出や旅行という非日常の環境は、リフレッシュや家族の絆づくりに繋がることは元より、自ずと父親が子供の世話をせざるを得ない状況になり、男性の育児における「壁」を自然と取り払ってくれると思います。
私たちファザーリング・ジャパンで実践している、「父子旅行」「家族旅行」「家族×家族旅行」でもその効果は明らかだと認識されています。
父親が「壁」を取り払うことで、夫婦間で育児の負担をシェアすることに繋がります。それにより、父親がより積極的に育児に関わり、そして子供と共有する時間を長くしようという意識に繋がり、育児休業・休暇の取得率も向上するはずです。
ですので、育児時期にある男性の皆様には、「壁」を取り除くこと、すなわち外出や旅行を積極的に行って頂きたいと思います。
*1:「平成23年度雇用均等基本調査」(厚生労働省)
*2:「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(仕事と生活の調和推進官民トップ会議)
*3:「2012年度 新入社員意識調査 報告書」(一般社団法人日本能率協会)